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第九章 軍事組織
大西洋横断飛行
しおりを挟む「さて、この船は大西洋横断の場合、トイレは海なの、お分かり?」
「アリアンロッド様、トイレが使用可能になりました」
と、副操縦士が云いました。
ゴンドラの後方の、ドアのロックが解除され、トイレONと文字が灯ります。
「さてトイレをしときましょう、この後アメリカにつくまで、基本的には降下しません」
「したがって緊急のトイレの場合、便器に貯めることになります、それなりに恥ずかしいことになりますから」
私かトイレを終わると、アシュモア大尉が済まし、代わって副操縦士が済まします。
クレアさんが少々恥ずかしそうに、トイレから出てきます。
……
アリソン・ベルさんが真っ赤な顔で……
「私は大丈夫……です」
まぁいいでしょう……
昼間ですから、太陽光発電の電力で、海水からどんどんと、水素を製造しています。
夜間の取り込みは、ガソリンエンジンを使う事になります。
もっとも水素燃料が残っていれば、それを使えばいいのですよ。
「水素燃料満タンです」
「アリアンロッド様、大西洋横断の試験飛行を始めます」
「偏東風ジェット気流を捕まえるために、南東に向かいます、よろしいでしょうか?」
アシュモア大尉が聞いてきました。
「機長は貴女ですよ、思うままにしてください」
「ではこれより、試験飛行に入ります」
そして副操縦士に上昇を命じました。
ネヴァン号は上昇を続け、成層圏まで昇り、また巡航高度まで降って、最大速度を出してみます。
四つのエンジンを、最大出力にして巡航してみると、最大巡航速度は時速170キロを超え、180キロに近いスピードでした。
試しに太陽光発電での電力を、二基のプロペラに集めて動かし、水素エンジンも最大出力で動かしてみると、時速は152キロを記録しました。
「良く考えると、ガソリンエンジンって無意味ね……最初から水素を積めばいいのですから、すべて水素エンジンにした方がいいわね……それに成層圏に上がると寒いわね……与圧キャビンを調整する必要があるわね……」
その後南下し、高度三千メートルまで降りて偏東風ジェット気流に乗ったネヴァン号は、アメリカへ向かうことになります。
ネヴァン号の改良点をチェックし、さらに飛行航路を確認しながらの大西洋横断飛行は、19時間でマサチューセッツ州のブラックウィドゥ・スチーム・モービル社のナンタケット島飛行場につきました。
アリソン・ベルさんが、今度は真っ青な顔で走っていったのは、云うまでもありません。
だから言ったのにね。
ここで一旦整備と休養をとり、ネヴァン号は翌日の午後には、アメリカの首都ワシントンへ到着します。
ブラックウィドゥ・スチーム・モービル・スタンダードオイル総支配人の出迎えを受けました。
総支配人とは、ロックフェラー家の当主ですよ。
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