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第二十九章 幻の食っちゃ寝生活
雪乃さん、お買い物を楽しみ、大いに叱られる
しおりを挟むさて、根が貧乏性の雪乃さん、どうやら『ぐーたら食っちゃ寝生活』はあこがれるだけで、出来ないようです。
なにやら、ゴソゴソ始めました。
「読書ばかりしていては、身体に毒よね、そうだ、年末に見つけた食器、サンプルとして取り寄せておきましょう♪」
100均の通販に、『ホワイトディッシュ』シリーズを、取り寄せ、.このサイト、15セットから注文を受け付けるサイトですので、一種類あたり大体90個は取り寄せることになります。
サンプルとはとても言えない量です。
「ここ、いいわね♪倉庫でも作って備蓄しておこうかしら♪」
「でも種類が少ないわね、少し探してみましょう♪」
電子レンジ、食洗機対応、となるとなかなか無いようですね……大体がポリプロピレン……それでも磁器のお茶碗と、耐熱木製のお箸を見つけています。
「恩賜青鞜会看護高等女学校で使うなら、ただの陶磁器でいいのよね♪」
なにやら無地の食器を取り寄せていますね……
どうも、ため込む癖があるようで、貧乏性の上に心配性というか……
性分のようですね……お金の無駄遣いなのですが……
雪乃さん、年の収入が中堅財閥ぐらいあり、それもほとんど経費がいらない不労所得……
利益はどのくらいあるか……せっせと減らそうとするのですから、取り寄せ備蓄ではなく、この世界の物をどんどん購入したほうがいいのですが……
このままでは、空恐ろしい数の『愛人』が……
学校を作り、そのすべての経費なんて出しても、一時しのぎ……
わかっているのでしょうかね……
部屋の外には、サンプルと称する食器の山……
これが牧野姉妹に見つかるわけです。
元日だから不用心と、初詣の帰りに、私の様子を見に来てくれたようです。
「雪乃様、この箱の山はなんですか……」
「えっ、愛様と和様、なんでここに?」
「初詣の帰りですが、なんとなく雪乃様のご様子を見に来たのです」
いたずらを見つかった子供のように、弁解を始めた雪乃さん。
「これは……その……皆さんや、新設の学校の食器など取り揃えようと……」
「こんなにですか?」
「その……つい、楽しくて……」
「楽しい?」
「お買い物が……」
「これは買われたのですか?」
「いえ、取り寄せたのですが……ついつい、皆さんに差し上げようかと考えていると、楽しくて……それにお安い物でしたので、ついつい……」
和様が、
「よくわかりませんが、これは私たちや新設女学校のためにとりよせた、そして値段があるが、雪乃様は『ただ』で取り寄せられる」
「そしてお買い得品だったから、ついつい揃えてしまった、こういうことですか?」
「その通りです……何かと備蓄しておけば、いざというときにも困らないかと……腐る物でもありませんし……」
「無意味です!」
愛様が断言されました。
「お気持ちは大変うれしいのですが、雪乃様、これは無意味ですよ」
「今回の学校や図書館の件、雪乃様の資産が絡んでいると、この間、私と文子様が、帝室資産管理局に呼ばれて説明を受けました」
「存じております」
「その席上、雪乃様の資産について説明を受けました、資産をとにかく減らさねば、大変なことになるとの事です」
「あの……お姉さま、何故なのですか?資産が多くて困るのですか?」
「資産が多ければ、莫大な税金を払うことになる、雪乃様は王女殿下、公表されることはないが、おのずと世間に知れ渡ることになる、するとどうなるか」
「お金持ちは、それなりの『愛人』や『巫女』を持つのが当然というのは、和でも知っているでしょう?」
「それは当然でしょう、お金持ちなのですから、持たなければ、世間様から誹られますよ、『ケチ』とかいわれるし……あっ、そういうことですか!」
「それぐらいなら、帝室資産管理局が、頭を抱えるなんてことはないわ、問題は額が膨大で、雪乃様が、将来皇太子殿下に嫁がれることになっているということ、この話は雪乃様もご了承されておられますよね?」
「覚悟しております」
「膨大な数の『愛人』や『巫女』をもって皇太子殿下に嫁がれると、殿下のハレム、抱える女官は増える、最終的には帝室の女官になる……」
「問題は女官の数なのよ、帝室に仕える女官は膨大なのよ、その上に突然増えたら、女官を管理する皇后陛下直轄の女官局はパンクする」
「もっと悪いのは、皇太子殿下が雪乃様の資産と女を狙って妻にした、そんな風に必ず誹られる、これはさすがに困った事になる」
「だから、なんとしても雪乃様の資産を減らしていただきたい、帝室資産管理局から、申し入れがあったのよ」
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