上 下
1 / 22

プロローグ

しおりを挟む
あ~糞!疲れたな……また。サービス残業だよ!あのブラック会社訴えてやろうかな……

「あ~ヤバい仕事の事考えてたら、イライラして来てお腹が好いてきたな。仕方ない何時ものコンビニで、弁当を買って帰るか」

俺は残業で疲れた体を引きずりズリながら、コンビニを目指していた。そのコンビニは俺がいつも立ち寄る所で、若い男性のアルバイトが1人で深夜営業をしている。


さあ着いたけど何を買うかな。そうだなついでに明日の朝食のパンと、牛乳を入れてと……あとは今日の晩飯はハンバーグ弁当で良いか?これでいいな。さてレジで支払いして帰るか

「あ~りがっとぅしった~」

あの店員は何時もやる気なさげだな……分かるよ。だって、深夜1時過ぎてる。普通なら寝てる時間だしな。それに今時深夜で1人営業なんて、あそこもブラックだな。


く~ん く~ん

「ん?」

この鳴き声は犬だな!何処だ。こんな時に犬に会えるなんてラッキーだな。このイライラをモフモフで癒せるなんて。そう俺は犬塚剣いぬづかけん40才は。大の犬好きでモフモフ好きなのだ。そして今、俺は仕事の疲れも忘れて犬を探しているのだが、何処だ?こっちの方から聞こえたけどな……ん?あの街灯の下に何か動く物体が居るな?

く~ん く~ん

「あ、いた!見つけたぞ♪どれどれ……お前……痩せてるな。お前もまだ食べて無いのか。仕方ない。俺の弁当を分けてあげるぞ」

街灯の下で見つけた犬は、雑種で普通の柴犬程の大きさだった。

俺は買ったばかりの自分の弁当の白米と、付け合わせの煮物を弁当の蓋に乗せて、犬の前に置いたら。「ガツガツ」と勢い良く食べ始め、それを眺めていたら直ぐに食べ終わり。もっと欲しいと顔を向けてきた。

ワフ ワフ

「おいおい。まだ欲しいのか?こっちは俺の分だぞ?仕方ない無いな。取りあえず牛乳でも飲んで落ち着け」

弁当の蓋の裏が深いから、コレに入れればいいか。……おお凄い勢い追いで飲んでいくな、相当喉も渇いていたんだな。ほら、牛乳のおかわりだぞ……

「それにしてもお前は汚れているな……種類は雑種かぁ。……本当はアパートに連れて帰ってやりたいんだがペット禁止なんだよな。悪いな……その代わりこの弁当の残りもお前にやるよ」

俺は残りの弁当を犬に食べさせると、その間ひたすら犬をモフモフしたり耳を触ったり堪能してた。その時、俺の後ろから、居眠り運転のトラックが突っ込んで来た。それに気がついた犬が俺に吠えて教えたが。俺は既に眠さとモフモフの気持ち良さで、トリップ状態で気付かなかった。

ワンワン! ワンワン!

「ん~どう~したぁ?もうあとは……パンしかないぞ……」

犬は必死にぶつかる寸前まで吠えていたがその時!偶然に俺が寝ぼけて地面に倒れ込み。犬を押し出して犬をたすけたのであった。でも俺は自分がひかれた事も分からず死んでしまった。



『おーい?もしもし?これ起きんか!』

「う~ん」

『良し起きたな。それじゃあお主は今。死んでしまってこれから、天国に行くか地獄に行くかを、善悪の天秤で決めるからな、でわポチッとな♪…………お、お~ぅ?なんと!これは珍しい平等とは!普通の人間ならばどちらかに傾くはずなんじゃがな。さてどうするかな?……ほ~お主の死に方は、犬を助けて死んでしまったのか!それなら儂も犬が好きなのでな。犬を助けてくれたお礼に、異世界に転生させてやろうじゃないか!何に転生したい?好きなのでいいぞ?』

なんかさっきから五月蠅いな?また隣の夫婦が喧嘩でもしてるのか?あの旦那浮気してるからそれでもバレたのか?50過ぎなクセに、十代の女の子と腕を組んでホテルに入って行ったのを見たときは、驚いたよ……ん、何が好き?そんなの決まっているだろ?

「い……ぬ……」

『ん?いぬ……おおそうか犬か!分かったじゃあ犬だな。それとスキルは儂がサービスで付けてやろうじゃないか!本来ならLvアップして手に入れるが最初からじゃ、そうだなじゃあ、【身体強化】と【疾風】じゃ、【身体強化】はパッシブで【疾風は】アクティブじゃ』

「あ……あ」

『あとそれと、普通なら赤ちゃんからの転生なんだが。サービスで成人状態から、記憶も残した儘にしてやろう……じゃあ達者で暮らせよ。偶には様子を見ていてやろうじゃないか』


(ん?寒!)

クシュン!

『うわぁ寒……あれ今って夏だったよな?なんで寒いんだ?あれここ?外?』

俺は目を開けると、目の前には芝生が見えていた。

『芝生?あれ?確か昨日は残業で帰って来て。……そうだ犬だ!犬にモフモフしながら、飯食わせていて……からの、記憶がないな……まさかそのまま外で寝てたのか?とりあえず起きるか……あれ?なんだが地面が近いな、しかも四つん這い?ん、あれ立てないぞ?凄いふらつくな?」

なんだ?昨日酒は飲んで無いよな?なんだか足下がふらつくな……毛?ん、今足下を見たら毛が見えたんですけど、一晩でこんなに毛深くなったのか?イヤイヤそんな事は有り得ない!冷静に今の自分を確認してみよう………………うん、分かった。とりあえず今の俺は人間出はない。四足歩行のモフモフ系の動物だな、後ろを見たら立派な尻尾があった。毛の色は見える範囲はお腹の白以外は薄茶だな。なんでこんな事になっているんだ?

『これは夢なのか?それとも現実?さて、どう確かめるかな?』
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

捨てられ従魔とゆる暮らし

KUZUME
ファンタジー
旧題:捨てられ従魔の保護施設! 冒険者として、運送業者として、日々の生活に職業として溶け込む従魔術師。 けれど、世間では様々な理由で飼育しきれなくなった従魔を身勝手に放置していく問題に悩まされていた。 そんな時、従魔術師達の間である噂が流れる。 クリノリン王国、南の田舎地方──の、ルルビ村の東の外れ。 一風変わった造りの家には、とある変わった従魔術師が酔狂にも捨てられた従魔を引き取って暮らしているという。 ─魔物を飼うなら最後まで責任持て! ─正しい知識と計画性! ─うちは、便利屋じゃなぁぁぁい! 今日もルルビ村の東の外れの家では、とある従魔術師の叫びと多種多様な魔物達の鳴き声がぎゃあぎゃあと元気良く響き渡る。

僕とシロ

マネキネコ
ファンタジー
【完結済】僕とシロの異世界物語。 ボクはシロ。この世界の女神に誘われてフェンリルへと転生した犬のシロ。前回、ボクはやり遂げた。ご主人様を最後まで守り抜いたんだ。「ありがとう シロ。楽しかったよ。またどこかで……」ご主人様はそう言って旅立たっていかれた。その後はあっちこっちと旅して回ったけど、人と交われば恐れられたり うまく利用されたりと、もうコリゴリだった。そんなある日、聞こえてきたんだ、懐かしい感覚だった。ああ、ドキドキが止まらない。ワクワクしてどうにかなっちゃう。ホントにご主人様なの。『――シロおいで!』うん、待ってて今いくから…… ……異世界で再び出会った僕とシロ。楽しい冒険の始まりである………

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~

Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。 他作品の詳細はこちら: 『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】 『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】 『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜

霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……? 生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。 これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。 (小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)

天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生

西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。 彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。 精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。 晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。 死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。 「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」 晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。

家庭菜園物語

コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。 その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。 異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。 全力でお母さんと幸せを手に入れます ーーー カムイイムカです 今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします 少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^ 最後まで行かないシリーズですのでご了承ください 23話でおしまいになります

処理中です...