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第3部 邪神乱舞
【8章】98話 魔物平原の殲滅戦?と後始末
しおりを挟む「この!」
あまりのイルマタルの挑発に、マルドゥクは激怒しています。
「あら、怒ったの?自分の妻さえ、満足させられないのでしょう?さぞかし小さい物をお持ちのようね、小さいなら小さいなりにテクニックを磨いたらいいのにね、女の私でも、女を満足させるテクニックを持っているのよ、偉そうにふんぞり返っているけど、役にたたない物をぶら下げた男なのね、いっそちょん切ったら、邪魔でしょう?」
さらに挑発するイルマタルさん。
『サイコメトリー、精神の測定・分析』で、相手の心を読んでいるようです。
……そろそろいいかしらね……
「役にたたないものを、私がお仕置きしてあげましょうか?」
イルマタルさん、『神通力』の一つ、『パイロキネシス、発火能力』に電気のイメージをかぶせ、セト、ラー、マルドゥク、ネルガルの股間に直撃させます。
いたそうですね……
四人は完全に我を忘れて、とびかかってきました。
『サイコキネシス、念力』で、四人の悪神クラスの魂を拘束……
『アスポート、消し去る』であっさりと、消去したのです。
この後、『破邪』の力を増大させたイルマタルさん。
あっという間に、邪神の眷属も消去したのです。
「すこしばかり疲れたわね……お風呂でもはいりますか?」
先ごろ取り寄せた、屋外設営用のジャグジーバスに、ヴェーパチッティさんが湯を張ってくれていました。
バブルジェット・ヒーターシステム付 特大サイズ 大人六名が入れるもの♪
五人の女邪神さんは、とりあえず、昨日設置しておいた、12人用の3ルームあるテントに案内しておきました。
で、まずは四人の戦闘侍女頭さんと……
もう、それなりの仲ですからね……
体を洗ってくれるのですが……どこに石鹸をつけて洗うのですか……
湯上りですから、バスローブをまとって、さて五人の女邪神さんとお話合いです。
「お待たせしました、少しばかり汗をかいたのでね、さて皆さんの邪魔者は片づけさせていただきました」
「これからのことを相談いたしましょう」
「そのまえに女奴隷との誓約ですが、自由にしてくれて別に構いませんよ」
「いえ、誓約は守りたいと思います、イルマタル様、どうぞ私たちの主になってください」
「そうです、どうか私たちと『懇ろ』に……」
そこの四人の戦闘侍女頭さん、やっぱりという顔はしないでください!
「『懇ろ』ということですが、私とそのような関係になるということは、はっきりと釘を刺されているのですよ、婚姻式を挙げる関係は定員いっぱいで無理、冥界の女王などの方を愛人とはできない、だから『懇ろ』は無理……」
「私たちは別に婚姻式など不要、愛人で結構です!」
「愛人とおっしゃるのなら、構わないではありませんか?オーレリー様がそのようにおっしゃっておられましたよ」
ヴェーパチッティさん、助け舟をだしますね……
「愛人さんですか……」
「いただきました『聖水』で、私たちは『浄化』されていますので、『負の気』がなくても大丈夫です」
「では、正妻様にご挨拶に伺いますね♪」
肩をすぼめたイルマタルさんです。
でですね、どうして帰りましょうかね……十名ですからね……
『マタドール』を何とか取り寄せました。
南アフリカのパラマウントグループの装甲兵員輸送車。
『マローダー』の大きいタイプ、なんとか買えるようです。
運転手と副運転手を含めて最大十四人の乗組員を収容できます。
巡航速度は時速100キロ、最大航続距離は700キロです。
エンジンはディーゼルですから、いつも満タンにできますので航続距離は無制限となりますね。
でも、これいいじゃないの?特別防衛警備班に配備しましょうかね……
『マタドール』に分乗して、我が家でもあるロマンチック・ドリーム・タウンへ帰ったのですね。
「本当に愛人でよろしいのですか?」
サロン・キティの会議に呼ばれた、アルラトゥさん、ラマシュトゥさん、セクメトさん、ネフティスさん、それにベーレット・セリさん。
やはりね、一応、この五人は神様ですからね……
「我らは、愛人でもその下でもよい、式についてはあげなくても構わない」
「勿論イルマタル様の女奴隷という身分はわきまえている、正妻様、側妻様に従う」
「その上で、一つ虫のいいお願いがある、聞いていただけないか?」
「ご希望の中身によりますが、おっしゃってください」
さすがにサロン・キティの面々も、丁寧ですね……
私なんて、こき使われているのですがね……
「我らにも付き従ってきた眷属がいる、身の回りを世話してくれる女眷属なのだが、この者たちも受け入れていただけないか……」
「男はおられないですね」
「無論だ、我らの侍女なのだ、男は一人もいない」
「……」
彼女たちの女眷属って、ゾロアスター教の『ドゥルジ・ナス』、女悪魔のことのようです。
「『不浄の死体』なんて呼ばれていますが、断じて違います!皆優しいのですよ!」
「イルマタル様、いかがされますか?」
「そのですね……まず、この五人の方をですね……愛人扱いでサロン・キティとしては受け入れていただけるのですか?」
「致し方ないでしょう、婚姻式を挙げない、愛人以下でもよいとおっしゃられるのなら、文句はありません」
「正妻として、エヴプラクシヤさんはいいのですか?」
「私はかまわない、仲良くイルマタル様にお仕えしようと思う」
「分かりました、式を挙げないということですが、アルラトゥ、ラマシュトゥ、セクメト、ネフティスの四人の格としては、せめて侍女頭並として頂けませんか?」
「また同じ条件でベーレット・セリの格も情人待遇侍女あたりでお願いしたいのですが?」
「でも婚姻式を挙げないとなると、名称が問題となりますが?」
「侍女頭並として『更衣(こうい)』という名称を採用しようかと考えています」
「『更衣』?」
「東の『漢』のさらに彼方の地方のそのような女性の階級の呼び名です」
『更衣』というのは愛人待遇ですが、『侍女頭』の格とし、サロンキティのメンバーとなったわけです。
結局、この私の案が採用され、アルラトゥさん、ラマシュトゥさん、セクメトさん、ネフティスさんの四人は『更衣』、その下の『尚侍(ないしのかみ)』にベーレット・セリさんとなったのです。
尚侍(ないしのかみ)の下に、掌侍(ないしのじょう)、その下に女孺(めのわらわ)、雑仕女(ぞうしめ)を置き、女眷属さんたちを女孺(めのわらわ)や雑仕女(ぞうしめ)としたわけです。
あとはベーレット・セリさんが何とかするでしょう。
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