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第3部 邪神乱舞

【9章】109話 冥界の祝日

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 あれから新月の夜はチョットしたイベントになりました。
 皆さんには好評で、『ハレムの夜』はNO貞操帯DAY……私に仕える女性たちは、その義務を発揮する日となっています。
 
「イルマタル様、確か『戦女神の日』は半ドンとなって、特別にお菓子を配っていますよね♪」
「この冥界の女たちが、イルマタル様にお仕えする場所でもある、ナイト・ムーン・タウンも『ハレムの夜』に、特別にお菓子を配っていただけませんか?」 
  
 ……『戦女神の日』、つまり私の『生理の日』に、お菓子を配っているのは、主にマカロン、『小袋化』してますので400円ほどですよね……

「ロシア菓子の詰め合わせが、冥界では評判で……女孺(めのわらわ)や雑仕女(ぞうしめ)たちにも、食べさせてやりたくて……」

 冥界の女王アルラトゥさんが、意を決していったのです。

「そんなに力を込めて言わなくても……いいですよ、でも『戦女神の日』の配布菓子と同じぐらいの金額のものにしていただけないかしら?」
「それで構いません」

「では皆でどんなものにするか、味見しながら決めましょう」
 この四人の『更衣』、アルラトゥさん、ラマシュトゥさん、セクメトさん、ネフティスさんは、妾待遇侍女頭と同格ですからサロン・キティのメンバーです。
 『尚侍(ないしのかみ)』は情人待遇侍女ですので、サロン・キティのメンバーではありませんが陪席はできます。

「『ハレムの夜』に祝い菓子を配るのは、問題はないでしょう」
 ガメラーヤ帝国担当の侍女長サライ・ムルク・ハーヌムさんが、同意します。

「私も問題はないと考えます」
 フランセット・フラン女神奉賛協会会長も同意。
 ユートピア・タウンの責任者でもある、旧名アンドリュー、今ではアンジェリク・クリダさんも同意。
 この二人も妾になっています。
 当然、侍女頭の住居を支給されています。

「配布に問題はないと思う、どんな菓子にするか、早く決めましょう!」
 エヴプラクシヤさん、食べる気満々ですね。

「まあ、その前にいま『ハレムの夜』の休日出勤の方に提供しているお菓子を出しますね♪」
 ベーレット・セリさんがさりげなく、ティーを入れてくれます。

「本日は祝い菓子の試食会ということで、アッサムです」
 さすがですね、濃く入れた紅茶にジャムをなめながら飲むと、お菓子の試食の意味がなくなりますからね。

 色々と取り寄せましたが、なかに『お試しロシアケーキ 6ケ入』税別500円というものがありました。
 一個当たり単価64円……

「これは安い!」
 食べてみると……
「これはいけますね♪」
「イルマタル様がおっしゃるのですから、どれどれ」
「確かにいけてますね♪」

「これを配ればいいのでは?」
「そうですね♪」

 でこれに決まりかけたとき、ベーレット・セリさんが発言を求めたのです。
「実は『戦女神の日』の配布菓子は、大半の冥界の女には配布されないのです……『ナイト・ムーン・タウン』に勤めているわけではないので……」

「ユートピア・タウンの女たちもですよ……」 
 アンジェリク・クリダさんが、発言しました。

「じゃあ、『ハレムの夜』は冥界やユートピア・タウンの女たちにも、この500円の菓子を配布するというのはどうか?」
「『ハレムの夜』に参加するという名目があれば、イルマタル様に身をささげる覚悟があるともとれる、なら菓子を配布しても問題はないと思うが」
 エヴプラクシヤさん、ここというときには『いいこと』をいうのですよね。
 私、この『ポンコツ騎士』さん、好みなのですよね……

 結局、新月の夜、つまり『ハレムの夜』はユートピア・タウンもロマンチック・ドリーム・タウンも半ドンとなり、『お試しロシアケーキ 6ケ入』は全員に配布となったのです。

 ちなみに『戦女神の日』の配布菓子も、同様に全員配布となりました。
 
 NO貞操帯DAYが回数を重ねると……
 だんだんとユートピア・タウンもロマンチック・ドリーム・タウンも『ハレム』内との認識が深まったりしないかな……

 ツェルプスト男爵令嬢、アーデルハイト・ツェルプストさん、ついにというか正式に『情人待遇戦闘侍女』さんとなりました。
 正規軍の幹部を内示したのですが、鉄道警備連隊配属を希望しました。
 
 鉄道警備連隊のノームでの活躍を見て、鉄道で急速展開できる部隊もありかな?と考え、もう一つ鉄道警備機甲連隊などというものを創設、その上部組織として輸送警備師団を創設、航空部隊もこの師団の管轄としたのです。

 で、アーデルハイト・ツェルプストさんは輸送警備師団司令部に勤務していただきます。
 この方、積極的なのですよ、きれいな顔をしていますが、実は武闘派、輸送警備師団司令部に正式配属しましたら、あっという間に銃剣術と短剣術を覚えて、九九式短小銃に三十年式銃剣を着剣、なんとも勇ましいお嬢さんです。
 なんせエヴプラクシヤさん並みの、大きな胸を押し付けられたりして……夜の方も……とてもお上手で……立派な処女さんでしたが……

 鉄道警備連隊の幹部も『想女待遇戦闘女中』に任命、輸送警備師団司令部に転属としました。
 こちらも、やたらと夜がお上手……どうも鉄道警備連隊内で座学をしていたような……

 あっという間に、鉄道警備機甲連隊は編成完了、もともと基本的には線路の等級は『特別甲線』ですので戦車の輸送については問題なしです。
 主力戦車は四式中戦車としたかったのですが、三式中戦車です。
 基本的に相手は歩兵、または騎兵、一式中戦車でもよかったのですが、やはり75ミリ榴弾砲は必須です!

 ちなみに元『骨なしのイーヴァル』の妾、ルネさんとエレーナ・トヴェリさんは、経験者ということで……いただいてしまって……
 『想女待遇女中』とし、女神奉賛協会で事務職員として働いていただいています。
 フランセット・フランさんによれば、馴染んでいるようです。
 移動式遊園地の事務担当もお願いしています、各地で開かれる女神恩賜医療財団主催のイベントに出てもらっています。
 いただいてしまっているので、『舌をからませた口づけ』も済ませているわけです。
 遊具の取り扱い知識が必要なのでね。
 
 とにかく、邪神と、その後のノームの処置という、聖天様のご要望も満たせたし、少しばかりのんびりとしたいと思っています。

 この頃、節操をなくしたような……妾にしなければよいとの、側妻さんたちのお言葉に甘えてしまってね。
 でも、ホローはしているのですよ♪
 
 この間、サロン・キティから『贈答品カタログ』の要望がありました。
 私、聖天様と交渉したのですよね♪

 そう、ご褒美を頂戴♪とね。
 大したことではありませんよね♪聖天様♪妙見様は移動遊園地という、破格のご褒美を下さったのですから♪
 
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