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第十三章 1875年の戦争

ドイツ帝国の解体

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 冷めた紅茶を、入れなおしましょう……

 とそこへ、
「アリアンロッド様にお会いしたいと、ビスマルク侯爵がこられています」
 やはり……来ましたか……どうしましょうね……て、会うしかないですね。

「お通ししてください、お一人ですか、随行の方は?」
「お一人です」
 一人で乗り込んできたのですか……
 では私も、『さし』で話を聞きましょう。

「お待たせしました、なにか私に御用とか?」
 我ながら白々しいとは思いましたが、この見事な髭のおじさまの出方を見ましょう。
 何を云うのか、楽しみではありますね。

 もっとも色々と、ディズレーリさん達と予備会談をしていたようですがね。

「ドイツへブラックウィドゥ・スチーム・モービルの株の枠をいただきたい」
「また単刀直入ですね……では聞かせてもらいましょう、いまおっしゃられたドイツとは、どのようなドイツですか?」

「ドイツ帝国ではいけませんかな?」
「いまのドイツ帝国に対して、講和は了承しました、私は二言はありません」
「しかしブラックウィドゥ・スチーム・モービルの株の枠、つまり世界の支配体制への参入は認めません」

「つまりプロイセンは認めない、そうおっしゃられるのですかな」
「皇帝の退位を条件に、ドイツ帝国の存続を認めざる得なかったのです、それ以上は望まぬことです」

「貴女はそう考えていないはずでは……」
「そうですよ、このお腹の傷は、貴国国民につけれられたもの、私は怒っているのですよ」
「それでバイエルンぐらい、貰おうと考えています」
「無茶な……」

「つまりは負けた者が悪い、貴男たちの行動理念ではありませんか」
「私はその考えを、尊重しているだけです」
「貴女が仕組んだことではないのか」

「普仏戦争の、貴男のやり方ではありませんか、そしてナポレオン三世は愚かだったのです」
「……」

「分かりました……ではドイツ帝国は解体、各王国は新たに緩やかな連邦を構成する」
「政治は各王国からの評議員からなる議会とし、内閣を組織する」
「これでいかがか、貴女の望む立憲君主制となる」

「……誰の知恵ですか?ディズレーリ伯爵の知恵のように思えますが?」
「お答えできませんな」

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