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第十五章 オディール女学館
八年制高等女学校
しおりを挟むこのオディール女学館は、他の高等女学校と違い、女子専門学校が一体となっています。
華族女学校の八年制と同程度で、学力的には華族女学校を凌駕するといわれ別名、在野の華族女学校なのだそうです。
ナーキッドがこの学校を購入するということは、日本政府が公認しなければ、出来ない事ではあります。
この日本では、いまだに帝国大学が健在で、その帝国大学へ進学出来るだけの教育を、女学校として行っており、とんでもないほどの難関と聞いています。
このような学校へ、私の場合、無試験編入したのです。
いろいろいわれると思いましたが、プリンストン大学の博士号持ちということで、批判は無しです。
アリスさんは問題なしでしょうが、アテネさんもココさんもカミーラさんも、入学試験は何とか受かりました。
魔力の貢献大なのですね。
綾乃さんの場合は、学力をインストールしましたから完璧です。
もっとも絶対に落ちることは、ないのですが?
華族女学校との違いは、就職と留学です。
ことしから、オディール女学館に対して、ナーキッドが肩入れしたことは公表されており、学費は公立なみに下げられました。
ただ入学試験には、面接が重視され、特に品行は考慮されるようになります。
またオディール独自の、ナーキッド奨学制度が発足しています。
奨学生用の女子寮が作られ、入寮が条件ですが、学費・食費が無料、制服は支給されます。
さらには采女の給料、年300万程度も支給されます。
さらに、ナーキッドオーナー友好奨学金が出来ました。
学力優秀な女子学生に対して、ナーキッドへ就職することを条件に、学力試験を実施して、合格者にはナーキッド社員としての資格で、必要費用を全額ナーキッドが負担して、海外の有名女子大学への留学を、支援する制度です。
留学先は、アメリカの名門女子大学群、セブンシスターズの中のマウントホリヨーク大学へ、無条件で入学できます。
この大学、恐ろしく高い授業料でも有名ですが、その実力も物凄いものです。
勿論給料は別に支払います、清女程度、年600万程度、でも違う会社に就職したら、全額返還となっていますが。
あとスミス大学、ウェルズリー大学、イギリスのケンブリッジ大学の三つの女子カレッジも選択できます。
さらに一時男女共学と噂された、オックスフォード大学の最後のカレッジも、ナーキッドの大規模支援を条件にこれを撤回、再び女子カレッジとなり、ナーキッドオーナー友好奨学金の対象となりました。
この七つの女子カレッジを、世界はワールド・セブン・シスターズと称せられるようになり始めています。
このナーキッドオーナー友好奨学金は、ナーキッドが存在する国の、優秀な女性が対象で、人物の品格も選考対象となっています。
オディール女学館には特別の推薦枠が与えられています。
ワールド・セブン・シスターズは特別に、ナーキッドタウンに宿泊施設と、ナーキッドの研究施設を限定的ではありますが、使用できるようになっています。
このオディール女学館のような学校を、アメリカとヨーロッパに作るそうです、シャルルさんがその様に云っていました。
ナーキッドオーナー友好奨学金に対して、法王領は特別の枠を持っていることも公表されています。
おかげで今年の入学志願者は物凄く、競争率は大変な物となったそうです、でもオーナーの推薦枠が五名分、法王領の推薦枠が三名分あります。
もっとも、私自身は推薦枠の外ではありますので、この五名分をアテネさんたちに対して使おうとしましたが、ぎりぎり受かりましたので、まだ枠をもっています。
校長先生が四人の教師を呼びました。
「皆さんのクラスの担任です、それぞれついて行きなさい、聡子さんから、皆さんが日本の習慣になじんでないと聞いています」
私の担任は景山先生といいまして、当年二十七歳、体育教師と云うことです。
五年二組が私のクラスらしく、総勢三十名とのことでした。
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