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第2部 嵐の前の平穏な日々

【4章】40話 乗馬術?の放課後は太ります。

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 オスク・スクール、女生徒の武術の時間です。
 今は午後の二時、場所はロマンチック・ドリーム・タウンの第3農地、目の前にはクボ●のユーテリティビークルが二台置かれています。
 一台は二人乗り、もう一台は四人乗りのものです。

 ディーゼルエンジンで時速は40キロ、オートマで4輪独立サスペンション、大概の不整地は走行可能です。
 速度調節はアクセルペダルを踏み込んで加速し、離して減速、誰でも簡単に乗りこなせそうです。

 私たち十二名はこれの操縦訓練を始めるのです。
 昨日までは四輪自転車、乗用玩具の電動四輪バギーと訓練してきたのです。

 乗用玩具の電動四輪バギーは12歳以上を指定、60キロ以上の方は乗れません。
 まあ、女性ですから大丈夫ですよ……大体はね……とりあえず大丈夫でした。
 最速が15キロ、1回充電行走距離で8キロ、練習用として丁度よいでしょう。

 案外に簡単に乗りこなしました。
 これが乗りこなせれば、導入している電動四輪トライク、電動バイクと呼んでいますが、十分動かせます。
 事実、試してもらうと、難なく乗りこなしていましたから。

 ユーテリティビークルを探しているときに見つけたのですが、本格的な電動四輪バギーもありました。
 でも時期尚早です、だってね、最大速度が70キロ出ますからね、一応一台取り寄せておきましたが……
 このとき、モペットのような電動三輪自転車も発見、でも電動四輪トライクで十分と思いました。

 いまは年始から40日目、エーリュシオンの暦ならば2月12日、地球でいうなら2月9日、寒いですよ!
 でも震えているのは私だけ、皆さん、寒いのは平気のようですね。
 
「いよいよですよ、とりあえずはこれの運転を物にしていただきます。もう電動バイクは乗りこなせていますので、問題はないと考えています」
 臨時雇員として採用された七名と、私の妻たち四名相手に、私は自動車学校の教官みたいなことをするわけです。
 といっても、法規もへったくれもないのですから、ひたすら習熟するだけです。

 エヴプラクシヤさんが、
「イルマタル様、これは私たちが出あった時に、乗せていただいたものとは違うようですが?」

「Sherp ATVはね、これを乗りこなして経験を積んで、初めて乗れるようになるのですよ、これだって十分に実用性はありますから」

 やはりクボ●のユーテリティビークル、どこかトラクターのような感じはあります。
 ディーゼルだから燃料の心配もないし、荷台もあるし……いいですね、運転手さんが7名確保できそうですね。

 やってみると、やはり危ない方もおられ、私が魔法で止めることが二三回起こりました。
 まぁ初日、運転免許でも其れなりに掛かるのですから、たしか技能講習だけで31時間ほど、なら週五時間でこの乗馬術を行いますので一月半というところ、目処は早春というところでしょう。

 とにかく乗馬術の講習は3時で終わり、皆さんは直ぐに喫茶室へ直行するのですよ。
 どうもその後入浴し、夕食も食べるそうです。
 食堂喫茶回数券はそれぞれ10回、毎日では足りないのでは……

「イルマタル様、私たち、後一枚購入しているのです、朝と昼は使用していませんので、皆で掛け合って、これを提出して一枚購入すると割引してもらえるのですよ」
 やはり女子ですね、そのあたりは目ざといというか、おっさんにはとても思いつかないし、交渉など恥ずかしくて出来ないですね……これが女子力?どうやら二枚目以降は半額以下のようです。

「イルマタル様!喫茶室でケーキなどご一緒しませんか?」
 とお茶など誘われました。

 喫茶室は今の時間、結構すいています。
 この時間に暇なのは、朝晩の通勤の召使さんだけです。
 この方たちが、仕事終わりにのんびりとお茶しているぐらいですね。

 スイーツバイキング形式となりますので、いろいろなお菓子が並んでいます、でも……皆さん、ケーキに走っています。

 私が取り寄せたのですが、ホテルのバイキングでよく見る、小さいサイコロのようにカットしたケーキ、49個で1,545円でしたよね。
 チョコ、ストロベリー、チーズ、抹茶、アップル、ティラミス、サツマイモ、などなど、そのほか単価にして200円以下のものが並んでいます、某業務の冷凍ケーキを網羅してあります。

 冷凍ケーキはこの手の業者さん三社から、日替わりで替えているようです。
 そのほかにも、ワッフル、ドーナッツ、クッキー、ミニプリンなんてものも並んでいます。
 さらには小袋に入っているお菓子などはアンカーホッキング社のおしゃれなガラス容器に入っています、容量7.6リットル、5,000円ほどしますが喫茶室ですからね。

 休みの日は和菓子になります、これ鏡開きの時のぜんざい・しるこ・がことのほか好評で要望が多かったので、この日としたのです。

 喫茶室は朝の9時半に開店しますが、午前は小袋に入っているお菓子だけとなります。
 いったん11時半に休憩となり2時半から7時半までが午後の営業となります。
 冷凍ケーキが出るのは午後となっています。
  
 私はモカ・マタリなんてコーヒーを飲んでいますが、皆さんココアなのですよね。

「イルマタル様、なんでコーヒーなんて選んでいるのですか?」
「やはり甘いものには、少々口がさっぱりするコーヒーが好みなものですから」

 私はドーナツあたりをコーヒーのお供にしています。
 某ドーナッツ専門店の業務用のもので、日配品を選べば宅配してくれるようで、ちゃんと届くのですよ。

 それにしても皆さん、お食べになること……

「太りませんか?」
 聞いた瞬間に皆さん、顔が引きつったような……聞くのはいけなかったかしら?
「……その、私たち、夕食は少なめに……気をつけていますので……」
「そっ、そうですよね、皆さん、スレンダーですものね、気をつけているのですね」

 ペチャクチャ・ペチャクチャとしていると、四時半ですね……お風呂は五時から、一時間ごとに女中さんたちが湯を入れ替えます、五時、六時、七時、八時、九時までの五回、十時に閉まります。
 その後十一時まで清掃して当番の女中さんは帰るわけです。
 朝も同じですね、四時から十一時までの八時間労働なのです。

 まぁ、女中さんの給料は変わりません。
 もともと自身の購入代金として半額天引きされていますのでね。
 だから各種の手当がついているわけですよ、この場合、物品倉庫の購入チケットが一日千円支給となるわけです。

 それはさておき、この日はお風呂も付き合ったのですよ。
 皆さん、本当に色っぽいお体ですね、上級生になるほど、胸なんてのも成長しているような……

 ここにはシャンプーやリンス、石鹸など、エーリュシオンではお目にかかれないほど高品質のものが置かれているのです、皆さん、念入りに洗っていますね。

「イルマタル様、ここで皆さんと一緒に裸になってお風呂に入ると、一心同体の気持ちになれるのですよ♪」
「皆で一緒にイルマタル様にお仕えし、皆で一緒に『愛人』になろうって話しているのです♪よろしくお願いします♪」

 よろしくお願いっていわれてもね……
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