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第六章 ハイティーの招待客

カンバーランド公の妻

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 この間、五分ほどですかね……
「ご来賓の皆さま、お待たせしました」
「お茶が冷えましたね、いま新しいものをお持ちいたします、しばらくご歓談をお願いします」

 マーガレットさんがやってきました、
「大変お強いのですね!」
 と、尊敬のまなざしです。

 クリスティンさんも、
「驚きましたわ、ご主人様が物も言わずに、殿方を殴りつけたのですから」

 リンダさんも、
「アリアンロッドお姉さま、すごい!」

 で、女王陛下がやってきて、
「すごいわね、あんなに強かったの!」
 一番興奮しているのではありませんか?

 そこへ今度は、問題児のエカチェリーナさんが来ました。
「女王陛下、レディ・アリアンロッドさまに、感謝を述べたいのですが、よろしいでしょうか?」

「どうぞ」
 と、素っ気ない態度ですね、多分嫌いなのでしょうね。
 笑いそうになりましたね……

 なかなか、わがままな叔母様ですから……しかし一応是是非非はわかってらっしゃる。
 本質はお転婆娘なのでしょうね。

 まぁ一度、頭を押さえつけていますから、私が頭をなでる分には、うれしそうにされるのですが、それ以外の方なら、怒りまくるはず……

「父の命を助けていただいて、ありがとうございます」
「私は貴女のお父様には、敬意を払っています、農奴解放令は英断です」
 すこしうれしそうな顔をしました。

 プライド高そうですね、でもこの女、賢そうですね、試してみましょうかね。

「貴女はカンバーランド公爵家の女主人?カンバーランド公の妻?女王陛下の息子の嫁?それともロシア皇帝の娘?」

 ?

「重きはどこにおいていますか?」

「……カンバーランド公の妻がすべてです」
「なら、格は気にすることもないでしょう?」
「……分かりました……」

「女王陛下……今さらですが、至らなかったことをお詫びします……私はどうしても堅苦しいところがありますが、姉とともにお許しください」
 丁寧にわびました。

 単純ですからね、叔母様は……ほら……
「いいえ、こちらこそ、一応どうしても長男の嫁の待遇は決まっていてね、動かせなかったの」
「悪いけど、これだけは我慢してくださらない……それと女王陛下はやめてね、私は貴女の母でもありますから……」
 やはりね……

「レディ・アリアンロッド、エカチェリーナに黒い未亡人(ブラックウィドウ)の制服をあげてくださらない?」
「名誉会員ですよ……」

 でも、一か月後にカンバーランド公爵はインドで病死したのです。
 この時、公爵は二十歳、エカチェリーナは一つ上の二十一歳、一年もなかった新婚生活でした。

 さて、お茶もそろそろ飲み終わりましたので、質問会を始めますか。

「ではご質問にお答えいたします、ただお答えできないこともあります、嘘はつきたくありませんので、沈黙もあるかもしれませんが、誠意をもってお答えいたします」

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