16 / 32
シリーズ001
015 盗賊達の目的
しおりを挟む
作戦は見事に成功しているかのように見えた。
即席の土嚢を盾に、ユキは火縄銃を撃ちまくった。単発の先込め式だが、装填役に回っているカナタの器用さは凄まじく、次々と装填を繰り返していた。無論装填時間による隙はあるが、そこはブッチが肩掛けのホルスターから抜いた廻転銃で対応しているので、命の危険はない。
「ドンドン来るぞ! 片っ端から撃ちまくれっ!」
「カナタ! 次っ!」
「ちょい待ってぇなお兄!」
銃身が焼けてまともに飛ばなくなった火縄銃が出始めている。水に浸していた布ではもう冷ましきれない。
カナタは回し撃ちで駄目になった火縄銃を水を張った桶に挿し捨て、別の新しいものに早合で装填を繰り返している。弾を押し込む朔杖等、本来は銃身の下に仕舞われているはずのものが、今は予備のものを使い回している程だ。
ブッチも何もせず、指示を飛ばしているだけではない。フィルの工房に残されていた臼砲を持ち出し、自ら装填しては発砲して廃城を攻撃していたのだ。
この手の武器は戦時中に散々使っていたらしく、たとえ一人でも装填から発射まで、動きに一切の無駄がなかった。
「思ったより多いが、森に逃げていく連中もいるな」
――ドンドンドンドン…………!
『ぎゃぁああ……っ!』
次々とカナタの仕掛けた罠が炸裂していく。というより、威力が高すぎた。
「前から思ってたが……お前等、一体どれだけ火薬を作ってたんだ?」
「……やっぱりばれますよね」
「個人で用意できる限界を超えているからな」
通常では出回らないどころか、知られないことも多い火薬を臼砲に回せる分まで用意してのけたのだ。気付かれない方がどうかしている。
「と言っても、作り置きはこれで全部ですよ。そうだよな、カナタ?」
「作り置きは、さすがにこれで全部やで」
しかしこの量はユキも予想外だった。
明らかに地雷原と化している森に逃げ込む盗賊達が、むしろ哀れに思えてくる程だ。
「お前、俺の知らないところでどんだけ作ってたんだよ?」
「いやぁ、作り出すと面白くてつい……」
「……今度、じっくり話し合おうか」
撃ち終えた火縄銃をカナタが装填したものと交換するユキだが、すぐには構えなかった。
……もう、敵の影が見えなくなっているからだ。
「あと一人、か」
ただ、一人を除いて。
「驚いたな。まさかサンティアゴ・クレーティか」
「……おっちゃん知ってるん?」
「賞金首だ。この辺りじゃ多分、一番高い額の」
肩掛けのホルスターを、弾切れの廻転銃ごと地面に置くと、ゆっくりと即席の土嚢を超えてサンティアゴと対峙した。
「俺がやる。手を出すな」
可能な限り、ユキやカナタには相手を殺さないよう伝えてある。そういうのは慣れた人間がやるべきだと考えているからだ。
「賞金稼ぎのバールテクか。戦争で死んだ、って噂になっていたぞ?」
「生憎と生き汚くてな……」
どうやら、相手もブッチのことを知っていたらしい。
「まさか用心棒がお前とはな……面白い」
抜刀。それを合図に、ブッチは右手側の廻転銃をホルスターから抜いた。早撃ちで続けて三発、発砲する。しかしサンティアゴはそれを足運びだけで回避した。
「動き回りやがって……っ!」
予想以上に、相手の動きが速かった。銃弾を切り落とすなんて真似はしてこないが、この速さだけでも十分な脅威となる。
「もう撃たないのかっ!?」
「ちっ!?」
銃床で振り下ろされる刀の側面を叩き、斬撃をずらして回避するブッチ。狙いが定まらない中発砲しても仕方ないので、銃弾は温存できている。しかし、それだけだ。
「動きが速いと厄介だな……」
「それはこっちのセリフだ」
