惑星エラム 幻のカタカムナ 第五部 神去り神在り編【ノーマル版】

第七十三章 神在（かみあ）り騒動

極秘の準備会議 其の四

「ミリタリー関係の方など、一部の方は事態を知っておられますが、今から説明することはウイッチ、つまりヴィーナス様にお仕えする者にとっては死活問題、とくに愛人の位にある方は重要なことなのです」

「今からお話することは、この場にいる愛人のみに開示される情報で、厳重な守秘義務がかかります」

　誰も言葉を発しません、それを確認したのかサリーさんは言葉を続けます。

「先ごろ、私たちのヴィーナス様は、神々の要請により、最後の戦いをなされたようです」
「神の最後の試練を無事に成し遂げられ、この世界を進化させ、今また滅亡に向かわせようとしていた、憎悪の波動というものを、幸せの波動に切り替えられたとお聞きしています」

「世界はこれからゆっくりと、良い方向へ向かいます」
「そしていつものことですが、女たちだけの世界を受け容れることになりました」

「ハレムを受け容れる話です、ハレムの話は、この後の百合の会議で取り扱う話ですので、ここでは議論いたしません」

「この試練の結果を受け、ヴィーナス様は本当に神々の御子と、私たち愛人に知らされました、姉上様もご同様です」

「そしてお二人のご両親様と、おじい様のお三方が、世界を創造された造化の神、創造主様です」
「なぜこんなに急に、皆様にお集まりいただいたのは、ヴィーナス様とイシス様のご家族に当たる、この造化の神々様に、ヴィーナス様の妻に当たる私たち愛人が、拝謁することになったのです、それが明日の昼過ぎです」

　アナスタシアさんが、
「事が事ですので、私たち四人が急遽集まり、どのように対処すべきが相談した結果、姉上様のご助言をいただき、とにかくテラの日本の神社参拝の手順に、のっとることとしました」

「そこで私たちの中では、一番知識のある鈴木聡子さんの知恵をかり、皆様の緊急招集となったわけです」
「これが今ここまでの経緯です」

「これより、明日のことの相談を、皆様としようと思います」
「事が事ですし、初めてのこと、先ほどサリー様もおっしゃいましたが、私たち愛人は妻になります」
「嫁が舅様、姑様に始めてご挨拶するわけですから、砕けて言えば、絶対ご機嫌を損ねるわけにはいきません」
　
　ここでアリアドーネさんが、
「明日の昼までには、準備しなければならないのですね！」
「作法とか正装とかは、どうなるのでしょう？」
　
「作法は鈴木聡子さんに教えていただきます」
「服はマレーネさんに用意していただきました」

「着付けが難しいそうなので、マルス、蓬莱、ブリタニカの寵妃見習い以上で、知識のある方を動員しました」
「その方々はいまここにきています、明日、着付けをいたします」

　この後、大変でした。
　皆で聡子さんに、出雲大社の参拝の仕方を完璧に練習し、色留袖を各自で選びます。
　勿論、斎戒沐浴、その日は一人エッチなどは厳禁、当然、食事も野菜オンリーとなりました。

　ただ二三名、生理の女がおり、急遽サリーさんがイシスさんにお伺い、これにはイシスさんも即答が出来ず、お伺いを立て、神々は笑ってお許しになったとか……
　生理用品の使用で決着です。

　新しいハレムの話などは、いよいよとなれば、愛人会議の総意で押し切ることになりました。