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第三十四章 ヴィーナス・ネットワーク・ワールド
色魔の話、聞きたい?
しおりを挟む「色魔の話なのですけど、聞きたい?」と姉。
「聞きたい!」と、ヴァランティーヌとクリームヒルト。
「長谷川倫子さんとセレスティア・デヴィッドソンさんの場合は……」
「夫人の?」と、ヴァランティーヌとクリームヒルト。
「そういえば、鈴木駒子さんも夫人よね」
さすがにあわてました……
「すいませんが、ケーキスタンドも追加してください」
すこし、ウェイトレスさんがほほ笑んだような……
「ご予約が必要なのですが……」
「そうですか……ではこの三段スタンドに、カットケーキを小さめに切り分けて、のせれるだけのせて、持ってきてください、それなら可能でしょう」
「出来るかどうか、パティシェに聞いてまいります」
すぐにパティシェがやって来ます。
「カットケーキは十種類、二等分で二十個乗りますが、よろしいでしょうか?」
「それでお願いね♪」
と、姉が勝手に返事をしています。
ウェイトレスさんが私を『チラ見』しました。
「姉のいうとおり、それでお願いします、お手数をかけます」
といって、チップを握らせます。
この蓬莱でも通用する、ヴィーナス・ネットワークの金貨です。
一番小さい1/10トロイオンス金貨ですけどね。
これには北冠座(きたかんむり座)、アリアンロッドの象徴が刻印されています。
ブリタニカで私が作り出した金貨で、そのままヴィーナスネットワークの金貨として、採用されています。
ただし流通用ですので22Kです。
「これはありがとうございます」
「ねえ、こうなったら、食後の和菓子なんて食べたいと思わない?」
姉さん……どこまで行くの?
「ある日ね、どこかの色魔がね……酔っ払ってある未亡人の部屋でポロッと脱いだのね、どうなると思う?」
「ミコ様にそんなことをされれば、どんな女もおかしくなりますね」
「で、ピンク色が漂い、貞淑な未亡人の長いひとり寝も終わったわけね、まぁ絶対こうなるけどね」
「ミコ様にかかわったら、どんな女もということですね」
「誰か知りたい?」
もう……
「わかりました!なんでも頼んでください!私のお財布預けますから!」
で、抹茶パフェとか、ぜんざいとか、どこに入るのか……
ヴァランティーヌとクリームヒルトも、遠慮なく食べてくれます……
「ねぇ、写真を撮りませんこと?」
と、姉がいいますので、ウェイトレスさんに撮って貰いました。
アフタヌーンティーをしている、制服姿の女学生……もちろんデジカメなので、後で姉が印刷してくれました。
「美子様、いいですか?」
突然、声がかかるので振り返りますと、蓬莱斎女(ほうらいいつきめ)の稲田真白さんが立っています。
「吉川四姉妹がおそろいとはお珍しい、でも知りませんよ、サリー様が怖いですよ」
「内緒ですよ、お願い!」
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