15 / 44
リナ、今だけでいいから
しおりを挟む
(何回目……)
確かに数えていた気がするのに、とりとめもなくキスの記憶は散らばっていく。
集め損ねたビー玉のよう、きらきら、輝きでリナを眩惑する。
「ふっ……」
補給とサクヤが言うキスは、どんどん深まっていく。濡れた舌が二人の唇が繋がったところを、奇跡みたいに行き来する。
自分のものではない舌が、口の中で動くことに困惑しきりだったのに、リナはその柔らかで熱い感触を受け入れつつある。
「んっ……!」
上顎、口の中の天井をくすぐられて、リナは耳を忙しなく動かした。
(へん……っなの……。くすぐったい)
リナは顎を掴んだサクヤの指に爪を立てる。引きはがそうとした指は、頼りなく彼の手の甲をひっかいた。
「んっ……ん……ん……」
サクヤの指の力は強く、しっかりとリナの顎をとらえている。なのに、痛みはちっともない。
その代わり、彼の舌はリナの口の中をくすぐってばかりいる。
「んぅっ……!」
そろ、と本当に微かに、触れられたか触れられてないかくらいの強さでくすぐられて、リナは頭からつま先まで、電流が走ったように感じた。
「リナ」
「サク……ヤぁ……」
やっと舌が出て行って、間近から二人は見つめ合う。リナの潤んだ若葉色の瞳と、漆黒のサクヤの目が、星々が瞬くように、信号を送り合う。
「……ほ、補給なら、もういい、でしょ」
「……アンタを愛してるよ」
ちぐはぐな信号は、空に浮く星々が、本当は何千、何万光年と離れているのに似ている。
「そ、そういうのは、ずるい」
リナは真っ赤な顔で、サクヤの剥き出しの肩を押す。やはりびくともしない。
ポニーテールに凜々しく涼やかな顔立ち。切れ上がった眦は意志の強さそのまま。
脱げかかったシャツと、スカートにハイソックス。
(みっともない格好だって、言ってやれればいいのに)
「あんまり、あの……ドキドキさせないで」
リナが言うと、サクヤは神妙な顔になる。
「……ドキドキすんの? 何で」
「え、だって、あの、いきなり、ちゅ、ちゅちゅちゅちゅ、ちゅーしたりとか、あ、あ、あ、あ、あ、ああああ、あいし、てる、とか」
「気持ちわりぃとか、困るとかじゃなくて?」
「う? え、気持ち、わる、い?」
真っ赤な顔で耳を伏せたリナの顎には、サクヤの手が添えられたままだった。
彼は瞼を伏せて、顔を傾ける。目を閉じればプラネタリウムに座っているみたい。星空のただ中に放り出されて、天も地も無く。
今度のキスはすぐに離れていく。
「……気持ち、悪いか?」
サクヤにしては気遣うように、ぶっきらぼうな問いは甘い。
リナは耳を伏せきって、「ううん」と小さく呟いた。
「アンタがいない間……一日半か」
「そ、そんなに経ってたの!? だって、いいとこ半日も経ってないのに」
「ほんとは、片時だって、俺の側から離したくないんだ」
「……だ、だからっ、そ、そういうことは……あ、あたし、怒ってるんだから!」
「怒ってる?」
「サ、サクヤはあたしを守るって、言ったのに……あ、あたし、から離れちゃ、ダメなんだから……!」
リナの頬の赤さは耳にまで伝染していた。人間とは違う、感情を素直に表す瞳。色と言うだけで無く、リナの瞳は確かに彼女の心を表現していた。
本来、エルフは殆ど感情が揺らがない。耳をリナのように動かすことも、瞳の色を揺らめかせることもないのだ。
空や湖のように、美しくとも、ただその時にその色を纏うだけで。
「俺がいなくても……みんなが、いただろ。お前の大好物の設定山盛りのイケメンが――ひとりじゃなかっただろ」
「……うん、でも、サクヤがいないと……さびしいよ……サクヤが、いて欲しいよ。か、肝心な、恐い時に、いっつも、サクヤ、いないんだもん……」
星が瞬くのは、きっと誰かに伝えるためだ。星にひとりきり、取り残された誰かに、ここにいると伝えるため。
リナの手が、おずおずとサクヤの背中に回される。
サクヤはリナを抱き返す。彼女の髪をこすりつけるようにして、サクヤはリナの頬に、自分の頬を押し当てた。
