惑星エラムより愛をこめて 第三部 化野(あだしの)編 【ノーマル版】

第三十一章 女地獄なのよ

献上品を世界が認める

　エステラ・ウィンザーさんの記者会見が、二日後にありました、しっかりとチョーカーを付けています。

　ナーキッドオーナーの我妹子(わぎもこ)になった事も、公表されました。
　あわせて火星に、イギリスの都市が建設されている事を発表しました。

　また建設中の都市の、基本プランも公表されました。
　各都市の外縁部に対して、各国の希望を反映するということも発表されました。
　世界はナーキッドの火星への移住計画が、本格的に動き始めているということを知りました。

　ナーキッド協定以外の国が、色々と文句を云い始めましたが、一切の聞く耳は持ちません。
　国連の決議があるうえに、ナーキッドに対して、何ら実効的な手段を持っていないということです。

　ロシア帝国で起こった事を、各国は把握しています。
　クーデター部隊がナーキッドと戦闘を始めた途端に、ロシア帝国の第一軍管区４個軍団８個師団は、五分もせぬうちに殲滅したのです。

　圧倒的な軍事力の差を知っています。
　結局は危機感のある国々は、何とか協定に加盟しようとするのですが……

　現在、はっきりと火星に都市を確保しているのは、英仏独オストプロイセンの四カ国、貴族制度ががそれなりに残っている国です。

　しかしナーキッドの支店があるという事は、それなりの事に成っていると、知れ渡っていますので、間違いなしにアメリカと日本とアイスランドの都市はあると、報道されているようです、なかなか鋭いですね。

　このころにはナーキッドオーナー、つまり私が異世界の人間というのは、常識となっています。
　つまり人の常識は通用しない、我妹子(わぎもこ)制度を活用しているのは、ナーキッドオーナーの価値観を、テラの価値観にすり合わせるためと、理解されるようになりました。

　すくなくともナーキッドオーナーの、女性婚多妻制はナーキッドオーナー個人に対しては、世界が認める所となりました。
　ある意味、この変態趣味も、私個人に対しては仕方ない、その様な雰囲気が世界に広がったのです。

　新しく協定国となった、北欧四カ国とカナダは、正式メンバーの扱いではないと、自身も知っています。
　なにやら色々と思案しているようです。

　献上品がやってこないうちに、オスロとトロントあたりに出張所でも作りましょうね……

　民間資本が所有していた、イングランド中部ウォリックシャーのウォリック城を購入し、エステラ・ウィンザーさんに任せました。
　取りあえずウォリック事務所を開きましたが、侍女さんを、そのままエステラさんの護衛に採用しました。
　クセーニャさんと同様に、どうしてもエステラさんにつき従うといいますので、面倒なので采女に成ってもらいました。

　ついでに下の毛も元に戻しておこうとしましたが、
「このままで結構です！」
　と云われてしまいました。
　この女、つんつんしていますね……まぁ可愛い事で……

　九月も下旬のある日、ディアヌさんとレイキャネース・ハウスで、ヨーロッパ方面の各ハウスと事務所について話していました。
　オーナー専用のブルーラグーンで、イチャイチャしながらね。