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第二十八章 アムリア帝国の崩壊
02 帝都陥落
しおりを挟む北方列島軍はリゲルを取り囲みます。
「先任指揮官、リゲルは無人のようです、城門も開いています、無血開城するつもりでしょうか。」
「住民を避難させたか。」
「とりあえず占領しろ、後はそれから考える。」
兵士たちは粛々と入城を始め、宮殿に軍団幹部が入った時、兵士たちがざわついたのです。
玉座に一人の男が座っていたからです。
その男は、
「待っていたぞ、指揮官はだれか?」
皇帝ジョージ三世です。
「私だ、戦場以来である、皇帝陛下。」
「余は死ぬ前に、恥を忍んで頼みがある、帝都の民は、頼るべき者がいるものは自由に脱出させた。」
「最後に残った、寄る辺なき者のために、余は敗残の軍の中より、6千名ほどをつけて脱出させた。」
「その他の兵士は召集を解除した、できうるなら見逃していただきたい。」
「彼らにはいよいよなら、汝らに降伏せよとは言ってある、汝らには敵対しないはずだ。」
「食料以外は全て残してある、略奪なりなんなり好きにしくれて構わない。」
「よかろう、我らはここで戦火の疲れをいやす。」
「先任指揮官殿、よいのですか?」
「構わぬ。」
「感謝する、この宮殿の地下には秘蔵の酒蔵がある、それを飲まれるが良かろう。」
「毒などこの期に及んで入れてはおらぬ、では余はここで失礼する。」
皇帝は毒をあおったのです、
死にゆく皇帝に向かって、第一軍団長は「皇帝陛下に敬礼!」と、命じます。
その場にいた軍幹部は、全員直立不動で皇帝に敬礼しました。
「最後は皇帝に戻ったか。」
「弔旗を掲げよ、皇帝とアムリアのために、我らにも情けがある。」
こうして帝都リゲルは陥落し、アムリア帝国は事実上崩壊したのです。
その後、酔った兵士の失火で、リゲルは紅蓮の炎に包まれ、三日三晩燃え続け、長い歴史のあるリゲルは幕を下ろしました。
アムリア帝国の宮殿は跡かたもなく、廃墟と化していました。
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