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前世持ち

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私の名前はミラ-スミス 5才、転生者です。
王宮で、事務官として 経理の仕事をしている父、ロベルト-スミスと、王宮魔導師である母、ハンナ-スミス女伯爵との間に生まれた ごくごく普通の伯爵令嬢です。
淡い銀紫の髪は サラサラと背中の中程を覆い、アクアマリンの瞳はぱっちりとして、白い肌は白磁のようになめらかで、頬はほんのりピンク色、唇はぷっくりとしたサクランボ。
長ずれば「傾国の美女」となりそうな、とんでもない美少女です。

もう一度言いますが、私は転生者です。

前世は大企業の社長秘書で、バリバリのキャリアウーマンでした。
社長は、金も権力もある ナイスミドルで、とっても女性に人気のある方でした。
「英雄 色を好む」この言葉を自ら実践しているような人でした。
経営者としては とても立派な人だったかもしれませんが、女の私から見れば、夫としては 浮気ばっかりしている最低ヤローでした。
そして、ある日、私と社長の仲を疑う 社長の奥様に 後から包丁で刺されて、私は儚く世を去りました。
「私は、社長の愛人ではありません!」そう言って否定する事も、言い訳する事も出来ませんでした。
社長の本当のお相手は、同じ秘書課で働く同僚の 立花カレンさんでした。
「ついてない···」いや そんな言葉じゃ許せる訳がありません。
本当に思い出すと、今でもとっても悔しいです。
「私の人生を返せ!」そう叫びたいです。
とにかく 私は その時死んで、ミラ-スミスに生まれ変わりました。
まぁ、生まれ変わったのはいいとしましょう。
見た目美少女で、領地持ちで、けっこー資産家の貴族で、美形の優しい両親に甘やかされ、可愛い弟がいて、とても 恵まれていると思います。
でも どうして?なんで前世の記憶を持ったままなのでしょう?
この記憶のせいで、私はチョットした トラウマを抱えています。刃物が怖いし、社長の事があったせいで、男性不信で、男の人が、信用出来ません。
父様の事は もちろん大好きです。
気は弱いけど、とっても優しくていい人ですし、母様のお尻に敷かれているけれど、とっても母様を愛しています。
私達子供の事もとても大切にしてくれます。
家族の事を「僕の愛する宝物」そう言って、いつでも抱きしめてくれます。
世の中には そんな風に ちゃんとした愛情深い男の人もいるのだと、頭ではわかっているのですが、どうしても 気持ちが追いついて来ません。
いざ、自分の事になると、どうにも 穿った見方をしてしまいます。
神様 こんな恵まれた環境に転生させてくれたのは、嬉しいけれど、正直 前世の記憶なんて残さないでほしかったです···
だからと言うわけでは無いですが、私は身内以外には、とってもクールな対応をしています。
相手の言葉の裏を読んでしまうし、常に疑う事も忘れません。そのせいで 全く子供らしくないと、言われています。
母曰く、愛らしさを、お腹の中に忘れてきた 残念美少女だそうです。
そんな私が、先日 何故か 父様と行った王宮で、竜王様の【番】に、認定されてしまいました。
何故 こーなったのでしょう?
意味がわかりません。
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