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第三十一章 キリー攻防戦
10 アリス司令官殿
しおりを挟む「あるじ殿、ものすごい雷撃でした。」
「勝ったのですし、仕方ないとは思いますが、喜べないですね。」
「あの死体の山ですからね。」
「アリスさん、よく防壁を張りましたね、またよく守ってくれました、御苦労さまです。」
「イワン団長、ロマノフ名誉騎士団はアムリア帝国の騎士の魂を示してくれました、感謝します。」
「この後の懸案は、アナスタシア皇女と相談して、後継者を決めることです。またアムリア帝国騎士団の再建をお願いします。」
「エレン団長もご苦労さまでした。」
「アグネス隊長、良くあの場面で防御してくれましたね、ありがとうございます。」
「とにかく休憩しましょう。」
さすがに、もてる力を出し切ったような疲労感があります。
「イワン団長、まだ敵は退却し始めているといえど近くにいます。」
「しばらくは警戒を怠らぬようにお願いします、あとを任せられますか?」
「ミハエル市長と力を合わせて片付けますので、お任せください。」
私は亡霊の館の私の部屋へ戻りました。
マリーさんが「お食事を取ってください」と云ってくれました。
そう言えば急遽やって来たので、昼ごはんを食べてないのに気が付きました。
もう外は夕闇が迫っていました。
町では戦勝のお祝いで浮かれています。
なんか精神的な疲れがまだあります。
私は並べられた食事の前でじっとしていました。
別に考えことをしていたわけではありません、ただ思考が停止していただけです。
アナスタシアさんがやってきて。
「祝賀会が準備されました、ご出席を皆お待ちしています。」
「そうですか」と席を立とうとすると、アナスタシアさんが「マリーさんの心づくしですよ」と云ってくれました。
「そうですね、いただきましょう」
優しい料理の味でした。
「マリーさん、美味しかったですよ、ありがとう、少し元気が出そうです。」
料理とは不思議ですね、真心をいただくと優しい気持ちになりますね、少し癒された気がします。
祝賀会が盛大に行われていました、私とアナスタシアさんを待っていたようです。
私はとにかく笑顔を浮かべました。
あの『巫女の愛』が提供されて、皆さん浮かれています。
お酒は良いですね、私も少しのみましょうか。
イワン団長がやってきました、
「黒の巫女様、このたびはおめでとうございます。」
「今日より元アムリア帝国騎士団の仲間を探して、騎士団を再興するつもりです。」
「団長、ご苦労ですね、とにかく今日は楽しんでください。」
「ありがとうございます、しかし巫女様は、あまり楽しんではおられないように、お見受けしますが?」
「確かに、私は私が殺した敵を悲しんでいるのです、彼らもたぶん故国へかえれば、良き人だったことでしょう。」
「死んだらみな同じ土に還るのですから、イワン団長は軟弱と、御笑いになるでしょうね。」
「でも、人が死ぬのは悲しいものです。」
「お優しいですね。」
「そんなことはないですよ、怒れば残酷にもなります。大義のためにはささやかな幸せを、踏みつぶす冷酷さもあります。」
「そのためなら、死にゆく人をじっと見ることもできます、まぁそんな辛気臭い話はやめましょう。」
「お姉さま、ここにいたのですか、これはデートですか、とするとゆゆしきことです。ビクトリアさん、アテネさん、お姉さまに悪い虫がくっついている……」
アリスさんが少し酔っているようです。
イワン団長が、
「アリス司令官殿、私は司令官の許しなく、貴女の大事な巫女様に、いいよることなどいたしません。」
「そうです、私はアリス司令官……、大事なお姉さまの大事な町を守るの……」
アリスさん寝てしまいました。
「イワン団長、ありがとう、アリス司令官を寝室に運んできます。」
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