惑星エラム 第三部 動乱編【ノーマル版】

第三十章 開戦準備

１３ 処遇

　私はピーターさんを呼びます。
「ピーターさん、この方たちを事務補助として雇います。」
「最初はお茶くみでしょうが、男ばかりの職場でしょう？花を貸してあげます。」

「ただし、手を出したら責任を取らせますよ、なにせ一応、私の物ですからね。」
「それから給料は見習いですので半分です、したがって衣食住は、よく考えてあげてください。」
　ピーターさんの、いつもの渋い顔には慣れています。

「ピーターさん、奥さんをみつけましょうね。」
「いらんお世話です。」
　といいますが、なにせ美女ばかり、そのうち、行政府も恋の華が咲くのでしょうね。
　ピーターさんは二十名を連れて行きました。

　次にアンリエッタさんに来てもらい、そして二人の名前を聞きます。
「シモーヌと申します。」
「私はソフィーといいます。」

　アンリエッタさんに、
「シモーヌさんとソフィーさんをよろしくお願いします、女官として採用してください。」

　アンリエッタさんが、
「女官になるということは、どういうことか理解していますね。」
「はい、巫女様の奴隷ということです、しかし私たちは……」

「そのことに関しては良いのです、子供をなすことができないのが女官の定め、しかも巫女様が良いとおっしゃっているのです。」

「しかしこのままでは嫉妬が起こりますね、どうでしょうか、このお二人は、キリーの亡霊の館付きとしては。」
「マリーさんなら、その様な嫉妬はお持ちにならない方ですし、なにより麗人でもあられるし。」

「でも、あそこには新しい使用人の方たちがいますよ。」
「いいではありませんか、これだけ綺麗なお二人、ヴィーナス様の相手ぐらい勤められるでしょう。」

「シモーヌさんとソフィーさん、覚悟はあるのでしょう？」
「はい、しかし私たちは処女ではありませんし……なにより、女でもありませんが……」

「ヴィーナス様はとことん色魔です、それなりに考えられるでしょう、安心なさい。」
　その説明には、なにかとても傷つきました。

「そうそう、お二人は料理ができますか？」
　シモーヌさんが「私は得意です」といいましたが、ソフィーさんは「私は得意というほどでは、普通にはできますが……」
「それで結構でしょう、貴女たちはキリーの巫女様付きの女官です。ジャバ王国の使用人たちと仲良くするように。」

　なるほど、キリーの亡霊の館はジャバ王国の運営でしたね。
　教団からも人を出す必要があるのでしょう、それにこれからキリーでは、けが人のための料理が必要になりますね。

　私はシモーヌさんを、アンリエッタさんはソフィーさんを連れて、キリーの町へ移動しました。
　そしてマリーさんに理由をいって引き合わせました、勿論、マリーさんは受け入れてくれました。

　で、その様なことでドタバタとしていると、待ちに待っていたろ、ギルベルト義勇艦隊がやってきました。