87 / 133
第三十九章 人の世の醜き争い
深川丼が大好き
しおりを挟む年末、京都では年越しどころではありません。
帝国陸軍の献身的な協力のもとついに、京都をマルスへ移設する計画は完了しかけています。
京都のほとんどの歴史建造物、街並みなどは消え、荒野になりかけています。
道が残ってそ、の周りにパラパラと建物が残っているだけで、日本政府はこの京都跡地を直接管理、軍の基地に接収してしまいました。
荒涼とした京都跡地を眺めていると、何ともいえぬ寂しさを感じてしまいます。
上杉さんは残っていますが、軍が出来ぬ事を、このおやくざさんたちはやってくれました。
意外にもお年寄りに優しくて、老人たちの退避に貢献してくれましたので、マルスの移住資格を与えて、尼住職様とともに、明日最後の船に乗ってもらうことにしました。
忍さんも一緒に行く事になりました。
親孝行でもしてもらいましょう。
都女子学園もマルスへ移りましたので、六条さんも忍さんとともに、マルスへ行ってもらいます。
華宮公爵は最後まで京都にいました。
報告するためでしょう。
近衛師団長には、
「ご苦労様です、もうすぐ九州の避難も終了します」
「このまま京都市民を運んだ船を使い、関西の大都市の住民をマルスへ運びます、もう少し力を尽くして下さい」
そして華宮公爵に
「この調子なら大阪、神戸も、半年もあれば何とかなるでしょう
「四国・北海道はそのまま小笠原ステーションから移動します、出来るだけ前倒しで計画を勧めます、華宮公爵、そのように報告してください」
オルメカの協力をえて、超巨大な輸送船を借りたおかげて、多分日本は後一年で、マルスへ移転出来るでしょう。
こうして私たちは、年末の三十日に東京へ戻ったのです。
ただタマルさんも、連絡将校として東京ハウスにやってきました。
「響子さん、なにかおいしい物を食べたいですね……たまにはお父様のお店で、ご飯をいただきませんか?」
景山響子さんの実家は、深川のかなり大きな日本料理のお店です。
「お久しぶりです、皆で押しかけて」
「いえ、今日は貸し切りにしていただいて、このごろはお客様も少なくなってきて……」
「東京の物資はどうですか?」
「難民対策で物資が滞り始めていますし、皆早くマルスへ行きたいと願っています」
「そうですね、発表された計画では東京が最後、でも京都のように無事に終わりますよ」
「来年はマルスで正月を送りたいですね」
本当にそうなればいいのですが……ロシア正教からの流出文書、聖ナタナエル黙示録を読む限り、この先一筋縄ではいかないようですし……
私、深川丼が大好き、凝ったものではなくシンプルに貝の味噌汁をぶっかけたもの、汁かけ飯ですが勝負が早いのがいい!
これをかき込んむのが大好きなのですが……聡子さん以下、激しいブーイングが……
「ミコ様、はしたない!」
華宮洋子さんが眉をひそめます。
「サリー様、何とか云ってください!」
これこれ、サリーさんに振らないの!近頃、威厳さえ感じるサリーさんなのよ……
お・ほ・ん……
速効でかき込んむのをやめました、レンゲなどをもってお淑やかに……
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる