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第三十七章 母なる大地
ロシア正教流出文書
しおりを挟む「いや、おいしいですね、ありがとう、クセーニャさん」
その後、よもやま話をしていましたが、
「そういえばミコ様、父はロシアの貴族でしたが、先日、父の知り合いという方がやってきて、この文書を買ってくれといいました」
「なにか判らぬものですが、エカテリーナ様がひと目見て、購入代金をだされて、ミコ様にお渡しするようにと、読めるのはミコ様だけと云われていました」
「何でもロシア正教の文書とか、云われていました」
原エラム文字で記述されている、そのロシア正教の文書は聖ナタナエル黙示録……
しかし肝心のエールさんは、預かり知らないとのこと、いまでは造化三神の作りし預言書と判っています。
私へのなにかの伝言なのでしょう。
文書は次のように書かれてありました。
そして第六のラッパは人の世の終わりの始まりの時に鳴る。
人の世は人が人で亡くなる時に終わり、しばしの安らぎがそれでも続く。
ラッパが鳴り響くのに誰も気がつかない。
神のお怒りは人の世に災いとして降り注ぐ。
強き者は弱き者にならざる得ない。
天の父なる怒りと、地の母なる呪いに、子らは嘆き悲しみ死に行くだろう。
神子は子らの姉として、父と母の間に立つだろう。
偉大なる姉のお力により、父母は怒りと呪いを納める。
天の怒りによる闇が
ここで途切れています。
難解ですね……文書に書いてあるように、姉に相談してみましょう。
「ねえ、アナーヒター、これを読む限り、第六のラッパはなっていないと思われるけれど……」
「どうも、このままでは終わらないようですね」
「ナタナエル黙示録という物は、確実にアナーヒターへの伝言といってもいいはず、造化三神の忠告でしょう」
「私もそう思います、前半部は姉さんの云う通り、このままでは終わらないと、警告しているのでしょうが、後半部が判りません、この部分です」
『神子は子らの姉として、父と母の間に立つだろう。』
「どう思います?」
「問題は父と母が何をさすかでしょう……地の母というのはテラの大地、多分ガイア理論と私は思います
「つまり現在進行中の地球の汚染、大地が元に戻ろうとする力、色々考えられますが、どれもまさに大量絶滅の話しになります」
「そう考えると、天の父とは……やはり神となりますが……」
「私は思うのですが、この忠告は幾つも、未来がねじれているようです」
「ねじれている?」
「一つは姉さんの云ったように、テラ自身の復元力、父とは、これはこのテラを見守る神しかいません」
「間違いなしに高御産巣日神(たかみむすびのかみ)でしょうが、それなら態々(わざわざ)、伝言など必要ないでしょう」
「で、思うのですが、このテラに最初に来たアスラ族の人工知能はイザナギとイザナミ、母とはイザナミ、父とはイザナギとすれば……」
「再び古代のアスラ族の戦いが起こる……しかも……」
「しかも?」
「いえ、考えすぎでしょうね」
子らの姉というのは、ヴァルナ評議会議長の事、子というのはアスラ族をさしている……
テラの人々は、神にとって子とはいえない。
アスラ族の段階まで進化出来る、生まれる前の子といえる人を助け、子と呼べぬ人に怒りが落ちる……
判っているのですが……あまりではありませんか……
考え過ぎを祈るしかありません、無慈悲な神に……
最後の審判が本当に来るのでしょうね……
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