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第十三章 『聖女の館』は着々と
いつのまにか軟着陸案
しおりを挟む第三の神託も済ませ、あれから、のんびりと過ごしていた三人、ティアさんの生理も二回ありましたね。
貯金も全然使っていないようです。
現在の貯金、なんと1,950,716円……
11アウレウス金貨、3デナリウス金貨、6キナリウス銀貨、3セステルティウス銀貨、3アス青銅貨、1クァドランス青銅貨、余り5円。
まだソリドゥス金貨のお顔は見れないようですね。
金額制限なしの空間容量(0.5単位で切り上げた立方体) 45m2に収まる物は、二個分繰り越していますし、お高い缶詰も初回分も使っていませんので三回分、それに付属する乾パンも三回分、三箱72缶も溜まっています。
いまは十月の初めです。
約束の時間に、ダンカンさんがやってこられました。
「まあ、お話は食べながらということで……お供の方は、別室でよろしいですか?」
「お願いする」
「マリアさん、そちらの方たち、別室にご案内して、お食事を運んで下さらない」
「では私どもはこちらで」
案内されたサロンには、モーニングセットとブランチセット、さらにはパン・バイキングの用意が……
「この二つがおっしゃられたセットです、モーニングセットはこちらです」
「こちらの一杯並んでいる小皿は?」
「計画中のパン・バイキングの種類です」
ティアさん、前日のパン・バイキングの計画を説明しています。
「なるほど……いい案ですね……ただ安すぎるのと、なにかお酒類が欲しいところですね」
「しかし、お昼からお酒ですか……軽い物なら考えてもいいかも……」
「飲み物を酒に変え、その分価格をあげてはいかがですか?」
「その小皿が大体2アスなのよ、でね、いただく料金が1キナリウス、つまり25アス、25個分と云う訳なの」
「パン関係が10個分、スプレッドが3個分、飲み物が1個分、サラダが1個分、おかずが5個分の割り当てを考えているわ」
「パンとスプレッドは取り放題ですけどね」
「軽いお酒は2個分というところなのよ、お酒は350ミリリットル、他の飲み物のように分けることはできないのよ」
「つまり、1アス追加すればお酒に変えられる、という事ですか?」
「そうなるけど……このお酒、発泡でね、容器ごと出すことになるわ、問題は容器なのよ……」
「お見せ願えますか?」
「全部出してあげるわ♪」
『100円●ーソン』の缶チューハイ関係、5種類をだしたティアさんです。
「これがドライ、こちらがそのレモンが入った物、あとは甘口になるわ♪飲んでみる?」
「では、ドライと云われたものを……」
「これはいいですね♪軽いし、昼にはちょうどいい♪」
「ところで、ご懸念の容器の話ですが、このたび大公殿下は皇帝に即位される予定です」
「新たに即位する皇帝陛下は、『この世界に遣わせられた聖女』様のご加護をいただき、目出度く皇帝になられた」
「神殿本庁も皇帝陛下が聖女様より、ご下賜された『霊薬』の瓶を本物と判定、聖女様の御在所を、カルヌントゥム近郊の『ウッドハウスの森』と認定したようです」
!
「まあ、お聞きください」
「で、聖女様の御姿は誰も知らない、ただお仕えする筆頭侍女長はユスティティア・サビナ、通称ティア様、次席の侍女長はブラダマンテ・ラロッシュ、通称ラダ様」
「そのほか、幾人か聖女様にお仕えする侍女がいる」
「これらの方だけが聖女様のお側近くに仕え、『ウッドハウスの森』の中にある、『聖女の館』に出入りできる」
「聖女様は侍女たちに命じて、『ウッドハウスの森』に誰でも食事がいただけるように、食事処を設置され、聖女様の指示で作られた、各種の料理を提供なされている」
「まあ、私の考えでは、『聖女の館』の掃除など、侍女の下である、女奴隷の召使が必要かと考えますが……」
「このあたりは私見ですので……扱いはわかりませんが、人が必要というのは確かです、コンラッド殿も同意見でした」
「言っときますが、一応、口外無用の魔法をかけなければなりませんので、女奴隷にしなければならないのですよ♪」
「このあたりが、いま神殿本庁と皇帝陛下が話し合われ、決まったところのようです」
「したがって『聖女のもてなし』でだされる物は、この世界の物には見えないものでも不思議ではない、いかがですか?」
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