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第十五章 オディール女学館
私は貴女のオーナーです
しおりを挟むあとは聡子さんの護衛がいりますね……
魔犬をお願いすると、獅子が出てきます。
近頃、マレーネさん、安直ではありませんか?
「そろそろネタ切れです」と云われました、でも禍斗(かと)とか狛犬とかが残っているでしょうが。
獅子君は黄金(こがね)の毛並みで、戦闘体制に入ると、全身の毛がくるくると巻き毛状態になり、口を開き高速の荷電粒子を打ち出すそうです。
こいつは極めて危ないです、なんせ歩く荷電粒子砲ではないですか……
こんな魔犬が東京を歩いているなんて……
この子は聡子さんが気にいったようです。
獅子君はずんぐりむっくりで、案外可愛いとこがあります。
勿論消えることもできます。
私はいつものように、脅しあげておきました。
徹底的にガンを飛ばしておきましたので、以来私を見ると、獅子君は聡子さんの足元に隠れてしまいます。
智子さんが、采女の指輪を右手の薬指にしながら、
「ミコさま、同じ学校ですね、嬉しいですわ!」
と、いいました。
「同じ学校?」
「私、オディール高等女学校の生徒です、こんど二年になりました」
「ミコさまたちは五年生、オディール高女は滅多に編入はとらないのです」
「今度新しい方が幾人か、転入してくるのということで、この二月あたりから、話題の中心になっていました」。
「私は退学する覚悟でしたので、あまり興味を持ちませんでしたが、その話題の主が、私のご主人様になるなんて……」
「身も心も捧げると誓った方と、同じ学校に通えるとは、私はなんと幸せな奴隷なんでしょう」
どうも宝塚の世界?
私には想像できない世界が、待ちうけているようです。
「まぁ一年の留学ですから……」
「えっ?」
「私は年を取りませんから、一年が限度でしょう」
「……では一年後に、私たちは捨てられるのでしょうか?」
笑ってしまいました。
「智子、私は貴女のオーナー、私は貴女にたいして給料、「この場合、奨学金を支払います」
「たしか金貨は2枚、年収は300万円が最低保証のはず、金貨一枚とは、1トロオンス金貨は31グラムですよ」
「そして采女になった以上、貴女には恋愛の自由はなし、私は貴女の一生に対して責任をもつ、それゆえ給料も支払う、そういうことになるのです」
「私はささやかながら、その様な投資を貴女にして、まだ食べていないのですよ」
「そのままポイなんて、もったいないことをするわけがない」
「おいしく熟れたら嫌がっても頂きます、投資は回収するものでしょう?」
智子さん、ホットしたような顔をしました。
「ついでに言っておきますが、指輪やチョーカーをつけた以上、絶対に病気怪我からは守られます」
「そして三十歳からは年を取りません、お肌もつるつる、虫歯なども一発でなおりますよ」
「身体の悪いところがあれば治っているはずです」
「そういえば、肌がつるつるのような……」
「十四歳の貴女には関係ないでしょうが、聡子さんなら効果絶大でしょう?」
聡子さんが、
「その……肌もそうなのですが、生理が軽くなりましたし、その……便秘が治って……トイレがすっきりと……」
「聡子姉さま、このごろ綺麗になったと思っていたのです、ミコ様に愛されたので綺麗になったと……」
「愛された結果です、なんかすべてを差し出したら、軽くなったような気がしました」
「それに……雪乃さんと一緒に……狂いそうになって……あぁ……思いだしてしまう……ミコ様……」
聡子さん、結構淫靡なのですよ。
で、ですね、男を知っている聡子さんを、急遽モルジブの無人島に連れて行き、堪能することにしました。
命じれば何でもしてくれます。
なんせ出戻りと云っていましたが、未亡人ですから……
私は変態ですからね、清楚な未亡人、美女の羞恥に染まった姿を、楽しみました。
雪乃さんは、綾乃さんからもっと淫靡な芸を教えてもらったようで、さすがにこちらが恥ずかしくなるような……
でも興奮してしまう私がいます。
しかし、そんなことばかりしていたわけではありませんよ。
アテネとアリスを誘って、軽免許を取りに行きました。
だってね、この日本帝国の運転免許制度では、まだ存続していたのですものね。
十六歳から四輪乗れるのです、ただかなり難しいのですよ、難関試験として有名ですが、取れちゃったのですね。
今では軽自動車なんて乗っていますが、この免許で乗れる車の排気量は660CCです。
過給機は無しで、トルク重視の規定があります。
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