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第八章 代価
ヒエラルキー
しおりを挟むクリスティンさんの提案は、現実を言葉にしたものです。
「たしかにいまの案しかありませんね、原則はこれでいいと私は思います」
マッケンジー夫人も同意します。
「では、ヒエラルキーですね」
「私は階級の最上位はレディス・コンパニオンでいいと思うのですが、そのレディス・コンパニオンには、お二人を指名したいのですが」
「光栄です……」
「ここからは、私の世界のヒエラルキーを踏襲しようと思います、職制として次はコンパニオン……ここまではいいと思いますが……その下からは……」
マッケンジー夫人がしばらく考えて、
「では、コンパニオンの下はガヴァネス、その下をホステス、さらにその下はウェイトレスと呼びましょうか?」
「皆さんの考えですから嫌はありません、それで結構です」
「公妾(こうしょう)の位はどうしますか?」
と、クリスティンさんが聞きました。
「私の世界では、公妾(こうしょう)などと格別に呼ぶわけではありません」
「私に仕える者は、チョーカーかリング、及びブレスレット、さらにはアンクルのどれかを、身に着けています」
「それに対して、社会は敬意を払ってくれることになります」
「チョーカーとは、私と愛を交わしたものが身に着けるものですが、これはハウスキーパーと呼ばれるものの承認が要りますので、ここでは任命できないのです」
「『格子』とは、私と夜を共にする女たちの中では一番下、その下は『女孺(にょじゅ)』となります」
「今のコンパニオン候補、つまりガヴァネスの方たちはとりあえず『女孺(にょじゅ)』さんでいいと考えます」
「リングはブルーチタン、カレッジとスクールの学生にも一応リングがあります、カレッジはピンクシルバー、スクールはイエローシルバーでいいでしょう」
「そうそう給料も決まっていますよ、『格子』さんの給料は年に金貨7枚」
「スクール卒業後はウェイトレス、『末女(まつじょ)』となり、サファイアのはまったブラック・ゴールドのリングを授けます、給料は金貨3枚」
「カレッジの卒業生はホステス、給料は金貨4枚、『清女(きよめ)』となり、リングはこちらもブラックゴールドですが、はまっている石がルビーになります」
結局、この案で収まりましたけどね……
それから、ハレムの呼称ですが、セパレイティスト・クラブ、セパレイティストとは、レズビアン用語で男と関わりを持たずに、女だけの世界を理想とする人の事です。
そして晩餐がやってきました。
ですが皆さん、ティーガウンです。
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