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第五章 黒い未亡人(ブラックウィドゥ)

黒いヴェールの婦人倶楽部

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 このひと月、女王陛下はお痩せになられ始めています。
 名誉格子と位を仮定し、プラチナのブレスレットを贈りましたからね。

 本当に特別ですから、ダイヤがわんさかついています。
 何と言っても黒鉛から作れますから……
 その魔力が、体の老廃物などを除去し、活性化させているので、かなり綺麗な叔母様です。

 ただ上流のお年寄りの貴婦人たちに、ダイエットブームが起こっているようですが。

「なんかドキドキしますね!秘密を共有するのは」
 リンダさんがはしゃいでいます。
「私も!」
「女王陛下!」

 意外にもジョージアナ女王はお茶目でした。
「娘時代に戻れそうですから」
 と、のたまわれましたね。

 やれやれ、世界を望み通り変えようする、極悪非道な結社なのに……軽い軽い……もっとも、秘密でもなんでもありませんが、まぁ本当の目的は明かしていません。

 上流階級の夫人たちの、会合ぐらいのものでしょう。
 ただメンバーがメンバーなので、女王のお気に入り婦人倶楽部といった認識です。

 会合は金曜日に行うことにします。
 この日の午後から女王陛下は、マーブル・ヒル・ハウスに来られて、夕食を共にし、土曜日の朝にかえられます。

 女王陛下がお忍びといえど来られるので、マーブル・ヒル・ハウスの主たる私、バロネス・アリアンロッド・エンジェルは、女王の隠れた姪と認識され始めています。

 どうやら異夫姉さんの息子が、東洋の女に産ませた娘とのうわさが流れています。
 かなり恣意的ですがね。

 クリスティンさんも、ウィリアム4世の庶子、エリザベス・フィッツクラレンスとエロル伯爵ウィリアム・ヘイの娘、アリス・メアリー・エミリー・ヘイの娘と噂されています。
 一応、王族の扱いに、準じているようですね。

 ディズレーリさんの入れ知恵ですかね。

 この『黒い未亡人(ブラックウィドウ)』は、ビクトリア朝の黒の女性用軍服?を着る決まりになっています。
 ただ黒いヴェールをつけてですが。

 そして今日は幾度目かの『黒い未亡人(ブラックウィドウ)』の会合です。

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