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第三章 ブリタニアの膝元で

マッケンジー夫人

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 次の日、私はメイドさんに起こされてしまって……
「申し訳ありません……着替えは自分でしたいのですが……」

 そう、見ず知らずの女性が、ブラックドレス一式を持ってきてくれて……構えているのです……
 クリスティンさんが、怒っているのがわかります。

「レディ・クリスティン・ハワードは、レディズ・コンパニオンとお聞きしています」
「女王陛下は、レディ・アリアンロッド様にはハウスキーパーが必要と申されています」

「ご心配は無用です、お肌の事なども、女王陛下より聞いております」
「私はレディ・アリアンロッド様に、お仕えするように申し付かっています」
「……」

 そこに朝から、元気そうな声が響きます。

「アリアンロッドお姉さま!あらマッケンジー夫人……」
「リンダ様、はしたないではありませんか」

「マッケンジー夫人、私は今のところ宿無しの貧乏女、仕える相手を、間違っていませんか?」
「ケイトとお呼びください、フルネームをお聞きしてもいいでしょうか」

「本名は……アリアンロッド・エンジェル……としておいてください」
 変な顔をしていましたが、
「ではレディ・エンジェル様、アーリーモーニングティーを、飛ばさざるえませんのでお着替えを……その後、ブレックファーストです」

「ポリッジ――粥の事、ここではオートミールのポリッジとなる――とパンで十分ですが……働いておりませんし……」
「論外です、イングリッシュです」
 朝は……頭が寝ているのですが……

 イギリスですから、フル・ブレックファーストですね。
 ジョージアナ時代のね……
 長々と料理が出てきます……私とクリスティンさん、リンダさんとマーガレットさんの四名で、食べています……
 マッケンジー夫人が給仕をしてくれています。

 マーガレットさんが、
「このマッケンジー夫人は口の堅い方です、ヴェールを外されても、いいかと思いますが」
 と云われたので、素顔で食べています。

 本来は私、よく食べるのですが……いろいろと警戒しながら食べなくてはいけませんので……

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