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第五十三章 ヨルムンガンドの大波
オルメカ中央軍の転戦
しおりを挟むヨミ号に続き、オルメカ号が中央艦隊を率いてニライカナイを離れていきます。
ショチルの戦隊と西光子の後方支援艦隊が残っているだけです。
オルメカは全軍を挙げて戦いを始めたのです。
シウテクトリは、バアル・ゼブルの戦法を是としました。
「諸君、当分ニライカナイには戻れないと覚悟してくれ」
「ヨミ・ミリタリーが、泥沼の戦線を何とか維持しているが、我らも同じようになる」
「出口の見えない戦いではあるが、ここで崩れれば戦いは敗北となる」
「今我らはオルメカ第四方面軍を助けに行くが、オルメカ担当の全領域で敵が優勢である」
「中央軍は各地を転戦することになろう、小康状態に持ち込めば、諸君に休暇を与えられることになろう、しかし当分は不眠不休となる」
「加盟惑星世界の防衛は、ユニバースが何とかするだろうが、根本的な敵勢力を壊滅させるのは、我らの地道な努力しかない、諸君の検討を期待する」
こうしてシウテクトリ率いる中央軍は、戦闘に入りました。
オルメカ号はヨミ号と違い、その戦闘力は桁違い、しかも戦訓が行き届いています。
グランパ宇宙の戦いを押し戻し、何とかオルメカ第四方面軍単独で、戦線を維持できるようになりました。
しかしその後、予測どおりあちこちの宇宙を忙しく転戦することになったのです。
……シウテクトリも引きずり出した、このままこのあたりで釘付けしておけばよいだろう……あとはゼノビアとイシスを引きずりだせば、ニライカナイの防衛戦力はがた落ちとなる。
その上で、全域で非正規戦を展開すれば、ルシファーも自ら陣頭に立たざる得ないはず。
ルシファーを亡き者にすれば、ネットワーク世界は崩壊する。
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帝釈天インドラは正しかった、ルシファーを亡き者にしなければ世界は安定しない。
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いよいよになれば、我を始末しようとするだろう。
しかし、その前にルシファーの力をそぎ落としてくれる……我は負けるわけにはいかない、神から授かった使命はやり遂げる必要があるからだ……
ニライカナイでは、エンブレスが命令を出しています。
「ヨミ号とオルメカ号の位置に、完成している軍事要塞の三号艦と四号艦を配置しなさい」
「ネットワーク全域の防衛体制を再チェックしなさい、ゼノビアさん、とくにエラム宇宙とテラ宇宙を警戒してください」
「マレーネさん、いよいよになったらこのニライカナイも動かすことになります、いつでも出動できるようにしてください」
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