惑星エラム 第三部 動乱編【ノーマル版】

第二十九章 開戦決意

０６ 食い意地三姉妹

　さて、やっと食事にしましょうか？
「お食事、お食事、腹が減っては戦はできぬ……とね。」
　マリーさんのお料理は久しぶりですね、サリーさんと違ってまともですから。
　愛人さんたちも食卓についていますよ。

「美味しそうですね、マリーさん。」
「お嬢様、たくさんありますので、食べてくださいね。」
　食卓にはホワイトシチューのような物が置かれています。

　私は猛然と食べています、だって早く食べなくては敵に食べられてしまう……
　そう、このような時、食卓は戦場となるのです。
　勝ち組はいつも決まっています、一にアテネ、二にアリス、そして私です。
　サリーさんはよく、「食い意地三姉妹」と、からかってくれますが？

「アテネ、私の分まで食べないの！」
「イシュタル様、食卓は戦場です、いわゆる早い者勝ち。」
「いいましたね、負けません。」
　私はこのスプーンに命をかけましょう。

「アリスさんも控えなさい。」
「いいえ、私が食べるの！マスターこそ、子供に遠慮してください。」
「こんな時だけ、子供にならないの。」
　私たち三人はドタバタと、お食事分捕り合戦を始めていますが、やはり圧倒してアテネさんの勝利に終わりました。

「まったくこんな時にも、しょうがない人たちですね。」
　呆れたように、アナスタシアさんが云っています。

「巫女様、少々はしたないように思えますが？」
　だれですか、私にその様な言葉をかけるのは、ジジさんですね。

「ジジ、時々起るのですよ、この三人は食べ物には意地汚いのです。」
「この程度のことで驚いていては、麗人の腕輪を取りあげますよ。」

「そこの食い意地三姉妹、落ち着きましたか？」
「いえ、その……、申し訳ありません……」
「巫女様も、そのお子様たちと同じレベルにならないでください！」
「つい、美味しかったもので……」

　我を忘れてしまいました。

「今度、お詫びに私がお食事を作りますから、その……」
　ダフネさんが、
「私はカレーが食べたい。明日、ここで、巫女様の手作りで。」

「わかりました、私のチケットで作ります。」
「私もふるまって下さりますか？」
　とアポロさんが云います。

「大鍋で作りますよ、どうぞ。」