「……あいつらが好きか?」
「好きだよ、みんないい人だもん。……パーシモンとルドルフはまだよくわかんないけど、悪い人じゃなさそうだし」
「そうか、ならいい」
近くにいて、星。
瞬きの間に消えないで。
「……サクヤは?」
「俺も、あいつらは悪くないと思ってるよ」
「そうじゃなくて、あたしが、サクヤを、好きとか、嫌いとか」
「……声、震わせて言うようなことか」
「……あたし……サクヤは、きらい」
「リナ」
「すぐ、嘘つくし、約束、守らないし……キス、するし。絶対、好きになってあげないんだから」
「嘘はついてないし、嫌いでもいい、リナ。アンタは誰を好きになってもいい。でも、俺はずっと誰よりも初めから、アンタを愛してる」
リナを強い視線で射貫くサクヤに文句を言ってやりたい。思いつく限りの罵詈雑言を浴びせかけ、殴る蹴るして、爪を立ててひっかいて、ぎゃふんと言わせてやりたい。
異世界から召喚されて、女子高生のなりをしている、口達者で、リナの黒歴史をあげつらって、意地悪で、いつも愛を語る言葉だけは熱烈な、名前のない星。
また唇が塞がれる。閉じた瞼の裏で、星が幾つも流れていく。
瞼を閉じた時に見えるただの残像だと言い切ることは難しい。こんな星ひとつにも、想像の翼をはためかせた。
リナはいつも、曖昧で心酔わせる夢を見ていた。
「……魔王と結ばれる、黒い花嫁っていうのもあるぞ」
「……何それ」
「竜騎士の花嫁、これが王道だな。騎士団長の嫁も、昨今のはやりに乗ってる感じがある。
神官も清らかなオーラ出しといて実はむっつりスケベでしたとかってティーンズラブっぽい流れで行けそうだし、盗賊と新たなる冒険の旅に出たって流れもいい。
大魔道士はアレはアレで変態だから、触手プレイとかいろいろハジケられるんじゃないか。ショタじじぃも手ほどきするんだかされるんだか……どっちでもおいしいか」
「だから、何、言ってるのよ」
「逆ハーだろ? アンタが黒歴史紡ぎまくってたころには、そんな言葉も無かっただろうけど。
逆ハーとかチートとか、ほにゃららデレとか。サーバーはアンタのために……、アンタが幸せになるために……」
「……サクヤ?」
リナの肩にサクヤの重みがのし掛かる。
「……疲れた。眠るから、側に……」
「サクヤ! 起きて!」
「アンタは、ここにいて……ここに」
どんどん力の抜けていくサクヤと、もつれ合うようにして即席のベッドに倒れ込む。
「サクヤ……」
サクヤは目を閉じていて、気絶するように眠り込んでいた。
彼の腕はリナに巻き付いて、剥がせない。
「これから、どうしたらいいのか、サクヤが教えてくれるんじゃないの……?」
眠り込んだサクヤの顔には、確かに、疲労の影が濃かった。
リナはサクヤのポニーテールに手を伸ばし、結んでいるゴムを外してやる。
「……ながっ! ちょんまげもできそう」
紐ゴムをびょんびょん伸ばしながら、頬をつついたり、鼻を摘まんでみても、サクヤはすうすう寝息を立てている。
そうなると、リナも気が抜けて、眠気に襲われる。
(なくしたら、困るもんね)
長く黒い紐ゴムを、ぐるぐるサクヤの手首に巻いて、ついでに、自分の手首にも巻き付けて、リナも目を閉じた。
確かに数えていた気がするのに、とりとめもなくキスの記憶は散らばっていく。
集め損ねたビー玉のよう、きらきら、輝きでリナを眩惑する。
「ふっ……」
補給とサクヤが言うキスは、どんどん深まっていく。濡れた舌が二人の唇が繋がったところを、奇跡みたいに行き来する。
自分のものではない舌が、口の中で動くことに困惑しきりだったのに、リナはその柔らかで熱い感触を受け入れつつある。
「んっ……!」
上顎、口の中の天井をくすぐられて、リナは耳を忙しなく動かした。
(へん……っなの……。くすぐったい)
リナは顎を掴んだサクヤの指に爪を立てる。引きはがそうとした指は、頼りなく彼の手の甲をひっかいた。
「んっ……ん……ん……」
サクヤの指の力は強く、しっかりとリナの顎をとらえている。なのに、痛みはちっともない。