左手側のホルスターに納めている廻転銃には手を出さない。再装填している暇がない以上、残弾数が文字通り、命を左右するのだから。
「おかげで大太刀を抜く暇がないぞ。いや、抜いたら逆に不利になるか」
少しジリ貧になってきた。互いに手を出せず、望まぬ睨み合いが続く。
ふと丁度いいことに気付き、ブッチはずっと気になっていたことを問い掛けた。
「ところでお前等、なんでダイナーを狙う?」
「あん、そんなもん宝目当てに決まってんだろうが」
宝? その言葉に疑問を抱く。
心当たりはあるか、とブッチは視線で後方にいるユキ達に問い掛けるが、向こうも首を振っている。そもそも赤字経営になってきたのでここまで攻め込んできたのだ。そんな宝があれば、とっくに売り払っているはずだろう。
「そんなものないから、こうやって盗賊の元凶叩きに来たんだろうが。経営が赤字になってきたって、あいつ等迷惑してたぞ?」
「嘘付けっ!? 俺は聞いたんだよ。ダイナーにローズシリーズがあるってなぁ!」
『……ローズシリーズ?』
全員が、思わず呟いた。
ローズシリーズとは、薔薇鉱石という特殊な鉱石で生み出された武器の総称で、この大陸世界『アクシリンシ』において最強を冠する代物だ。持てば力を、売れば大金を手にする、まさしくお宝と呼ぶにふさわしい。
……のだが、大抵は国が管理しているので、個人で所有していること自体が珍しいはずだ。ましてや、一介のダイナーが持ち合わせているという噂自体、眉唾ではないのか?
「……おいユキ坊にカナタ嬢ちゃん、それ本当か?」
さすがに視線を切ることはないが、思わず問い掛けるブッチ。サンティアゴもまた、その真偽に意識を持っていかれているのか、刀を構える手が少し震えていた。
「……その噂は本当です」
土嚢から少し身を乗り出し、代表してユキが答えた。
「ローズシリーズの一つ……アイリスローズはたしかにありました」
「やっぱりなっ!」
サンティアゴが吠える。目的のものがある、それを聞いて奪おうとするのは盗賊の本能だ。
「あのお宝はそこに……」
しかし、その言葉の意味を理解するにつれ、徐々にその顔から血の気が引いていく。
「…………あった?」
どういうことかと疑問が尽きないサンティアゴに、ユキはただ淡々と、事実を告げた。
「何年か前に、あの店に滞在していただけだ。アイリスローズの使い手と、その弟子が」
「……嘘だ」
けれども、ユキの言葉だけでは、サンティアゴは一切信じなかった。
「嘘をつくんじゃねえ! もうないだと? そんなことあるわけが……」
「……ユキ坊」
突然、ブッチが言葉を挟んできた。
「それがアイリスローズなのは、間違いないのか?」
「あ、はいそうですが……」
「なら、その話は本当だ」
その言葉に、真実を添えて。
「ここから北にあるペリという小国で『アイリスローズを見た』って話を聞いた。ここに来る前の話だから、もうそこにすらいないだろうさ」
「……本当、なのか?」
「情報屋も冒険者仲間も動いている。俺はローズシリーズに興味がなかったから降りたが、あればとっくにここにはいない。連中を追いかけて行った」
サンティアゴの構える刀身の向きが、徐々に下がっていく。カナタのように下段に構えるのではなく、単に力が入らなくなっているのだろう。
「……決めろ。ここで手を引くか、まだ続けるか」
撃鉄が、静かに戻される。
「何人かは殺したが、お前等から始めた強盗だ。目的の物がないなら、この辺りで手打ちにしてもいいんじゃないのか?」
お前達が良ければだが、と視線でユキ達に問い掛ける。向こうもこれ以上の戦闘を望んでいないのか、ブッチに頷き返した。
「さあ……どうする?」
返事は…………なかった。
