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第三章 ブリタニアの膝元で
ここでも請願に出会うとは
しおりを挟む「国を差し上げます!私の大事な国です!」
「貴女は言葉は冷たいですが、優しい方と思います、国民を守ってくれそうです!」
これには驚きました、国ですか……
薄々は察していたのですが、この方……
でも代価をもらうと……この星を何とかしなければならなくなります、するとハレムが……
とても嫌な予感がぷんぷんとしますよ……あの方の希望はこれだと分かりましたが。
冷たいですが、消し去っても仕方ない話になるはず……
もともとあってはならない世界、どのように成立したのかは分かりませんが、元ある有り様に戻るのが、一番のような気もします。
この世界を変え、救うという代価は、何としても避けたいところです。
代価はもらわなければいいのでしょう?
クリスティンさんは亡霊、この方の操の代価は命……個人的な望み、ぎりぎりセーフですからね……
個人的な代価ならいいか……
「やれやれ、ここでも請願に出会うとは……厄介事は嫌いなのに……」
「国は遠慮しときましょう、貰うと、守らなくてはなりませんから……それは私の判断を拘束しかねませんしね……」
「代価はそうですね……住む場所でも貸してもらいましょうかね……家賃ぐらいは無料にしてもらいます……どうですか?」
「お約束いたします」
「リンダといいましたね、こちらにいらっしゃい」
リンダは、私を睨みつけ来ません。
「リンダ、いわれた通りにしなさい」
おずおずとやってきたリンダさんを眺めると……この方、やはり幽子ですよ……残留思念?……
ならもっと簡単ですね……幽子なら、書き込まれているデーターを書き換えるだけ……
この方、十五歳ですね。
じっと見つめていると、幽子体のリンダの、本来の遺伝子の欠陥部分が光り始めます。
夜ですから、ほんの少し光って見えるでしょう……
書き換え終了……
ついでに、このお母さんも書き換えて……
「終わりましたよ、ついでと言ってはなんですが、お母様のほうも治しましたよ」
そうでしたね、あとの方々も治しておきましょうか……
私はこのお母様の現在の子供さんたちを、把握しています、当然お孫さんもね。
すべて今、この時に治しておきました。
「貴女の他のお子さんたちも、治しておきましたよ、その他の遺伝病もね、女王陛下」
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