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第六十七章 テントの出来事
夜の儀式 其の二
しおりを挟む「いいの、ちょっと痛いわよ」
「お願いします、母からそのことは聞いております」
「しかし、ここは殺菌が……危険だわ……」
「大丈夫です、そのナイフを使えば、必ず成功するといわれています」
……仕方ない、やるしかないようね、いざとなれば何とかできるでしょう……
「行くわよ、口にタオルでも噛んでいてね、『夜の儀式』の手順通りにするのですね?」
「お願いいたします、主様」
そういうと、自ら口にタオルを詰めたペルペトゥアでした。
震えていますが、興奮しているようです。
ナイフが皮を切り開きます。
押し殺した悲鳴が、テント内に響きます。
あまりの激痛に、気絶しそうになるペルペトゥアでしたが、痛みの中から、なにか別の感覚が込みあがってくるのに気が付いたのです。
そしてそれは徐々に大きくなり……
……ペルペトゥアさん、真正のマゾなの……いや、この反応は……デーヴィー……
ペルペトゥアのうめき声が変わり始めたのです。
……ペルペトゥアさん、感じているの?
ナイフに仕込まれた薬のせいか、血はほとんど流れず、信じられないことに、傷もほとんどふさがっています。
ナイフの刃は極めて鋭利で、傷がほとんどついていないようです。
不思議なことに、腫れもないのです。
「ペルペトゥアさん、すんだわよ、ちょっとこのタオル、借りるわよ」
ペルペトゥアがかみしめていたタオルをとり、下半身を拭くと、どうやらそれだけで嬌声をあげました。
余りのペルペトゥアの痴態に、興奮気味の美子さんです。
……こうなったら、ペルペトゥアさんは私の女にするしかないわね、後でサリーさんに叱られそうだけど……
こんなことになった以上、責任をとるしかないよね……
美子さん、白目をむいて、ピクリとも動かないペルペトゥアを見ながら、思っていました。
ペルペトゥアが目覚めたのは、翌日の昼前でした。
もうその時には、傷口はふさがっていました。
「お早う、私の『夜の奴隷』さん、体は大丈夫?ご飯にする?」
がばっと起きたペルペトゥア。
「ティアマト様!申し訳ありません、『夜の奴隷』の身で主様より寝ているなんて!」
「すぐにお食事の用意をいたします」
「いいのよ、それより本当に大丈夫、傷はふさがっているみたいだけど」
「大丈夫です、もう痛みもありません、『夜の儀式』で何かあったとは、聞いたことがありません、この通りです」
座っている美子さんの前に、全裸のまますくっと立ち上がって見せた、ペルペトゥアでした。
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