88 / 113
第四十五章 五皇帝の年 歴史を作る
セウェルス猛攻 其の一
しおりを挟む「ニゲルめ、やりよるわ、全軍渡河出来たか?」
「後はガリアの軍団だけです、約10個軍団は渡河しています」
「よし、攻勢に出るぞ!」
「総督、全軍が渡河してからの方が」
「その暇はない、このままではヒスパニア軍団が疲弊してしまう」
「ガリアの軍団は戦略予備として、後から来るように伝えよ、勝つなら今だ!」
「セウェルスが攻勢に出ました!」
「全軍渡河したというのか!」
ニゲルは意外だった。
常識では全軍渡河して数的優位の上で決戦にでる、それをセウェルスは無視している。
「いまがチャンスとよんだのだ、それでこそセウェルス、こちらも全力で迎え撃つぞ!」
「ニゲル総督、セウェルスが全軍でかかってきています、陣形を無視し、乱戦に持ち込んでいます」
「くそっ!『継母(ままはは)の毒』を避けたのだな、これではこちらが不利だが、当初の予定通り、敵は渡河してきて疲労しているはず、よし、答えてやる!」
その頃、ユリアヌスの軍船が遡上してきて、ディムヤート川を遮断します。
「ユリアヌスの海軍が、ディムヤート川を遮断しました!」
「味方はどれくらい渡河したか!」
「ガリアの軍団が2個ほど取り残されています!」
「よし、渡河した軍は至急こちらに合流せよ、敵はどこかに青い布を巻いていると伝えよ!」
「プラウティヌスよ、敵の切り札はこれだったのだ、しかし味方は12個軍団、敵は8個軍団、勝てるぞ!」
「カエキリア様、セウェルス主力が渡河した時点で、大攻勢をかけてきました、ニゲル総督が劣勢です」
「しかもユリアヌスの海軍が、2個のガリア軍団の渡河を許してしまいました」
「すぐにユリアヌスの軍船に乗船しなさい、ここまで来ているのでしょう、残りのガリアの二個軍団なら、新たにやってきた援軍で、何とか出来るでしょう」
「ウォルムニアさんは背後から、『継母(ままはは)の毒』をプレゼントしなさい」
私は側に控えているアキリアさんに命じました。
「『修女』アキリア!サルマタイ婦人騎兵隊とともに、私についてきなさい!」
「女神様……なぜここにおられるのですか……」
背後で声がしましたので振り向くと、アフリカ属州教区長のディディア・クララさんです。
「クララさん、話は後です、すぐにここにいる『修女』ウォルムニア率いる、アンティオケイア教区警護係の一団を乗船させなさい」
「セウェルスの背後に上陸させなさい、てはず通りに援軍は来ているのでしょう!」
「はい、ご指示のとおりに」
「少し手違いがおこっていますので、軍を二分して、なんとしても背後から決戦に間に合わせるように、要請してください、あの者なら戦機は分かるはず!」
「サルマタイ婦人騎兵隊よ!いまからさらに南進する、味方と会合し、それに所属する騎兵を率いて決戦に参加する!」
私はすぐそばに来ているはずの、味方のもとに走りました。
とにかく一刻の猶予もありません、私の手配した援軍がまに会うまでに、ニゲルの軍が壊滅してしまえば、それで終わってしまいます。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~
川原源明
ファンタジー
秋津直人、85歳。
50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。
嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。
彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。
白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。
胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。
そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。
まずは最強の称号を得よう!
地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語
※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編
※医療現場の恋物語 馴れ初め編
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
雪月 夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる