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第六十一章 のんびり生活のはずが

『ロレット』さん

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 新型事務処理ロボット姉妹採用にサインしたヴィーナスさん。

「それにしてもすごいわね……なんでも無尽蔵に生産できるのだから……」
「ご自分でおつくりになったのでしょう?」

「そうですけど、我ながら凄いと思って……」

「これがあったから、デーヴァに勝てたのです、神の贈り物の一つでしょうに、とにかく明日までには試作品を作って見ます」
「では頼みます、ところでお茶が冷めたわね、入れなおしましょう、私が作ってあげるわ」

 そんなことをいいながら、ヴィーナスさん、どこやらに行って、ワゴンカーのようなものに、お茶を乗せてきました。
 見れば五人分のティーカップとティーポット、そして三段のティースタンドにはサンドイッチ、スコーン、そしてケーキが五人分乗っていました。

「ちゃんと作ったのよ、出したのじゃないわよ、頭を使ったからイレブンジズティーにしましょうよ、エリーゼさんもヘレンさん、一緒にお茶しましょう」

「ところでエリーゼさん、相変わらず綺麗よね、昨晩は思わずハッスルしてしまったわ」
「ウェヌスさま、余りに激しいのですから……」

「ヘレンさんも素敵よね、今晩楽しみね♪」
「お上手ですね♪お世辞と分かっていても、嬉しいですわ♪」

 とりとめもない会話が続き、のんびりとした時間が流れていました。

「さて、働きますか、ヴィーナス・ネットワーク管理RCTの人手不足は、当面はこれで良し、それでもニライカナイ管理RCTや、惑星世界管理局の膨大なグリセットさんの管理は、誰かがやらなくてはいけない」

「誰がするかですが……サリーさん、一般女官さんは足りているのですか?」
「不足気味ですが、なんとかなっております」
「その感じでは、引き抜くことは難しそうですね……」

 しばらく考えていたヴィーナスさん、
「加盟惑星からのウイッチ希望者は、該当ハレム管轄の任官課程で受け入れているのでしたね」

「直轄惑星ではありませんので、五年制高女が設立できる世界には設立し、そうもいかない世界では、奨学生となっていただいています」
「最終的に、該当ハレム管轄の任官課程に編入させています」

「あとは中原シティの、二つの八年制高女はネットワーク全域から受け入れています」

「それで不足気味ですか……では、加盟惑星の現地採用職員はどうなっています?」
「今のところ、直轄惑星以外の執政官府や管理官府での、現地採用は試験制です」
「必要な数だけのはずで、そんなに多くは採用しておりません」

「そのあたりに突破口がありそうね……まず加盟惑星全域に対して女官補、つまりファミリアーを募集するの」
「とにかく頭脳明晰が条件、そして二年ほど管理官府で半日働き、半日専門教育を受けてもらい、各地に赴任していただき、グリセットさんの管理をしてもらう」

「勿論、それなりの待遇が必要よね、そこで上級ファミリアーとして扱い、給与には特別加算をつける、ウイッチなみに優遇する」

「ただ魔力は身体の活性化と身を守るだけ、自らは発動できない、このあたりなら希望者がいるはずでしょう」
「いままでの女官補さんも、応募できるようにしてね」

「それから、ウイッチになるための、道筋をつけておいてね、優秀な人材を取りこぼさないように」

「たしかにそれならば、希望者も出てくるでしょう、やってみる価値はありそうです」
「ただ全域とはせず、有資格惑星とさせてください」
 サリーさん、乗り気ですね。

 とにかくこの制度、『ロレット』となずけられて、ハウスキーパー事務局で計画が進められ、試験的に募集してみました。

 後日、判明したことですが、結果はかなりの手ごたえ、各惑星において採用は十人程度ですが、加盟惑星は膨大な数がありますからね。

 『ロレット』さんの需要は多くて、ニライカナイ管理RCTでの評価は上々、一応ファミリアーとして採用されている方々、何とか惑星管理の事務処理も、新型事務処理ロボットを配属することにより、何とかこなせることが判明しました。
 
 最後にこの『ロレット』さんの上級職として『クルティザンヌ』さんを、ハウスキーパー事務局が作り、フルーツガールのモタ姉妹が兼務のまま任命されていました。

 こうして惑星世界管理局の、危機的な人員不足はなんとか、当座しのげるようになったのですが……

 それでもべらぼうな惑星数、未登録惑星の管理などには一人も人員はさけず、相変わらず「デミ・モンド」さん、『ロレット』さん、『クルティザンヌ』さんの必要性が叫ばれてはいます。
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