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ずっと 一緒だよ。

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「次は、結婚式だね。」

竜心を飲んで、2日目、昨日は新しくドレスを作ったり、父様や母様とこれからの事を話し合ったり、いきなり大きくなった姉にビビりまくって、泣き通しだったユーリの機嫌を取ったり、何だかとっても疲れる1日でした。

で、くたびれ果てた私は、夕食後、すぐに眠ってしまいました。
そして、今日、2日目は、今迄どうり、朝は勉強、昼食後は王様のお仕事のお手伝いをしたのですが、王様が今迄どうり、私を膝抱っこしようとするので、それを断るのに苦労しました。

このサイズの人間が、膝抱っこで仕事だなんて、絶対おかしいからね!
あと、王宮の皆さんが私を見るたび、ポカーンとしたり、見惚れて柱にぶつかったり、驚いたり、影から見学に来たり、まるで見世物のようで、ちょっと疲れます。
まぁ 飽きればそれも無くなるでしょう。

そして、夜、冒頭のセリフに戻ります。

すっかり大人になった私ですが、やっぱり夜、寝る時も王様と一緒です。
竜心を飲み、正式な【番】となった私は、もうすでに嫁同然、所謂、事実婚と言うやつです。
初夜はまだですよ。
そこは、結婚式が終わってからにしてほしいと、王様にお願いしました。
王様は、優しく微笑んで、

「あぁ ミラの思うようにすればいい。ミラに無理はさせたくない。」

そう言ってくれました。
で、初夜ですが、私なりに心の準備が必要ですから、けじめです。けじめ。

私が、竜心を飲んでからの王様は、とても落ち着いていて、余裕が、あります。
本当に安心しているみたいで、焦燥感が無くなって、何だか、肌や髪もツヤツヤ、キラキラして、とっても綺麗にみえます。

「次は、結婚式だね。」

「本当に良いのか?本来ならまだ5才の幼女だ、学園にも行きたかっただろうし、色々やりたい事もあっただろう?」

「今更だよ、王様。私は王様と幸せになりたくて、自分で望んで竜心を飲んだんだから、ちゃんとお嫁に貰ってくれないと困ります。幸せにしてくれるんでしょ?」

「あぁ、勿論だ。ミラを一生離さない。」

私を真っ直ぐ見つめて、真剣な表情で、そう言ってくれます。

「うん、離さないでね。で、王様、式はいつがいい?私はいつでもいいよ。式については、マーサや母様達がもう、色々考えてくれてるみたいだよ。」

「そうか、では、私も頑張って仕事を片付けて、スケジュールを開けないとな。早速カーシルに予定を組んでもらおう。」

「うん、楽しみだね。」

「あぁ、楽しみだ。」

「愛してるよ ミラ。」

「うん、王様、私も愛してる。」

その夜も、王様の腕に抱き締められて、王様の温もりに包まれて眠りにつきました。


◇ ◇ ◇


あれから1ヶ月。今日は待ちに待った、2人の結婚式です。

花嫁の控室の中、父様と母様とユーリが着飾った私をこれでもかと言う程褒めてくれます。
私ながら、本当に綺麗です。

前世、着れなかった真っ白なウェディングドレス。
裾を長く引いたウェディングヴェールは、3Μ程もあって、裾には白バラの刺繍がほどこされています。
髪は緩く巻いて、背中に長く流し、頭の上にはキラキラ輝くダイアモンドのティアラが乗っています。
白い花を色々集めてまとめられたブーケはマーサのお手製です。
花の白と、葉の緑のコントラストが美しく、とっても良い匂いがしています。

「ミラ、とっても綺麗だよ。まさかこんなに早く嫁に出すことになるなんて·····」

瞳をウルウルさせて父様が言いました。

「ミラ、幸せになってね。」

ニコニコと嬉しそうに母様が、私の頬をハンカチで押さえてくれました。
感動して、ちょっぴり泣いていたようです。

「時間でございます。」

教会の神官様に声をかけられ、父様のエスコートで式場に向います。

正面の扉が大きく開かれ、祭壇の前で待っている王様が見えました。
私と揃いの白いスーツを身に纏い、キラキラした瞳で私を見つめています。
なんて素敵なんでしょう。

大勢のお客様の間を、王様に向かって歩いて行きます。
みんな、笑顔です。
2人で、神様に永遠の愛を誓います。
幸せな、幸せな結婚式でした。

神様、私を王様の元に転生させてくれてありがとうございます。
私を王様の【番】にしてくれて、ありがとうございます。
何だか、空の上で神様が笑っているような気がしました。


