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第十八章 女性世界
飴の効果は絶大です
しおりを挟む「ハレムが増えると、皆さんと語り合う機会が減るのは確かです」
「私は皆さんに申し訳なく思っています」
「そこで私は皆さんに提案したいのです」
「女官の夫人以上の皆さんには、特典として年齢の不老化がついています」
「側女の方は公表はしませんでしたが、三十五歳から遅延化し、三十六年後に三十六歳、この後は六万年っても三十七歳にはなりません、事実上は不老化となっています」
「側女は三十七にはならない、との噂話は本当なのです」
「惑星エラムの側女の方の中には、百年たっても、三十七歳になられない方も多くおられます」
「この暗黙の特典を廃棄し、チョーカー所持者に対しては不老化を明示し、併せて不老化の上限年齢を下げようと考えます」
「これなら機会が減ったとしても、若いままでいることができますので、語り合える機会が減っても、美しいままの皆さんと出会えます」
「多少なりとも、埋め合わせができると考えるのです、いかがでしょうか?」
ざわざわとしましたね……脈が大ありです。
女性は現金なものです。
サリーさんが、
「ハウスキーパーとしてお伺いいたしますが、ヴィーナス様におかれましては、どのようになされようと、お考えなのですか?」
私は次の書簡を、サリーさんに提出しましたね。
側女クラスは三十歳を上限に歳をとらない。
夫人クラスは、二十五歳から三十歳の間に歳が変動する。
二十五から毎年歳を取り、三十歳になれば、逆に毎年若返る、そして二十歳から再び歳をとっていく。
佳人クラスは、夫人クラスと同じとするが、下限を二十歳からとする。
麗人クラスは夫人クラスと同じとするが、下限を十五歳とする。
名誉付も待遇付も同じ扱い。
サリーさんが読み上げますと、明らかに空気が変わりました。
でも、さらに要望がでます。
「これではリング所持者が可愛そう」
だそうです。
「しかし、ヴィーナス様に抱かれていないものに、特典はいかがか?」
やっと反論が出てきました……
「これについては、私は皆さまのご意見に従います」
後で、姉からこれが分岐点だったといわれましたよ。
見事な下駄の預け方とね。
会議はこの件で紛糾します、結論がでません。
会議を翌日、もう一度開き、決定することになりました。
決まれば私に、報告されることになります。
明日会議を続けることとし、一旦閉会としようとしたとき、さらに今度はアリスさんから、
「愛人にもすこしお願いします」
などと、どさくさの要望がでます。
アリスさんの希望では、任意選択できる年齢の下限を九歳にせよ、とのことですが却下です。
「でも女官は九歳からとなっています!」
相変わらず無茶をいう……
で、愛人クラスの下限を二つさげ、十三歳から三十歳を任意に選択でき、瞬時にそれが反映出来る、となりました。
で、やっと私は放免されたのです。
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