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第一章 アニーの物語 観光宇宙遊覧の出来事

アニー、それなりに頑張る 其の二

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「突然で申し訳ありません、ガリレオ衛星執政官府所属のアニー・スチュアートと申します」
「子供たちの命がかかっています、どうか私の話をお聞きください」

 どうやら会議中のようでしたが、会議のメンバーの一人が、
「かまいませんから、聞いてあげてくださいな」
 とか、いっているのが聞こえました。

「話を聞きましょう」

「私たちは、ガリレオ衛星の観光遊覧中でしたが、突然に、オルメカ所属と称する宇宙船に捕獲されています」

「破壊されそうですが、私がチョーカーを持っているので、その船の予備の操船ロボット、GRT5968Cとの交渉中です」
「つきましては、このGRT5968Cに、話をしていただきたいのです」

「GRT5968C?」

「はい、どうやら最後の審判戦争以前に、未知の男性体根拠地の探索を命じられた、ロボット探査艇のようなのです」
「観光遊覧船には男性の方も乗っており、敵と認識しているようで、なんといっても聞いてくれません」

「分かりました、とにかく通信を替わりましょう、そのオルゴールを、相手に渡してみてください」

「GRT5968C、オルメカの最高指導者シウテクトリです、確認しなさい」

 しばらくして、

「確認いたしました、オルメカの最高指導者シウテクトリ様です」

「では命令します、まずそのアニーさんの要求を受け容れなさい、敵対行動などとらないように」
「近くにミリタリー三軍の一つ、その昔スペースミリタリーといっていた、ユニバースのステーションがあるはずです、そこへ移動しなさい」

「ステーションにはドックがありますので、そこで修理をしてもらいなさい、ユニバースの担当官には、こちらから連絡しておきます」
 
「アニーさん、命令を出しなさい、いまよりGRT5968Cは、貴女の命令を受け容れます」
「ガリレオ衛星ステーションには、こちらから連絡官を派遣いたしますので、それまでGRT5968Cの面倒を見てください」
 
 こうしてオルメカのロボット探査艇、GRT5968は、やっと味方の根拠地に帰還したのです。

 GRT5968のデータバンクには、彷徨っていた間に探査したデータが記録されており、その中には未知のワームホールが幾つもあり、また未確認の文明世界も膨大に記録されているようです。

「大変な観光遊覧になったわ……」
 アニーさんの感想でしたが、子供たちは違ったようで
「ドキドキしたわ、海賊が出たと思ったわ!」
 と女の子が言っていますと、
「海賊なんて大したことはない!僕がやっつけてやる!」
 と、勇ましいことをいっている男の子もいます。

「やれやれ、何事もなく終わってよかった、一生の思い出になるでしょう」
 キース神父もホッとしたようです。

 結果オーライ、子供たちには、記憶に残る観光宇宙遊覧となりました。

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