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第二十七章 強襲 サンダーボルト作戦

01 橋頭保を確保せよ

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 サンダーボルト作戦が発動されました。
 この惑星エラムを、地獄に放り込むための名前です。

 主席たちにいわせると世界を均し、その上に新世界を作るための前段階、均すための必要な犠牲らしいのですが、私に言わせると狂っています。
 でも、そのサンダーボルト作戦が発動された時、私たちはまだ平和に酔いしれていたのですが……

 海兵隊が整列しています。
「野郎ども、キンメリアの者どもは皆殺しだ!」
「情けは弱さと、貴様らの機能の悪い頭に刻んでおけ!」

「殺した奴らの、数の多さが勲章だ、いつか人は死ぬのだ。」
「あの世があるならそこで会おう、そこで勲章の数を数えようぞ。」
「我らはなかなか死なない、できるだけ敵を殺して死ね、集合場所と時刻は知らせた通りである。」

 先鋒の海兵隊に参謀が、
「諸君、長々とはいわない、生きて帰ってこい、次の仕事が待っている。」

 海兵隊の中から、
「参謀殿、帰ったら酒と女をお願いしますよ!」
「約束しよう、帰ってきたら娼館を一つ貸し切ってやる。」

 海兵隊の面々は「おぉー」と云いながら、グループごとに分かれて出陣しました。
「参謀、では別れだ。」
 海兵隊長は敬礼して去って行きます。

 サンダーボルト作戦が発動されて三日目、アムリア帝国の、名も知られぬ海辺に男たちが集まっています。
「隊長、点呼終わりました、全員集合です。」

「よろしい、橋頭保を確保する、浜辺の化け物には気をつけろよ、合図の狼煙をうち上げろ。」
 青空に黒い狼煙が上がります。

「帝国の奴らが来るが、味方の先陣が上陸するまで、この地点を死守する。」
「作戦どおり散開して、敵を通すな。」

 海兵隊は海を背に、上陸地点を囲むように三方向に薄く散開しました。
 沖合には大船団が出現、第一軍団が乗船しているはずです。

 海兵隊長は司令部に腰を据えて、直属のボウガン隊を眺めていました。
「火薬の用意は良いか、貴様ら今日は忙しいぞ。」

 伝令が走ってきて、
「隊長、敵が現れました、左翼に近づいてきます。」
「その数、およそ三百、帝国騎兵隊と思われます。」

「ボウガン隊、第一中隊は左翼を援護にいけ、敵を退けたら、すぐに戻ってこい。」
「さて、お手並み拝見といこうか。」
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