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第三章 ブリタニアの膝元で

叔母さま

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 ドアをノックする音がします。
「どうぞ、お入りください」
 メイドさんが来ると思ったのですが、来たのはリンダさんとよく似た娘さん……
 スレンダーでがっしりとしており、すこし細面、気の強さが漂っています。

 後ろにズラーッと、メイドさんが控えているみたいです。
「母の秘書をしている、マーガレットと申します」
「アフタディナー・ティーをお誘いに来ました」

「マーガレットお姉さま、私は?」
「リンダ、レディ・アリアンロッドに、ご迷惑をかけてませんね」
「この方はお母様の、大事な賓客とお聞きしています」

「リンダ様は私を良く見張っていました、おかげで逃げ出せなかったですよ」
「……」

「とにかくリンダは、自分の部屋に戻りなさい」
「……」
 とぼとぼと、リンダさんは帰っていきました。
 お風呂は忘れずに、もっていきましたけど……

「クリスティンさん、待っていてくださいね」
「大丈夫、その指輪をしていれば、何事もありません、保証しますよ、私の力は知っているでしょう?」
「分かりました、ここでお待ちしています」

「ではお願いします」と返事しますと、「こちらです」と事務的な返事、どうやら胡散臭い女と、認識されているのでしょうね。

「まぁ当然ですか」
「何か?」
「いえ、なにも」

 通されたのは小さい部屋です。
 ドローイングルーム――この当時には公的な応接室――ではないようですね。
「叔母様、アフタディナー・ティーではないのですか?」

「貴女とお話しをしたかったのです、正直なお話をしませんか?」
「いいでしょう、私は貴女の姪、好意も持ち合わせていますし」
「マーガレットも構いませんか?」

「どうぞ」と答えると、
「余裕ですね」と、マーガレットさんがいいます。

「この国には、何の目的で来られたのですか?」
「単刀直入ですね……目的はなかったのですよ……」
「呼ばれて、放り込まれたというのが正しいでしょうね、とりあえずは調べものをするつもりです」
 ほ・ほ・ほ・と品よく叔母さまは笑ってくれました。

「約束した屋敷は、先ほど手配を命じました、近々案内いたしましょう……」
「感謝します」

「ただお願いがあります、こちらの者を、屋敷に勤めさせますが、よろしいですね」
「お目付けですか……まぁいいでしょう、どのみち私の手は白紙ですから……」

「さて、お茶にいたしましょう、マーガレット、いいでしょう」
ドローイングルームへ移りました。

 おいしいお茶をいただきましたね……
 今日は叔母様に甘えて寝ましょう。

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