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第二十五章 滅亡の始まり
ヴァルキュリヤの猛威
しおりを挟む島ではヴァルキュリヤ・ハウスが、恐ろしいほどの力を発揮しています。
彼女らが私に身を捧げ、忠誠を誓った時に授けた剣の威力……
すべて元は振武刀ですが、『よりしろ』の効果で、とんでもない魔剣となっています。
累々たる死体が転がっています、全て焼け焦げています。
ブリュンヒルデさんに授けた炎の剣 レーヴァテインの威力でしょう。
ひとたびこの剣をふるうと、灼熱の炎が周りを焼きつくします。
未来 スクルド さんに授けた剣、リディルの猛威の跡も見えます。
リディルはというのは凍結の魔剣、ひとたび鞘から抜かれると、全ての液体は凍結して破壊されてしまいます。
凍りつき、バラバラに壊れた戦車が幾つもあります。
全知 ヘルヴォル・アルヴィト さんの風の剣 フロッティ……
気圧を自在に扱えるこの剣は、自然界の大気圧によるどのような現象でも再現できます、つまり小型の超強力トルネードも可能……
でも、でっかいのを出したのでしょうね……
壊滅 ヘリヤ さんの魔剣ティルヴィングの跡もあります。
この剣は局所的、短期にですが重力を操作できます。
たぶん大地ごと持ち上げて、頭からたたきおとしたのでしょうね……
超高層ビルぐらいなら、簡単に持ち上げることもできます。
剣の女戦士 ヒヨルスリムル さんの魔剣ダーインスレイヴ……
吸血剣とも呼ぶべき力を秘めています。
この剣は、持ち主の命じるままに、全ての水分を蒸発させることができます。
生きるもの、全ては干からびてしまいます。
大気があり、生物が存在する惑星において、ヴァルキュリヤ・ハウスは無敵でしょう。
相手は可哀想な事になっています。
私が皇妃を抱き抱えて戻ってくると、ブリュンヒルデさんが「私が代わりに抱き抱えましょう」と、代わってくれました。
皇妃さんが怯えているのを感じたのでしょう、
「私はミコ様の女奴隷が一人、北欧のヴァルキュリヤの娘、ブリュンヒルデ、主の客人に手は出さぬ、安心されるが良い」
などといっていますが……不安をかきたてているような気がします。
ビクトリアさんが先導してドアを開けます、バリアは勿論上位の物には無力となります。
昔の女傭兵の姿のビクトリアさん、赤毛が魅力的……
「あるじ殿がお越しである」
恐怖におののいていた女性たちでしたが、ナスターシャさんが私を見て、急に走ってきて抱きつきました。
気が緩んだのでしょう、涙がこぼれています。
「ミコ様、ミコ様、ミコ様……」後は泣きぬれています。
今のところ十七の私に、二十二のナスターシャさんがすがりついてきます。
「もう大丈夫、頑張りましたね」
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