45 / 67
第六章 キュネブルガの物語 トライアングルの内乱
ペクサエテの姫
しおりを挟む惑星デイラが陥落した……
旧ケント連合王国残存勢力は惑星ノーサンブリアに集結、三千隻ほどの中規模な艦隊が、最後の一戦に望みをかけることになった。
根こそぎ動員である、旧式艦や民間の船を急遽改装したものも混じっている。
この戦いで旧ケント連合王国を構成していた七つの王国の内、四つの王国はデイラでの戦闘以前に壊滅していた。
ノーサンブリア王は渋るマーシア王を説得し、戦局を挽回しようと出陣したのである。
マーシア艦隊とノーサンブリア艦隊は勇戦した、ソンガイ帝国軍にかなりの損害を与えたがついに包囲された。
マーシア王の旗艦が、ソンガイ帝国の光子砲弾――ここでは物質反物質対消滅反応を利用していると仮定――が炸裂、マーシア王は戦死しマーシア艦隊が崩れ ノーサンブリア王はそれを見て、ノーサンブリア艦隊を率いマーシア艦隊の為に包囲網を突破、膨大な犠牲を払いマーシア艦隊を脱出させた。
その代償はノーサンブリア艦隊の壊滅、そしてノーサンブリア王も戦死、旧ケント連合王国残存勢力はここに壊滅した……
残存艦隊はちりぢりになり、ソンガイ帝国軍はついに惑星ノーサンブリアの軌道上に揚陸艦を浮かべた。
騒然とする惑星ノーサンブリアの、とあるシャトーで、
「脱出しましょう!」
との声が響いています。
声の主は惑星ペクサエテ王家の一人娘、キュネブルガです。
キュネブルガは、惑星ノーサンブリアに留学、いや、させられていたのです。
「姫!お控えください!」
年配の侍女がたしなめていますが、
「もうマーシアの監視はありません、彼らも脱出の準備で忙しいはず、七王国は最早私たちを守れない」
「ペクサエテもマーシアもノーサンブリアも最後でしょう、なら最後は生まれた地で死にたい」
ペクサエテはマーシアの衛星国家、最後の戦いのために根こそぎ動員され、ペクサエテの防衛艦隊も嫌々ながら参加させられたのです。
そして壊滅、運良く生き残った艦艇は、惑星ペクサエテへの帰還の途中にあります。
キュネブルガは、この敗残のペクサエテ防衛艦隊に合流、故郷に帰ろうと言うのです。
「しかし姫様、脱出と言われますが、船はどうするのですか?」
「たしかエンジンが故障して、放棄されたペクサエテ王家の旧式宇宙ヨットがノーサンブリア宇宙港にまだ有るはずです」
「解体予定と聞いていましたが、今回の出来事でそのままのはず、王家の宇宙ヨットならば、非常用のソーラーセイルが有るはず」
「これで何とかこの星系内なら飛べます、そこで帰還途中のペクサエテ防衛艦隊に連絡をとり、拾ってもらいましょう」
キュネブルガはペクサエテ王家の一人娘、護衛の女性兵士も四名ほどつき従っています上、キュネブルガは自身も軍事訓練を受けており、その影響ゆえか、従う侍女たちも、多少は銃器を取り扱えます。
それゆえに、キュネブルガは軍籍を所持しており、これでも一応大佐なのです、もっとも名目だけではありますが。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる