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第四十章 撤退

テラからの要求

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 そのころ国連では、アメリカ主導のもとにある決議がなされました。
 ナーキッド排除の提案です、そしてイギリス、フランス、ドイツもこれに賛成してしまいます。
 マルスの該当の自治政府は物凄くあわてました、現地政府が暴走を始めたのです。

 可決された決議は次の様な物でした。
 テラからのナーキッドの全面撤退というものです。
 ナーキッドはこの決議を一蹴します、惑星戦争も辞さない覚悟を示しました、私は本気で怒りましたから……

 そこで法王領が仲裁に入り、ナーキッド代表としてネイサンさんが、国連代表としてのアメリカ国務長官と会談をします。

 その結果、ナーキッドは伊豆諸島を含む小笠原とマン島、およびデヴォン島に領地を持ち、分散国家としての地位を認める。
 アイスランドのナーキッドの施設は、これを国連に全て預ける、ただしナーキッドタウンは、これを閉鎖自ら処分する。

 いまある手持ちの空気浄化システムは、全て国連に寄付する。
 マン島とデヴォン島の施設は拡張しない。
 ナーキッドは法王領としか接触せず、唯一マン島にて他の諸国と交流する。

 日本の端島ステーション、第二海保は諸国との接触を禁止する……
 ナーキッドはテラに以後、介入はしない……
 期間は一月だそうです。

 これでは虫が良すぎませんか……全てご破算にしてあげましょうか!

 この時ロシア帝国が、
「良識を失った国連に、ロシア帝国は抗議を表す」
「我々ロシアはナーキッドに感謝を表す為に、カムチャッカの地をナーキッドの委任統治とする」
 このように宣言し、国連を脱退したのです。

 上手いですね、中露核戦争の当事者の一人ですので、テラにいれば、責任を問われるのは確実ですからね。
 お陰でナーキッド委任統治領としての、カムチャッカが認知されたわけで、ここの主権はロシア帝国に属すことになるので、拡張は制限されていません。

 ヨーロッパロシアに残っていた、全ての文化財などはカムチャッカに運びました。

 マルスでは人の利己特性が薄まっているというのに、テラで一向に改善されない、現実に自らの未来を壊すような事ばかり、せっかく何とか落ち着いていた中露の核戦争の放射能も、さらなる中東での核戦争で持ちこたえられなく成りそうですし……

 抗ボルバキア菌の配布を拒否した国々は、ボルバキア菌の被害をひた隠しにしているようです。
 サービア教徒の大攻勢がフランス・アメリカの核攻撃で挫折、生き残りの男がさらに減少、多分このままでは男がいなくなるでしょう……

 ユーラシアを席巻している中国も同様でしょう。
 男がいなくなるのは間違いなく、女だけの国家?子孫が生まれない以上、国家が成り立たないのは確実です。
 ナーキッドの抗ボルバキア薬を拒否した国では、じわじわとボルバキア菌が広がり始めています。

 アメリカに抗ボルバキア薬を提供したのは間違いでした!イギリスもフランスもドイツも!
「まぁ、マスター、いいではありませんか、これで厄介事は一つかたづいたのですから、テラのことはナーキッドの最高幹部会にまかせれば、よきようにはからうでしょう」

 たしかにその通りですが……
「ここ小笠原に最高幹部を呼んでください!」
 ネイサン・ロッシチルドさん、ジョン・ディヴィドソンさん、シャルル枢機卿、鈴木順五郎さん、ヴラド・ドンさんの五名、それにフランシスコ・ロドリゲス・イエス会総長、ギヨーム・ド・ヴィシエ・テンプル騎士団総長の二人の参与、マレーネさん、エールさん、イシス姉さん、そして私……

 ここで、今後のナーキッドの方針を決めるつもりです。

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