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第三十八章 ウェヌスのしもべ
ローマの女たち
しおりを挟む「私がゲームに勝てれば、約束できますが……」
「お見受けしたところ、女神様は嘘などなさそうにお見受けしました、それで結構です」
「では失礼ながら、裸にならせていただきます」
ファウスティナは服を再び脱ぎ、それをシーツに見立て、その上に横たわった。
女神は少しため息をついたが、灯りが消え、その後は無人のウェヌス・エリュキナ神殿に、ファウスティナの嬌声が遅くまで響いていた。
事が終わって、
「とにかく、貴女の居室を作っておきました、地下ですけどね、一応快適には住めるようにしてあります」
私は神殿の端に、地下へ降りる階段を作りました。
半畳程度の、垂直の高さ2.5m程度等みたいな建屋が入口です。
その手前に、三段ほどの切り込みの下り階段があり、50センチほど下がったところに、小さな踊り場となっており、その先の建屋にひとつのドアがついています。
「このドアを開けると、地下へ降りる階段になっているの」
ファウスティナがドアを開けると、薄暗い階段が地下へ続いており、その先にひとつのドアが見えます。
「一つ目のドアを閉めなければ、二つ目のドアは絶対に開かないわよ」
ファウスティナがドアを閉めると、まばゆい灯りが灯りました。
地下に降り、二つ目のドアを開けると、円柱などを飾りにした、ローマ風の小さい接見室、いくつかの居室が並んでいます。
居室には小さいテラスがついています。
テラスの天井は、このウェヌス・エリュキナ神殿の屋根全体に、ごくごく小さい光ファイバーを取り付け、これから光を集めています。
お茶のテーブルぐらい置けるでしょう。
勿論外気も、小さいダクトを取り付けていますが、こちらはサハラのど真ん中の、オアシスから取り入れています。
乾燥した風ですので、気持ちいいでしょう。
冷気用も有りますので、それで風を調整するようになっています。
「この小さい接見室は、貴女が私の代理として、巫女たちを接見するのに使うといいでしょう」
「貴女が必要と認めれば、貴女の立会いの下、私も接見いたしましょう」
「こちらは貴女の居室、すこし驚くかも知れないわね、狭いけど我慢してね」
「貴女だけは、この下の私の部屋までこれるようにしてあげます、そこには洞窟温泉と、テラスと庭があるわ、自由に使えばいい」
私はファウスティナを、地下のさらに下へ案内しました。
二人の女がいました。
「紹介するわ、一人は知っているはずよ、ルキナ、この娘はクリスピナ・ミノル、二人は私の私的なことに奉仕してくれる女奴隷」
「ファウスティナ様、お久しぶりです」
「ルキナ……貴女……死んだと思っていました」
「女神様に助けていただきました、私もファウスティナ様と同じです」
「クリスピナ・ミノルも、身体がよくなれば女神様にお仕えいたします、仲良くさせてください」
「そうですね、女奴隷どうし、ご主人様の寵を争っても仕方ない話、公平にいたしましょう」
きわめてよくない方向になりつつあります……サリーさんの顔がちらちら浮かびます……
「とにかく少し寝ましょう……」
小クリスピナが、
「出来ればご主人様と、お姉様方と一緒に寝たいのですが……」
ルキナさんが、
「それはいい……でも寝具が……」
出すしかないですか……エアークッションと布団と毛布と枕……
四つ並べて、昼前まで寝ていました……
起きてみますと、三人とも裸……ぴったりと私にくっついています。
私、何かしたのかしら……
目覚めたルキナさんが、恨めしそうな顔で、
「女神様……何もなさらないのですもの……いつ抱かれてもいいように、三人とも裸でお待ちしていたのに……」
そうなのですか……サリーさんの顔が……
「ルキナ、小さい家ですけど、案内してあげてください、クリスピナ・ミノルも一緒にね」
「その間に私が、簡単な朝食を用意しておきますから」
ローマ風の豪華なものではなく、きわめて簡単なものですけどね。
冷凍のパンと冷凍のソーセージやパテ、サワークラウトとピクルスの缶詰で、簡単なホットドッグとハンバーガー、粉末ミルクでホットミルクを作り、簡単な粉末ジュース……
そうそう、ローマ帝国では牛肉はだめだったですね……
ポークソーセージとポークソーセージパテで代用しますか……
認識していれば、なんでも出せるのは便利ではありますね、知識があればですが……知識は力なりです。
あとは冷凍ホットケーキなんかよいですね、まぁ手抜きの手抜き、これで勘弁してもらいますか。
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