その代わり、彼の舌はリナの口の中をくすぐってばかりいる。
「んぅっ……!」
そろ、と本当に微かに、触れられたか触れられてないかくらいの強さでくすぐられて、リナは頭からつま先まで、電流が走ったように感じた。
「リナ」
「サク……ヤぁ……」
やっと舌が出て行って、間近から二人は見つめ合う。リナの潤んだ若葉色の瞳と、漆黒のサクヤの目が、星々が瞬くように、信号を送り合う。
「……ほ、補給なら、もういい、でしょ」
「……アンタを愛してるよ」
ちぐはぐな信号は、空に浮く星々が、本当は何千、何万光年と離れているのに似ている。
「そ、そういうのは、ずるい」
リナは真っ赤な顔で、サクヤの剥き出しの肩を押す。やはりびくともしない。
ポニーテールに凜々しく涼やかな顔立ち。切れ上がった眦は意志の強さそのまま。
脱げかかったシャツと、スカートにハイソックス。
(みっともない格好だって、言ってやれればいいのに)
「あんまり、あの……ドキドキさせないで」
リナが言うと、サクヤは神妙な顔になる。
「……ドキドキすんの? 何で」
「え、だって、あの、いきなり、ちゅ、ちゅちゅちゅちゅ、ちゅーしたりとか、あ、あ、あ、あ、あ、ああああ、あいし、てる、とか」
「気持ちわりぃとか、困るとかじゃなくて?」
「う? え、気持ち、わる、い?」
真っ赤な顔で耳を伏せたリナの顎には、サクヤの手が添えられたままだった。
彼は瞼を伏せて、顔を傾ける。目を閉じればプラネタリウムに座っているみたい。星空のただ中に放り出されて、天も地も無く。
今度のキスはすぐに離れていく。
「……気持ち、悪いか?」
サクヤにしては気遣うように、ぶっきらぼうな問いは甘い。
リナは耳を伏せきって、「ううん」と小さく呟いた。
「アンタがいない間……一日半か」
「そ、そんなに経ってたの!? だって、いいとこ半日も経ってないのに」
「ほんとは、片時だって、俺の側から離したくないんだ」
「……だ、だからっ、そ、そういうことは……あ、あたし、怒ってるんだから!」
「怒ってる?」
「サ、サクヤはあたしを守るって、言ったのに……あ、あたし、から離れちゃ、ダメなんだから……!」
リナの頬の赤さは耳にまで伝染していた。人間とは違う、感情を素直に表す瞳。色と言うだけで無く、リナの瞳は確かに彼女の心を表現していた。
本来、エルフは殆ど感情が揺らがない。耳をリナのように動かすことも、瞳の色を揺らめかせることもないのだ。
空や湖のように、美しくとも、ただその時にその色を纏うだけで。
「俺がいなくても……みんなが、いただろ。お前の大好物の設定山盛りのイケメンが――ひとりじゃなかっただろ」
「……うん、でも、サクヤがいないと……さびしいよ……サクヤが、いて欲しいよ。か、肝心な、恐い時に、いっつも、サクヤ、いないんだもん……」
星が瞬くのは、きっと誰かに伝えるためだ。星にひとりきり、取り残された誰かに、ここにいると伝えるため。
リナの手が、おずおずとサクヤの背中に回される。
サクヤはリナを抱き返す。彼女の髪をこすりつけるようにして、サクヤはリナの頬に、自分の頬を押し当てた。
「……あいつらが好きか?」
「好きだよ、みんないい人だもん。……パーシモンとルドルフはまだよくわかんないけど、悪い人じゃなさそうだし」
「そうか、ならいい」
近くにいて、星。
瞬きの間に消えないで。
「……サクヤは?」
「俺も、あいつらは悪くないと思ってるよ」
「そうじゃなくて、あたしが、サクヤを、好きとか、嫌いとか」
「……声、震わせて言うようなことか」
「……あたし……サクヤは、きらい」
「リナ」
「すぐ、嘘つくし、約束、守らないし……キス、するし。絶対、好きになってあげないんだから」
「嘘はついてないし、嫌いでもいい、リナ。アンタは誰を好きになってもいい。でも、俺はずっと誰よりも初めから、アンタを愛してる」
リナを強い視線で射貫くサクヤに文句を言ってやりたい。思いつく限りの罵詈雑言を浴びせかけ、殴る蹴るして、爪を立ててひっかいて、ぎゃふんと言わせてやりたい。
異世界から召喚されて、女子高生のなりをしている、口達者で、リナの黒歴史をあげつらって、意地悪で、いつも愛を語る言葉だけは熱烈な、名前のない星。
また唇が塞がれる。閉じた瞼の裏で、星が幾つも流れていく。
瞼を閉じた時に見えるただの残像だと言い切ることは難しい。こんな星ひとつにも、想像の翼をはためかせた。
リナはいつも、曖昧で心酔わせる夢を見ていた。
「……魔王と結ばれる、黒い花嫁っていうのもあるぞ」
「……何それ」
「竜騎士の花嫁、これが王道だな。騎士団長の嫁も、昨今のはやりに乗ってる感じがある。
神官も清らかなオーラ出しといて実はむっつりスケベでしたとかってティーンズラブっぽい流れで行けそうだし、盗賊と新たなる冒険の旅に出たって流れもいい。
大魔道士はアレはアレで変態だから、触手プレイとかいろいろハジケられるんじゃないか。ショタじじぃも手ほどきするんだかされるんだか……どっちでもおいしいか」
「だから、何、言ってるのよ」
「逆ハーだろ? アンタが黒歴史紡ぎまくってたころには、そんな言葉も無かっただろうけど。
逆ハーとかチートとか、ほにゃららデレとか。サーバーはアンタのために……、アンタが幸せになるために……」
「……サクヤ?」
リナの肩にサクヤの重みがのし掛かる。
「……疲れた。眠るから、側に……」
「サクヤ! 起きて!」
「アンタは、ここにいて……ここに」
どんどん力の抜けていくサクヤと、もつれ合うようにして即席のベッドに倒れ込む。
「サクヤ……」
サクヤは目を閉じていて、気絶するように眠り込んでいた。
彼の腕はリナに巻き付いて、剥がせない。
「これから、どうしたらいいのか、サクヤが教えてくれるんじゃないの……?」
眠り込んだサクヤの顔には、確かに、疲労の影が濃かった。
リナはサクヤのポニーテールに手を伸ばし、結んでいるゴムを外してやる。
「……ながっ! ちょんまげもできそう」
紐ゴムをびょんびょん伸ばしながら、頬をつついたり、鼻を摘まんでみても、サクヤはすうすう寝息を立てている。
そうなると、リナも気が抜けて、眠気に襲われる。
(なくしたら、困るもんね)
長く黒い紐ゴムを、ぐるぐるサクヤの手首に巻いて、ついでに、自分の手首にも巻き付けて、リナも目を閉じた。
0
お気に入りに追加
399
あなたにおすすめの小説
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
男女比が偏っている異世界に転移して逆ハーレムを築いた、その後の話
やなぎ怜
恋愛
花嫁探しのために異世界から集団で拉致されてきた少女たちのひとりであるユーリ。それがハルの妻である。色々あって学生結婚し、ハルより年上のユーリはすでに学園を卒業している。この世界は著しく男女比が偏っているから、ユーリには他にも夫がいる。ならば負けないようにストレートに好意を示すべきだが、スラム育ちで口が悪いハルは素直な感情表現を苦手としており、そのことをもどかしく思っていた。そんな中でも、妊娠適正年齢の始まりとして定められている二〇歳の誕生日――有り体に言ってしまえば「子作り解禁日」をユーリが迎える日は近づく。それとは別に、ユーリたち拉致被害者が元の世界に帰れるかもしれないという噂も立ち……。
順風満帆に見えた一家に、ささやかな波風が立つ二日間のお話。
※作品の性質上、露骨に性的な話題が出てきます。
【R-18】喪女ですが、魔王の息子×2の花嫁になるため異世界に召喚されました
indi子/金色魚々子
恋愛
――優しげな王子と強引な王子、世継ぎを残すために、今宵も二人の王子に淫らに愛されます。
逢坂美咲(おうさか みさき)は、恋愛経験が一切ないもてない女=喪女。
一人で過ごす事が決定しているクリスマスの夜、バイト先の本屋で万引き犯を追いかけている時に階段で足を滑らせて落ちていってしまう。
しかし、気が付いた時……美咲がいたのは、なんと異世界の魔王城!?
そこで、魔王の息子である二人の王子の『花嫁』として召喚されたと告げられて……?
元の世界に帰るためには、その二人の王子、ミハイルとアレクセイどちらかの子どもを産むことが交換条件に!
もてない女ミサキの、甘くとろける淫らな魔王城ライフ、無事?開幕!
【完結】R-18乙女ゲームの主人公に転生しましたが、のし上がるつもりはありません。
柊木ほしな
恋愛
『Maid・Rise・Love』
略して『MRL』
それは、ヒロインであるメイドが自身の体を武器にのし上がっていく、サクセスストーリー……ではなく、18禁乙女ゲームである。
かつて大好きだった『MRL』の世界へ転生してしまった愛梨。
薄々勘づいていたけれど、あのゲームの展開は真っ平ごめんなんですが!
普通のメイドとして働いてきたのに、何故かゲーム通りに王子の専属メイドに抜擢される始末。
このままじゃ、ゲーム通りのみだらな生活が始まってしまう……?
この先はまさか、成り上がる未来……?
「ちょっと待って!私は成り上がるつもりないから!」
ゲーム通り、専属メイド就任早々に王子に手を出されかけたルーナ。
処女喪失の危機を救ってくれたのは、前世で一番好きだった王子の侍従長、マクシミリアンだった。
「え、何この展開。まったくゲームと違ってきているんですけど!?」
果たして愛梨……もとい今はルーナの彼女に、平凡なメイド生活は訪れるのか……。
転生メイド×真面目な侍従長のラブコメディ。
※性行為がある話にはサブタイトルに*を付けております。未遂は予告無く入ります。
※基本は純愛です。
※この作品はムーンライトノベルズ様にも掲載しております。
※以前投稿していたものに、大幅加筆修正しております。
俺のスキル『性行為』がセクハラ扱いで追放されたけど、実は最強の魔王対策でした
宮富タマジ
ファンタジー
アレンのスキルはたった一つ、『性行為』。職業は『愛の剣士』で、勇者パーティの中で唯一の男性だった。
聖都ラヴィリス王国から新たな魔王討伐任務を受けたパーティは、女勇者イリスを中心に数々の魔物を倒してきたが、突如アレンのスキル名が原因で不穏な空気が漂い始める。
「アレン、あなたのスキル『性行為』について、少し話したいことがあるの」
イリスが深刻な顔で切り出した。イリスはラベンダー色の髪を少し掻き上げ、他の女性メンバーに視線を向ける。彼女たちは皆、少なからず戸惑った表情を浮かべていた。
「……どうしたんだ、イリス?」
アレンのスキル『性行為』は、女性の愛の力を取り込み、戦闘中の力として変えることができるものだった。
だがその名の通り、スキル発動には女性の『愛』、それもかなりの性的な刺激が必要で、アレンのスキルをフルに発揮するためには、女性たちとの特別な愛の共有が必要だった。
そんなアレンが周りから違和感を抱かれることは、本人も薄々感じてはいた。
「あなたのスキル、なんだか、少し不快感を覚えるようになってきたのよ」
女勇者イリスが口にした言葉に、アレンの眉がぴくりと動く。
異世界転生先で溺愛されてます!
目玉焼きはソース
恋愛
異世界転生した18歳のエマが転生先で色々なタイプのイケメンたちから溺愛される話。
・男性のみ美醜逆転した世界
・一妻多夫制
・一応R指定にしてます
⚠️一部、差別的表現・暴力的表現が入るかもしれません
タグは追加していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる