惑星エラム 幻のカタカムナ 第一部 パクス・ブリタニカ編 【ノーマル版】

第九章 軍事組織

装備は最新鋭 其の一

　１８７４年の十一月、マーブル・ヒル・レディス・スクールの軍事課程の初期教育も終わり、女学生さんたちも、凛とした軍人さんの雰囲気が、漂い始めています。

　とても魅惑的な、前期の一般職員課程の生徒さんと、はかなり違いますね……

　いよいよ婦人戦闘団の編成、そして装備を考えなければなりません。
　基本的には機械化歩兵部隊、でも女性兵士ですから、そんなに重いものは難しい……

「帝国陸軍の装備にしますか……小柄な日本人向けに作られています……軽量小型が、必須条件でしょうから……」
　ぶつぶつと独り言を言いながら、私は特設倉庫に籠り、どんどんと装備を作ります……

　私の考えた婦人戦闘団の戦闘序列とは

　団本部分隊
　第一、第二、第三小隊は乗車部隊
　第四小隊は戦車部隊
　第五小隊は野砲兵部隊
　第六小隊は重砲兵部隊
　第七小隊は弾薬運搬部隊
　第八小隊は支援部隊

　百二十名を割り当てます。

　弾薬は統一しなくては……やはり反動が少ないのがベストですね……６．５ミリの三八式実包ですか？
　でも改良の余地があります。
　殺傷力が低いですから、スチール・コア（鋼製弾芯）弾にします。

　三八式実包系を使用する以上、小銃はフェドロフＭ１９１６――ロシア帝国の自動小銃――しかないでしょうね。
　フルオートのカービンタイプの小銃です。

　４．４キロですから、少し改良が必要です、Ｍ１Ａ１カービンのようにピストルグリップ化し、折り畳めるワイヤー銃床をつければ、かなり軽量にできるでしょう。

　４キロを切れるのでは？
　銃剣など無用ですが、まぁ一応は、二式短剣ぐらいつけれるようにしときましょうか。
　機関銃はと……日本帝国陸軍の試製三式軽機――重機、軽機を統一した汎用機関銃――を改良して、三八式実包を使用可能に……これは重機なみの威力をもつ軽機です。

　後の個人装備としては、まず拳銃ですね……南部小型拳銃を全員に配布していますが、これは護身用ですから……

　軍用となると、やはり７ミリ南部では威力不足、一つ上の８ミリ南部弾ぐらいは使わなくては……二式拳銃にしますか……

　双眼鏡もいりますかね、九三式双眼鏡はかわいらしくて高性能ですから、これにしましょう。
　あとは通信機器ね……トランシーバーでいいでしょう。

　そうそう時計もいりますね……防水でミリタリー仕様、ナイロンバンドで、簡易方位目盛が刻まれているもので、日本製のクォーツムーブメントとしました、某社の物です。

　こまごまとしたものがいりますね……
　まずはアーミーナイフ、スイス陸軍のソルジャーナイフ。
　ライターはＧＩの必需品のオイルライター。
　それにヨーロッパで使うのですから、ハンディウォーマー……
　やはり日本の、プラチナ接触のカイロでしょうね。

　装甲車は九十七式軽装甲車を、主に使用しましょう。

　乗車歩兵小隊は、二個分隊編成で一個分隊あたり十名、将来的には三個分隊編成の予定ですが……
　装備は九八式装甲運搬車、たしか六名乗車できますが、五名乗車で、八九式重擲弾筒を搭載しましょう。

　分隊あたり二両になりますので、三個乗車歩兵小隊で、十二両、人員は六十名とします。

　重砲兵小隊は四式二十糎噴進砲、船載用の二型発射機のものに車輪をつけ、かなり改修したものが一門、これを牽引するために九八式装甲運搬車一両、一〇〇式観測挺進車 一両で十名。

　弾薬運搬小隊は人員八名、九八式装甲運搬車四両。
　支援小隊は九八式装甲運搬車十両、同数の９４式３／４ｔ装軌式トレーラー。
　戦車部隊は九十七式軽装甲車三十七ミリ砲型六両、人員十二名
　団本部に一〇〇式観測挺進車一両、九十七式軽装甲車、重機搭載型、二両、人員十名。