ヴィオレッタ302

Lampeetan

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その1

4限目「お前もよく喋るじゃないか」

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「ねぇ、天野くんこの街を見てどう思う?」
「ん?どうって、ごちゃごちゃしてて目が回る。
とにかく飲食店が多いな、それもジャンルが軒並み違う、回転寿司屋の隣には
中華料理屋があったり、またそのとなりにはネパール料理屋があったりするし、
地元民しか行かないようなアジアンマーケットもあるし、
なんというかカオスだ。」
まぁ屋台はおいしい物が多かったから、グルメ目的で行くのは良いかもな。
人混みを気にしなければ。

「ははは、確かに一見韓国人が多い街に見えがちだけど、
案外そうでもないんだよね。
それこそ、ネパール人や中国人、ベトナム人とかもこの街で暮らしていて、
耳をすませばいろいろな言語が聞こえてくるよね。」
ああ、日本なのだから日本語が聞こえてくるのは当たり前なのだが
確かに所々聞き慣れない言語が聞こえてくる。
多国籍文化を直に味わってる感じだ。
しかし、僕は国立とか程々な人工で、自然が豊かな街のほうが好きだ。
コーヒーがうまく飲めそうな街だ。

「俺がこの街を調査したいと思った理由は海外の人が自分らしく暮らせる、
懐の広さに惹かれたからなんだ。日本人からしたら異国の文化に触れられる
貴重な場所だとは思わないかい?」
「・・・お前もよく喋るじゃないか。」
「なにか言った?」
「別に・・・」
如月が新大久保を調査したい理由はわかった。
だが、こいつについてはいまいち掴めない性格をしているようだ。
第一印象はチャラい直進的な性格かと思ったが、内面が複雑?というより
達観した考え方を持っている気がする。
こいつの事を知れば知るほど分からなくなってきそうだ。

「ねぇ、天野くん今度は甘いものでも食べない?
生クリームと果物をワッフルで挟んだ、
クレープみたいな食べ物があるらしいんだ。はやく行こうよ!」
「はいはい、僕はコーヒーが飲みたいよ。」
「じゃあ、食べたらカフェにも行こう!俺はパフェが食べたい!」
「はいはい」
まるで子供だな。本当は単純なやつなのか、益々わからん。

その後、二人で帰宅した後レポートをまとめた。
変わった街を調査したということで印象的だったんだろうか。
教授の目に止まり褒められた。嬉しいような複雑なような。
まぁ、もうあいつと絡むことはもうないだろうな。
そんな事を思っていた時期が僕にもありました。今日の天気は雪です。

ー新大久保編ー End
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