41 / 133
第三十四章 惑星ネットワーク
いよいよアメリカからも移住が始まります
しおりを挟む新たな八つの惑星に送り込んだ軍政司令官から、報告書が来ました。
概ね歓迎されていますが、虫どもに食糧として家畜同然に支配されていた為、人口過疎の世界となっているようです。
しかも文明が退化しているようです。
もともと、古代同然のフィアナの二つの衛星、サヴァとニアヴはそのままのようですが、プレオネの三衛星は酷い状態です。
かなり長い間、家畜同然に飼育された世界、それを受け入れ、当然とする事が遺伝子までに浸みこんでいるようです。
自主自立の無いことは、エラムより酷いようです。
当面は姉ではありませんが、放置しておく事を命じます。
惑星アールヴヘイムンは、近代まで進化した文明を持っていて、虫に対して一致団結して抵抗していたようですので、軍政を解除して、自治を認めたいとのことでした。
これに対しては、自治能力があるか見極める事、それまでは治安維持の観点から、軍政解除は認めない、と返事しておきました。
惑星ニンフは、かなり特異な種族の世界でした。
中世程度の世界で、惑星フェアリーと同様に小さい人々が住んでいますが、肌の色が青系統なのです。
もともと光がすこし乏しいらしく、メラニン色素がうすい白色の肌の人種ですが、全土に銀が豊富に転がっており銀沈着症となっています。
とくに女性は、綺麗な紫から青の系統の肌の色合いとの事です。
エラムより男女差の比率がいびつで、女性が七割、完全な男尊女卑で、女性は奴隷として売り買いされているとのことです。
虫どもは女を購入して、喰っていたようです。
ここも取りあえずは、その食糧生産牧場?を廃棄し、後で視察に行きますので、完全に統制化に置く事を命じました。
この忙しい時に、反乱などは禁物ですから、新しくいただいた惑星にも、ナノマシンを放り込んであります。
十月下旬、秋晴れの中、
アンドロメダ座方面のニンフ線、
てんびん座方面のフェアリー線、
エリダヌス座方面のアールヴヘイムン線、
とも座方面のフィアナ線、
ほ(帆)座方面のプレオネ線、
以上の五つの支線が開通、ステーションDに接続しました。
さらに前倒しで、アメリカのホットスプリング・ナーキッド・ゲーテッドコミュニティの地下ステーションが完成。
いよいよ本格的に、アメリカからも移住を開始します。
もっとも資格のある、希望する人々だけですがね。
ホットスプリング・ステーションは、地下にありシェルターにもなっています。
緊急時、人を万単位で、収用出来るでしょう。
ホットスプリング・ステーションの完成に対しては、この頃は堂々としたものです。
盛大に完成の祝典をしています。
私はこのニュースを東京で見ています。
オディール女学館でもこの話題で持ちきりです。
「ねえねえ、アメリカにも、火星へのステーションが出来たようですね」
「ヨーロッパでも、多くの人が移住を始めているとか?
「あのナスターシャロシア大公女が、ナーキッドオーナーの我妹子(わぎもこ)になったとか」
「イギリスのエステラ王女、フランスのブルボン家のジャンヌ姫、ドイツのホーエンツォレルン家のアンネリーゼ姫も、ナーキッドオーナーの我妹子(わぎもこ) 」
「北欧四カ国とアメリカ、カナダはどうするのでしょう?」
「それより日本はどうなるのでしょう、火星に移住出来るのでしょうか?」
「それにナーキッドオーナーの我妹子(わぎもこ)になった方って、聞きませんが、二人いるとの事……誰でしょう?」
かしましい話が飛んでいます、まだ華宮さんや高倉さんの事は、公表されていませんので、日本全体が疑心暗鬼なのです。
久しぶりに、華宮さんのお父様、華宮公爵からお電話をいただきました。
「出来ましたら、ナーキッドオーナーとして、直に日本についてのお考えを、国民にお話し願えませんか?」
「日本全体に不安が渦巻いていますので」
「アイスランドで行ったような会見で、よろしいですか?」
「もしよろしければ、ミコ様がナーキッドオーナーと判るようにしていただければ幸いですが」
「鈴木順五郎さんと華宮公爵ご自身が、私と一緒に、記者会見に出ればどうですか?」
「鈴木順五郎氏は、ナーキッドの最高幹部と世界に知れています、華宮公爵も同席されれば、ナーキッドと日本の共同会見と知れるでしょう」
「そう願えれば、いう事はありません」
「さらにお願いしたいのですが、例の軍服と菊花章と大元帥佩刀を黙って着ていただければ、軍部も一切の文句はいわないと考えます」
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる