上 下
84 / 108
第七十三章 神在(かみあ)り騒動

極秘の準備会議 其の三

しおりを挟む

 続々と会議室に、該当の女たちが転移してきます。
 
「皆様、ご苦労様です、明日、緊急愛人会議がここで開かれます」
「訳はいえませんが、愛人の皆様は色留袖を着ることになります」

「勿論私を含めて、始めての方がほとんど、皆様には着付けと、簡単な髪のヘアアップを担当していただきます」

「それから明日の昼間までは、身をつつしみ一人エッチなどは禁止、お食事も精進というのですか、お肉、お魚は控えてください」

「明日の午前中は忙しいと思います、とりあえず本日は入浴などして、身を清めておいてください、細かいことはこの鈴木聡子に従ってください」

 サリーさん、皆を下がらせて、
「聡子さん、なんの説明もせずにごめんなさいね」
「実はね、明日、愛人一同でお嬢様と姉上様のご両親様、そしておじい様に拝謁するのよ」
「妻として、始めてご家族にお会いするの」

「お嬢様のご家族ってのはね、この世をおつくりになった神々さま」
「聞いたことはあるでしょう?この話、守秘義務がかかるから絶対に喋れないわよ」

「サリー様、麗人の皆様も、愛人待遇として明日の拝謁に加われませんか?」
「とくにエラムの方々は、美子様の妻としての資格は十分におありです」

「そうね……麗人も……愛人待遇として、明日きてもらいましょう」
「そうね、この際、貴女を含めて麗人待遇佳人の四人と、佳人のアリシアさんは愛人待遇佳人に昇格、この五人も明日きてもらいましょう」
 サリーさん、またまたダニエラさんへ通信です。

 ハウスキーパー事務局は大騒動になりました。
 ただでさえテンテコマイをしているところに、今度は麗人を昇格、明日の会議に間に合わせろといわれても……

「今からでは間に合いません、会議の日を延ばしていただけませんか」

 そこへマレーネさんが、通話に割ってきました。
「私と薫とエールで対処しましょう」

「ハウスキーパー事務局は昇格者の事務処理、そしてエラムウイッチリゾートにおける、会議参加者の宿泊場所の手配をお願いします」
「サリーさん、いまは時間が優先、いいでしょう」

「マレーネさん、助かります、ではダニエラ、事務処理、お願いしますね」

 マレーネさん、サリーさんの要請で、該当人員を夕食前までに転移させ、そして色留袖など服装一式も、大量に出しました。

「全員到着していますよ、いろいろあるでしょうから、食事会などして、今回のことの説明を始めてはいかがですか」
 
 で、エラムウイッチリゾートの食堂で、食事会などが始まったのです。
 食事といっても急なことなので、コッペハウスからの提供となります。

「まずは、今まで麗人に甘んじていた方は、愛人待遇麗人に昇格させていただきました」
「また一部の佳人の方も、愛人待遇佳人に昇格していただきました、今回の緊急愛人会議に出席すべき方と判断されたからです」

「幸い早めに皆様の御参集となりましたので、食事でも共にしながら、今回のことについてご説明いたします」

 ひな壇にはサリーさん以下、アナスタシア、アンリエッタ、エカテリーナが並んでいます。
 ただならぬ雰囲気が漂っています。

 マレーネさんなど、事態を知る一部の者も同様です。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

チートな嫁たちに囲まれて異世界で暮らしています

もぶぞう
ファンタジー
森でナギサを拾ってくれたのはダークエルフの女性だった。 使命が有る訳でも無い男が強い嫁を増やしながら異世界で暮らす話です(予定)。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

君と恋をしたいのに、なかなか始まらなかった君との恋の物語 〜攻略対象の王子様と悪役令嬢(仮)〜

hazuki.mikado
ファンタジー
 カートレット王国の第1王子ウィリアムは、赤毛に青い瞳をした精悍な顔の美丈夫で文武両道で魔法の天才と言われる将来有望な王太子候補。だが彼は実は転生者であり、前世の記憶を持つ事を隠したまま生活していた。  彼の婚約者はアーバスノット公爵家の長女シルフィーヌだったのだが諸事情によりそれまで一度も会うことはなく、王子が9歳シルフィーヌが7歳の時王宮の庭園で開かれた茶会が初めての顔合わせだった。  しかしこの時令嬢シルフィーヌは、自らが転生者でありこの乙女ゲームの世界で王太子ルートの当て馬の悪役令嬢でありヒロインに王子を攻略されると、あっさり婚約破棄をされるという事を思い出し気絶する。  それを見て怪訝に思うウィリアムは、秘密裏に訪れた公爵邸の彼女の部屋のバルコニーでお互いの秘密を共有することになり・・・  一方ゲーム開始時期になると突然現れた男爵家の養女であるヒロイン、オリヴィエはウィリアムに徐々に近づいて行く。  トンデモナイ未来を回避しようと四苦八苦するが、ゲームの強制力なのか、面倒事ばかりが起こり始めとうとうブチ切れる王子様。    そして立太子直前の第1王子ウィリアムは王立学園の卒業式の謝恩パーティーで自らの婚約者に向けて言い放った――  『修道院へ自ら赴け!』 ちょこちょこ訂正してあります。しかも不定期更新になります。スイマセン ▲▲▲  何時もの如く何もかもが都合主義なのはお約束(人*´∀`)。*゜+  頭空っぽにしてお読みください~(・∀・) 取扱説明事項〜▲▲▲ 作者は誤字脱字変換ミスと投稿ミスを繰り返すという老眼鏡とハズキルーペが手放せない(老)人です(~ ̄³ ̄)~マジでミスをやらかしますが生暖かく見守って頂けると有り難いです(_ _)お気に入り登録や感想動く栞、そして誤字脱字報告という皆様の愛(老人介護)がモチベアップの燃料です(人*´∀`)。*゜+ 皆様の愛(誤字脱字報告)を真摯に受け止めております(_ _) エブリスタでも投稿。 10/22 女性hot 49位ありがとうございます(_ _) 2024.12.8.扉絵復帰しました(_ _)

僕と精霊

一般人
ファンタジー
 ある戦争から100年、魔法と科学は別々の道を歩みながらも共に発展したこの世界。  ジャン・バーン(15歳)は魔法学校通う普通の高校生。    魔法学校でジャンは様々な人や精霊と巡り会い心を成長させる。  初めて書いた小説なので、誤字や日本語がおかしい文があると思いますので、遠慮なくご指摘ください。 ご質問や感想、ご自由にどうぞ

間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜

舞桜
ファンタジー
「初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎」  突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、 手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、 だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎  神々から貰った加護とスキルで“転生チート無双“  瞳は希少なオッドアイで顔は超絶美人、でも性格は・・・  転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?  だが、死亡する原因には不可解な点が…  数々の事件が巻き起こる中、神様に貰った加護と前世での知識で乗り越えて、 神々と家族からの溺愛され前世での心の傷を癒していくハートフルなストーリー?  様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、 目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“  そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪ *神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのか?のんびりできるといいね!(希望的観測っw) *投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい *この作品は“小説家になろう“にも掲載しています

婚約破棄されたあたしを助けてくれたのは白馬に乗ったお姫様でした

万千澗
ファンタジー
魔女の国――ユリリア国。 住んでいるのは女性だけ、魔法と呼ばれる力を扱う存在。 エネミット王国の孤児院で育ったあたしは伯爵家の使用人として働いていた。 跡取りのウィリアムと婚約を果たし、あたしの人生は順風満帆。 と、思っていた。 それはたった一夜で壊れていく。 どうやらあたしは”魔女”と呼ばれる存在で、エネミット王国からすれば敵となる存在。 衛兵から必死に逃げるも捕まったあたしは王都へと護送される。 絶望に陥る中、現れたのは白馬に乗った一人の少女。 どうやら彼女も魔女であたしを助けに来てくれたみたい。 逃げるには護衛を倒さないといけない。 少女は魔法と呼ばれる力を使って無力化を図る。 でも、少女が魔法を使うにはあたしとの”口づけ”が必要で――――。 ※小説家になろうでも連載中です

異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!

明衣令央
ファンタジー
 糸井織絵は、ある日、オブルリヒト王国が行った聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界ルリアルークへと飛ばされてしまう。  一緒に召喚された、若く美しい女が聖女――織絵は召喚の儀に巻き込まれた年増の豚女として不遇な扱いを受けたが、元スマホケースのハリネズミのぬいぐるみであるサーチートと共に、オブルリヒト王女ユリアナに保護され、聖女の力を開花させる。  だが、オブルリヒト王国の王子ジュニアスは、追い出した織絵にも聖女の可能性があるとして、織絵を連れ戻しに来た。  そして、異世界転移状態から正式に異世界転生した織絵は、若く美しい姿へと生まれ変わる。  この物語は、聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界転移後、新たに転生した一人の元おばさんの聖女が、相棒の元スマホケースのハリネズミと楽しく無双していく、恋と冒険の物語。 2022.9.7 話が少し進みましたので、内容紹介を変更しました。その都度変更していきます。

処理中です...