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第三十二章 教団領奮戦中

02 東に西に

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「ロキさん、無事で何よりです。ところで海兵隊と出会われたとか、どうでした。」
「最後の敵は海兵隊というのですか、あの部隊は本当に厄介ですね。」
「一言強いというのが感想です、できうるならやりあいたくない相手です。」

「ところで貴女のファンが、うろうろしているようですよ、あちらにね。」
 レイラさんが心配そうに、こちらを見ています。

「ロキさん、もてますね、乙女心を遊んではいけませんよ。」
 私は大声で、
「レイラさん、貴女の大事なロキさん、少し負傷していますよ、手当を任せます。」
 皆さんがロキさんを見ました。
 レイラさん、真っ赤な顔をしています。

 ロキさんは何のことか理解できないようです、
「ロキさん、貴方を好きなのですよ、レイラさんは。」
 この二人お似合いですね、そもそもレイラさんは、初めからロキさんを好きだった節がありますが。

「ロキさん、貴方もまんざらではないのでしょう。」
 そう、私は知っているのですよ、ロキさんがレイラさんを見る目には、熱がこもっているのを。

「レイラさん、早くこちらへ、さもないと綺麗な娘さんを、ロキさんへ紹介しましょうか?」
 レイラさん、走ってきました、可愛いです。

 まぁ後は、邪魔者は消え去るのみでしょう。
 ロキさん、ご褒美ですよ。

 このロキ遊撃隊の成功で、私たちは大規模に遊撃戦を開始し始めました。
 それこそ東に西に、後方撹乱に努力しました、敵の首脳部は怒っているでしょうね……
 今のところ犠牲も少ないし。

 商都ホッパリアでは、参謀が渋い顔で、軍団長たちと話をしていた。
「巫女様も味なことをやる、このような戦い方は想像できなかった。」

 第一軍団長が、
「しかし所詮は女の戦い方、大勢に影響はないと考えるが?」

「そうはいかない、食糧などの兵站が滞っている、じりじりと兵が飢えて来ている。」
「このままでは我らは、このアムリア帝国領の食糧を、あてにしなくてはならなくなる。」

「これでは主席の目的である、新しい世界の構築は不可能になる。」
「なぜなら、我らはキンメリアに依存して、成り立つ図式になるからだ。」

「長期戦に持ち込み、我らがキンメリア人を抹殺できなくするつもりと思う。」
「そして我らの弱体化を狙い、戦力を優位に持っていき決戦を強要する。」
「食糧は何とかなるが、武器、特に例の兵器の補給は難しい、海路が遮断されているからだ。」

「我らが、レムリアの新世界を築くのを阻止するには、劣勢の巫女様としては、この手が一番よいであろう、さすがとしかいいようがない。」
「そこでどうするかだが、我らが絶対的に優位にある今、巫女様の軍との決戦を、強要する必要がある。」
「どうすればよいのか?」

「我らも同じことをする、といっても敵は少数でまとまっている。兵站とは分離していない、なんとか孤立させるのだ。」
「まずホラズムを蹂躙するのは後にして、我らに協力させる、アムリア帝国の末路を見ているうえは協力しよう。」

「次に辺境諸国を蹂躙し壊滅させる、するとフィン連合王国も迷うであろう。」
「八つの王国に分裂させれば、たとえハイドリッヒが巫女様に未練たらたらで、巫女様に助力しようとしても、足元が分裂してはどうしようもあるまい。」

「我らはこの戦力優位を、最大限に利用すればよい。」
「この通りに進めば、状況は巫女様にとってじり貧になる、嫌でも決戦をせざるを得ないだろう。」
「時間との勝負ではあるが……とりあえず教団領の町や村を略奪するとしよう、少しは目先に注意してもらう方がよいしな。」
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