◇ ◇ ◇


「王様、今日はお疲れ様。」

「ミラこそ、お疲れ様。やっと2人きりになれた。」

そう言って、ふんわりと私を抱き寄せる王様に、私もそっと腕を回して、王様の胸に身を寄せました。

「ミラ、私と結婚してくれてありがとう。私の為に幼い身体に無理をさせてしまった·····」

そう言って、しょんぼりする王様。

あぁ、本当にこの人はなんて可愛い人なんだろう。

「王様、私が望んだ事だよ。私がずっと王様の側にいたいから、王様と2人で幸せになりたかったから、だから後悔なんてしてないし、今、本当に心から王様と一緒になれて、良かったって思ってる。私の気持ち、王様にもわかるでしょう?私、今、本当に幸せだよ。」

「あぁ、そう そうだな。ミラの心が喜びで溢れているのを感じるよ。ミラ、私の心は永遠にミラの物だ。私が心の底から幸せを感じている事が、ミラにもわかるだろう?」

「うん、私達、今、世界で一番幸せな2人だね。」

「ミラ···」


王様の瞳に熱がこもる。

私にそっと手を伸ばし、私の唇に王様の唇が重なった。

その日、私達は本当に1つになりました。


◇ ◇ ◇


ハッピーバースデー トゥユー
ハッピーバースデー トゥユー
ハッピーバースデー ディア ミラ
ハッピーバースデー トゥユー

前世のお誕生日ソングを皆が歌ってくれます。
今日は、私の6才の誕生日です。

確かに身体は立派な大人で、もう結婚もしている人妻ですが、まだまだ私は6才なのです。

結婚して3ヶ月、私と王様は新婚ホヤホヤのラブラブ夫婦なのです。
毎日、幸せで怖いくらいです。

あれから、王様もスッカリ落ち着いて、毎日幸せそうに、とろける笑顔を私に向けてくれます。

あぁ、尊い···
こんなに幸せでいいのでしょうか。

「ミラ、誕生日おめでとう。生まれて来てくれてありがとう。」

そう言って、王様が小さな箱を私に差し出しました。

「何?何?開けていい?」

「あぁ。」

リボンをはずし、包装紙を開けていきます。
小さな箱の中には、お揃いのペアリングが並んで入っていました。

「王様、これって·····」

「結婚指輪だ。結婚したらお揃いの指輪を2人の左手の薬指に嵌めるのだろう?ミラが欲しがっていたものだ。私は間違ってないか?」

涙が溢れる。前世、私の叶う事の無かった子供の頃の夢。
優しい旦那様と指輪を交換して、結婚して、素敵な家庭を築く事。
ゲスい社長夫婦のせいで、そんな夢を見ていた事も忘れていたけれど·····

「王様、ありがとう。本当に嬉しい。着けてもいい?」

「あぁ、ミラ、左手を···」

そう言って、私の左手を取り、薬指にシンプルな金の指輪を嵌めてくれる。
私も、王様の左手の薬指に、お揃いの指輪を嵌めてあげた。
パーティ会場にいた皆が、拍手してくれる。

「ありがとう、王様。とっても嬉しい。」

「これは、お守りでもあるんだ。ミラの事をきっと守ってくれる。」

私はもう一度、自分の薬指に輝く、金の指輪を見つめました。
嬉しくてたまらない。
私は生涯、この6才の誕生日を忘れないだろう。

2人の心の中が、幸せで溢れてる。
会場中の皆の顔も笑顔で溢れてる。
王様の心が、手に取るようにわかる。

これからも、ずっと一緒だね。
王様もきっと今、私と同じ気持ちだね。

ずっと、ずっと 愛してます。

シェロン様。








✢✢✢✢✢✢✢✢✢

ここまで、お付き合いいただきありがとうございます。
一応、ここで本編、完結となります。

このあとは、時々、番外編を書いていけたらいいなと、思っています。

時々、覗いていただけたら嬉しいです。


ありがとうございました。
(⁠ ⁠ꈍ⁠ᴗ⁠ꈍ⁠)
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