即席の土嚢を盾に、ユキは火縄銃を撃ちまくった。単発の先込め式だが、装填役に回っているカナタの器用さは凄まじく、次々と装填を繰り返していた。無論装填時間による隙はあるが、そこはブッチが肩掛けのホルスターから抜いた廻転銃で対応しているので、命の危険はない。
「ドンドン来るぞ! 片っ端から撃ちまくれっ!」
「カナタ! 次っ!」
「ちょい待ってぇなお兄!」
銃身が焼けてまともに飛ばなくなった火縄銃が出始めている。水に浸していた布ではもう冷ましきれない。
カナタは回し撃ちで駄目になった火縄銃を水を張った桶に挿し捨て、別の新しいものに早合で装填を繰り返している。弾を押し込む朔杖等、本来は銃身の下に仕舞われているはずのものが、今は予備のものを使い回している程だ。
ブッチも何もせず、指示を飛ばしているだけではない。フィルの工房に残されていた臼砲を持ち出し、自ら装填しては発砲して廃城を攻撃していたのだ。
この手の武器は戦時中に散々使っていたらしく、たとえ一人でも装填から発射まで、動きに一切の無駄がなかった。
「思ったより多いが、森に逃げていく連中もいるな」
――ドンドンドンドン…………!
『ぎゃぁああ……っ!』
次々とカナタの仕掛けた罠が炸裂していく。というより、威力が高すぎた。
「前から思ってたが……お前等、一体どれだけ火薬を作ってたんだ?」
「……やっぱりばれますよね」
「個人で用意できる限界を超えているからな」
通常では出回らないどころか、知られないことも多い火薬を臼砲に回せる分まで用意してのけたのだ。気付かれない方がどうかしている。
「と言っても、作り置きはこれで全部ですよ。そうだよな、カナタ?」
「作り置きは、さすがにこれで全部やで」
しかしこの量はユキも予想外だった。
明らかに地雷原と化している森に逃げ込む盗賊達が、むしろ哀れに思えてくる程だ。
「お前、俺の知らないところでどんだけ作ってたんだよ?」
「いやぁ、作り出すと面白くてつい……」
「……今度、じっくり話し合おうか」
撃ち終えた火縄銃をカナタが装填したものと交換するユキだが、すぐには構えなかった。
……もう、敵の影が見えなくなっているからだ。
「あと一人、か」
ただ、一人を除いて。
「驚いたな。まさかサンティアゴ・クレーティか」
「……おっちゃん知ってるん?」
「賞金首だ。この辺りじゃ多分、一番高い額の」
肩掛けのホルスターを、弾切れの廻転銃ごと地面に置くと、ゆっくりと即席の土嚢を超えてサンティアゴと対峙した。
「俺がやる。手を出すな」
可能な限り、ユキやカナタには相手を殺さないよう伝えてある。そういうのは慣れた人間がやるべきだと考えているからだ。
「賞金稼ぎのバールテクか。戦争で死んだ、って噂になっていたぞ?」
「生憎と生き汚くてな……」
どうやら、相手もブッチのことを知っていたらしい。
「まさか用心棒がお前とはな……面白い」
抜刀。それを合図に、ブッチは右手側の廻転銃をホルスターから抜いた。早撃ちで続けて三発、発砲する。しかしサンティアゴはそれを足運びだけで回避した。
「動き回りやがって……っ!」
予想以上に、相手の動きが速かった。銃弾を切り落とすなんて真似はしてこないが、この速さだけでも十分な脅威となる。
「もう撃たないのかっ!?」
「ちっ!?」
銃床で振り下ろされる刀の側面を叩き、斬撃をずらして回避するブッチ。狙いが定まらない中発砲しても仕方ないので、銃弾は温存できている。しかし、それだけだ。
「動きが速いと厄介だな……」
「それはこっちのセリフだ」
左手側のホルスターに納めている廻転銃には手を出さない。再装填している暇がない以上、残弾数が文字通り、命を左右するのだから。
「おかげで大太刀を抜く暇がないぞ。いや、抜いたら逆に不利になるか」
少しジリ貧になってきた。互いに手を出せず、望まぬ睨み合いが続く。
ふと丁度いいことに気付き、ブッチはずっと気になっていたことを問い掛けた。
「ところでお前等、なんでダイナーを狙う?」
「あん、そんなもん宝目当てに決まってんだろうが」
宝? その言葉に疑問を抱く。
心当たりはあるか、とブッチは視線で後方にいるユキ達に問い掛けるが、向こうも首を振っている。そもそも赤字経営になってきたのでここまで攻め込んできたのだ。そんな宝があれば、とっくに売り払っているはずだろう。
「そんなものないから、こうやって盗賊の元凶叩きに来たんだろうが。経営が赤字になってきたって、あいつ等迷惑してたぞ?」
「嘘付けっ!? 俺は聞いたんだよ。ダイナーにローズシリーズがあるってなぁ!」
『……ローズシリーズ?』
全員が、思わず呟いた。
ローズシリーズとは、薔薇鉱石という特殊な鉱石で生み出された武器の総称で、この大陸世界『アクシリンシ』において最強を冠する代物だ。持てば力を、売れば大金を手にする、まさしくお宝と呼ぶにふさわしい。
……のだが、大抵は国が管理しているので、個人で所有していること自体が珍しいはずだ。ましてや、一介のダイナーが持ち合わせているという噂自体、眉唾ではないのか?
「……おいユキ坊にカナタ嬢ちゃん、それ本当か?」
さすがに視線を切ることはないが、思わず問い掛けるブッチ。サンティアゴもまた、その真偽に意識を持っていかれているのか、刀を構える手が少し震えていた。
「……その噂は本当です」
土嚢から少し身を乗り出し、代表してユキが答えた。
「ローズシリーズの一つ……アイリスローズはたしかにありました」
「やっぱりなっ!」
サンティアゴが吠える。目的のものがある、それを聞いて奪おうとするのは盗賊の本能だ。
「あのお宝はそこに……」
しかし、その言葉の意味を理解するにつれ、徐々にその顔から血の気が引いていく。
「…………あった?」
どういうことかと疑問が尽きないサンティアゴに、ユキはただ淡々と、事実を告げた。
「何年か前に、あの店に滞在していただけだ。アイリスローズの使い手と、その弟子が」
「……嘘だ」
けれども、ユキの言葉だけでは、サンティアゴは一切信じなかった。
「嘘をつくんじゃねえ! もうないだと? そんなことあるわけが……」
「……ユキ坊」
突然、ブッチが言葉を挟んできた。
「それがアイリスローズなのは、間違いないのか?」
「あ、はいそうですが……」
「なら、その話は本当だ」
その言葉に、真実を添えて。
「ここから北にあるペリという小国で『アイリスローズを見た』って話を聞いた。ここに来る前の話だから、もうそこにすらいないだろうさ」
「……本当、なのか?」
「情報屋も冒険者仲間も動いている。俺はローズシリーズに興味がなかったから降りたが、あればとっくにここにはいない。連中を追いかけて行った」
サンティアゴの構える刀身の向きが、徐々に下がっていく。カナタのように下段に構えるのではなく、単に力が入らなくなっているのだろう。
「……決めろ。ここで手を引くか、まだ続けるか」
撃鉄が、静かに戻される。
「何人かは殺したが、お前等から始めた強盗だ。目的の物がないなら、この辺りで手打ちにしてもいいんじゃないのか?」
お前達が良ければだが、と視線でユキ達に問い掛ける。向こうもこれ以上の戦闘を望んでいないのか、ブッチに頷き返した。
「さあ……どうする?」
返事は…………なかった。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる