私のかわいい婚約者【完結】

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1 婚約

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その日、モンステラ学園に衝撃が走った。

「エリオス様と成金娘が婚約ですって?!」

学園中が今朝から私、エリオス レイクウッド伯爵令息とカトリーヌ モルガン伯爵令嬢の婚約話で落ち着かない。

「でも、エリオス様は伯爵家の嫡男、成金娘もモルガン商会の跡取り娘のはずよ。まさかどちらかが後継を降りたと言うの?」

サファイアのような青い瞳を怒りに染めて少女が問う。
彼女はペトラ スカーリン侯爵令嬢。
一年の時から、私エリオス レイクウッドに一目惚れし、ずっと妻の座を狙っている。

侯爵である父に「エリオス様と結婚させてほしい。」と強請るも 家格が釣り合わない。
レイクウッド家が超の付く貧乏領地である為、家同士を結ぶメリットが無い。
スカーリン家は兄が継ぐ事が決まっているので、婿にも来てもらえないと、侯爵に相手にしてもらえず、それでも諦められずに、ならば せめて恋人になりたいと、ずっと私の隣を狙っていた。


「それが…エリオス様がモルガン家に婿入りするそうです。」

ペトラの気持ちを知っている取り巻き令嬢 ララ グレン伯爵令嬢は言いにくそうにペトラに報告した。
ペトラの顔はみるみるうちに怒りで真っ赤に染まり、まるで鬼の形相である。 

「な…なんですって!?あの成金娘まさかエリオス様のご実家の窮状を知ってエリオス様をお金で買ったの?」

「そのようです…」

もう一人の取り巻き令嬢クレア ウィンガム伯爵令嬢は声を振るわせながら小さく答えた。

取り巻き令嬢の二人はプルプルと子犬のように振るえながら身を寄せ合い ペトラの様子を覗っていた。

「まさか…信じられない…エリオス様はこの婚約に納得していらっしゃるの?」

「そこまではまだ…私達には何とも…」

もはや 般若のようになったペトラに寒気がする二人。
白くなるほど手を握りしめ、今にも倒れそうだ。

「エリオス様に会わなければ…行きますわよ!」

「「はい!」」

ずんずん進んで行くペトラの後をヨロヨロしながら二人は付いて行った。


その日学園中に広がった エリオス レイクウッドと カトリーヌ モルガンの婚約のニュースは学園生達を騒然とさせ、色々な憶測や悪意のある噂が一気に広がっていったのだ。


✢✢✢


ここは、モンステラ王国にあるモンステラ貴族学園だ。

モンステラ貴族学園は 貴族の令息、令嬢が15歳のデビューの年に入学する王国貴族の為の学園で、国の地理、歴史、政治、経済や、貴族としてのマナー、社交、そして将来、家を継ぐものは、領地経営や跡取りとなる為の勉強を、そして、家を継ぐ事の無い令息、令嬢が身を立てる為の侍女コースや騎士、文官コースなどの専門的な勉強をする場である。

貴族の子供は学園に入るまでに基本的な学習を家で学ぶ。
デビューの年に入学するのは、社交力を身につけ、交流の幅を広げ、家同士を繋ぐ為の出会いを求める場でもあるからだ。

一年の時は、家での学習練度を見るための基礎学習。
2~3年でコースに別れて専門的な学習をする事になっている。
クラスは高位貴族クラス(ここには王族も含まれる)下位貴族クラスそして、平民でありながら、魔力が高く将来有望な者が入る特別クラスがある。

私も、カトリーヌも伯爵家以上が入る高位貴族クラスで、文官コースを選択している。

今、学園中の噂の的である私 エリオス レイクウッド(16歳)は、モンステラ王国の辺境のすみっこにあるレイクウッド領の超貧乏伯爵家の嫡男で、自分で言うのもおこがましいが、赤味がかった銀髪に赤いルビーの瞳の美男子で、容姿端麗、成績優秀、品行方正と三拍子揃った優良物件と言われても良い程の男だが、残念ながら超の付く貧乏で、没落寸前、ギリギリ崖っぷちの伯爵家である。その為、一夜限りの恋人や愛人にしたいという令嬢や夫人は星の数程いたが、苦労しか無いとわかっている貧乏伯爵家に嫁に来たいと言う強者は一人もいなかった。

それに私は、遊びで女性と付き合うつもりは無い。付き合うなら、結婚を視野に入れたお付き合いをしたい。

そんな私に、この度めでたくも、婚約者が出来たのだ。

彼女の名前はカトリーヌ モルガン(16歳)
カトリーヌはモンステラ王国一の商会の一人娘で、腰まである少しウェーブのかかったはちみつ色の金髪にアクアマリンのような透明感のある水色の瞳、白い肌は真珠のように身体の内側から光り輝いている。

身長は私の胸元くらいで、上から見るそのつむじまで可愛らしい。

エスコートの時 抱き寄せた肩は華奢で腰は折れそうな程細い。なのに、胸元は程良いボリュームがあり、私をドキドキさせる。

そして、庇護欲をそそる その見た目に合わないしっかりもので、さすが大商会の跡取り娘と思わせる力強い意志を その瞳に秘めていた。

知識が豊富で話していて楽しい女の子だった。

彼女は去年まで子爵令嬢だった為、下位クラスだったのだが、去年隣国から戦争を仕掛けられた時、彼女の父が国に多大な貢献(寄付金)をしたとして、今年伯爵に昇爵された為、今年から同じクラスで勉強する事になったのだ。

大商会の跡取り娘と言う事で、元より噂に事欠かない彼女だが、下位クラスからの編入、そして私との婚約と、更に注目される事となり、ずいぶんと悪意のある噂が学園中をかけめぐっていた。


✢✢✢


婚約発表した次の日、私はカトリーヌ嬢を校門まで迎えに出ていた。

婚約者として、彼女を大切にしたいと思っている私は、馬車でタウンハウスから登校してくる彼女を校門前の馬車止めまで迎えに出ていた。

我が伯爵家は王都にタウンハウスを持っていないので、私は学生寮に入っている。
一緒に登校する事が出来ないので、せめて学園内で彼女をエスコートしたいと思ったのだ。

彼女は喜んでくれるだろうか?
ドキドキしながら彼女の馬車を待つ。
程なくして、モルガン家の馬車がやって来た。

フットマンを制して、馬車の扉を開け、彼女に「おはよう カトリーヌ嬢」と声をかけ、彼女に手を差し出した。

「エリオス様?お…おはようございます。」

私が待っていた事に少し驚いた顔をして、その顔がみるみるうちに赤く染まる。
恥ずかしそうに私の手を取り「ありがとうございます」そう言って馬車を降りる。

「あの…迎えに来ていただけるなんて思いませんでした。ありがとうございます。」

私の顔を見て真っ赤になってそう言ってくれる。(なんて可愛い…)

「行きましょうか。お手をどうぞカトリーヌ嬢」

にっこり笑って彼女と腕を組む。
周りの視線が少しうるさいが、二人並んで教室へ向かう。

まぁ婚約発表初日だし、こんなものだろう。

彼女の席へエスコートし、「それじゃあ又後で。」彼女の耳元で囁いて、自分の席へ向かう。
席が遠いのが辛い。
隣なら良かったのに…


✢✢✢


午前の授業を終えて、カトリーヌと共に食堂へ向かう。

教室を出て しばらく行った所で突然後ろから声をかけられた。

「エリオス様!婚約されたと言うのは本当ですの!!」

出た!ペトラ スカーリン!
来ると思ったよ…
不快な顔を見せないように嘘臭い笑顔を貼り付けて彼女に振り返る。

ペトラ スカーリン侯爵令嬢は その青い瞳に怒りを滲ませて、いつものように取り巻き令嬢二人を後ろに付けて、私に向かって突撃してきた。

「こんにちは、スカーリン侯爵令嬢様。ええ、本当です。紹介します。」

そう言いながらカトリーヌに視線をやり、ニコニコ最高の笑顔で彼女を見つめ、カトリーヌの肩を抱き寄せて、スカーリン侯爵令嬢にカトリーヌを紹介する。

「こちらが私の婚約者カトリーヌ モルガン伯爵令嬢です。」

スカーリン侯爵令嬢のこめかみがピクリとするのを目の端に見とめて、私はカトリーヌに振り向く。

「カトリーヌ、こちらはペトラ スカーリン侯爵令嬢様です。私の婚約の噂を確かめにいらしたようです。」

わざと 馴れ馴れしくカトリーヌと呼び捨てにして、スカーリン侯爵令嬢に私達の仲を見せつけるように更にカトリーヌを引き寄せた。

「へっ?確かめにですか?」

困惑を顔に浮かべながらカトリーヌはスカーリン侯爵令嬢に向かってカーテシーをし、淑女の挨拶をする。

「初めてご挨拶をいたします。カトリーヌ モルガンと申します。この度、御縁あってエリオス様と婚約する事になりました。どうぞお見知りおきを。」

そんなカトリーヌにスカーリン侯爵令嬢はバサッと扇を広げ、口元を隠して「私は認めませんわ!」そう言った。

いや、あなたに認められる必要無いよね。
私はすぐにカトリーヌの肩を抱き寄せた。

まったく、これって お前とは口を聞きたくないって言う意思表示だよね、自分から突っ込んで来ておいて、礼儀知らずな奴だな…心の中でそう思いながらカトリーヌの肩に置いていた手を腰に回し彼女を抱き寄せ、スカーリン侯爵令嬢からカトリーヌを庇うように立つ。

挨拶を拒否されたカトリーヌはとても気不味そうだ。

「スカーリン侯爵令嬢様、お話がそれだけなら私達は失礼します。」

私はカトリーヌを連れてその場を引こうとしたが…

「お待ちになって!」

引き止められる。やっぱりしつこい!

「何でしょう?」

自分でも引くくらい低い声が出た。最早 私のスカーリン侯爵令嬢に対する態度は絶対0度だ。ヤバい…腹が立ちすぎて冷気が漏れそうだ。カトリーヌまで寒がらせてしまう…落ち着け私。

緊張感漂う中、のんびりした声がかかる。

「やぁ エリオス。その子が君の婚約者かい?」

振り向くと、オレンジに近い赤い髪を背に流し、金色の瞳を面白そうに輝かせてこの国の第二王子、アリステア殿下がこちらに向かっていた。


✢✢✢


「おはようございます。アリステア殿下。遅刻ですか?」

いつものように殿下に声をかける。

「もう昼なのにおはようは無いだろう?エリオス。いつもながら嫌味な奴だね。」

姿が見えなかったから今日はもう欠席かと思っていたが違っていたようだ。

「王宮で少し所用をこなしていたら遅くなってしまったんだよ。で?この子が君の婚約者カトリーヌ モルガン嬢でいいのかな?」

「はい、殿下。ご紹介いたします。私の大切な婚約者、カトリーヌ モルガン伯爵令嬢です。」

スカーリン侯爵令嬢を牽制するようにカトリーヌの手を取り、アリステア殿下に彼女を紹介する。

「初めてご挨拶させていただきます。この度 エリオス様の婚約者となりましたカトリーヌ モルガンでございます。どうぞよろしくお願いいたします。」

緊張して少しぎこちない様子で淑女の礼をするカトリーヌ。
去年まではクラスが違っていたし、新学年になってまだ1ヶ月、いくら同じクラスでもカトリーヌから王族に声をかけるなんて以ての外。

殿下もお忙しい方だから学園を欠席しがちな事もあり、初めての挨拶だったかもしれない。

カトリーヌの顔が少し青いような気がする。

スカーリン侯爵令嬢に絡まれて、更に王族に声をかけられ、今にも倒れそうだ。早くここから連れ出してやりたい。

キュッとカトリーヌの手を握って顔色を伺うと、大丈夫と言うように私の顔を見て口元を綻ばせキュッと手を握り返してくれる。(可愛い…)

「ふーん、エリオスにそんな顔をさせるなんて噂なんて当てにならないね。」

ニヤニヤと私をからかう様にこちらを見る殿下。そして、スンッと真顔になると、振り返ってスカーリン侯爵令嬢を見る。

「で?スカーリン嬢はここで何を?」

急に殿下に話をふられて慌てるスカーリン侯爵令嬢は「別に何でもありませんわ!私はこれで失礼します!」そう言って ツン!と顎を反らし、その場から離れて行った。

いやいやいや王子に対してその態度は無いだろう?礼儀知らずにも程がある。

殿下がふうーっと一つため息を付く。

「まったく、エリオス 君も大変だね。彼女には気をつけた方がいい。」

「わかっております殿下。助かりました ありがとうございます。」

「まぁ あのままじゃ又 学園が氷漬けになりそうだったしね。君の事を怒らせると大変だからね。モルガン嬢は知ってる?エリオスは去年スカーリン嬢に迫られて学園の中庭を氷漬けにしたんだよ。よっぽど嫌だったんだろうね。」

「えっ!?氷漬けですか?学園の中庭を?」

綺麗なアクアマリンの瞳を大きく見開いて、こちらを見上げるカトリーヌからそっと目を反らして軽く殿下を睨む。

「殿下、余計な事は言わないで下さい。カトリーヌ嬢がびっくりしています。」

「ハイハイ、わかってるよ。じゃあ又ね、モルガン嬢。今度二人で王宮にも遊びに来ると良い。」

「ありがとうございます!」

ヒラヒラ手を振りながら殿下も退場した。


✢✢✢


「カトリーヌ嬢 大丈夫?顔色が悪い。少し外の空気を吸いに行きましょうか。」

私は側にいた給仕に 飲み物と軽食を用意するように頼んで、カトリーヌの腰を抱くようにして庭のガゼボに向かった。

ガゼボに備えられているベンチに並んで座ってほーっと息を吐く。
テーブルに軽食とお茶の準備がされ、給仕が下がったのを確認して、カトリーヌが話し出す。

「わかっているつもりだったのですけれど、やっぱり高位貴族のクラスは凄いですね。私 王族の方と初めてお話しました。」

凄く緊張しました、そう言いながら もう一度 ふうーっと息を吐くカトリーヌ。

「まだ少し顔が青いですね。今日はもう帰りますか?」

「いえっ!そこまでは…少し休めば大丈夫ですから…」

「本当に?」(あー心配だ。)

「本当に 大丈夫ですから。」

「今日は朝から少しざわついていて 周りの視線がうるさくて不愉快だったでしょう?無理はしないで下さいね。」

「ありがとうございます。エリオス様。」

湯気を立てる紅茶を一口飲んで吐息をもらすカトリーヌ。

「私も エリオス様との婚約が まさかこんなに大騒ぎになるなんて思っていませんでした。なんだか物凄く噂になっていますよね。」

二人共 全く落ち着きのない学園の様子にとても戸惑っていた。

「そのようですね。でもカトリーヌ嬢が気にすることはありません。私達の婚約は陛下にも認められた正式な物ですから、誰にも文句は言わせません。」

私はキッパリと宣言する。

「それに私達がいつも一緒に仲睦まじくいれば、こんな噂もすぐにおさまりますよ。」

私はにっこり笑ってカトリーヌと二人お茶を飲み、軽食でお腹を満たした。

「そろそろ行きましょうか。」

そうして、彼女の手を取り、教室まで並んで歩く。
すれ違う人達の視線を無視して、私達は仲良く同じ教室に入った。

私達の姿を見たクラスメート達は一斉にピタリと会話を止める。
シーンと静まり返った教室内を一瞥し、カトリーヌを席にエスコートした。

「又、後で」

彼女の耳元でそう囁いて自分の席に座った。ホントに席が遠いのが辛い。
教室内ではヒソヒソと囁く声が聞こえ、ざわめきが戻って来る。


✢✢✢


授業が始まり、一旦その場は落ち着いたが、授業の終了と同時にまたしても ペトラ スカーリン侯爵令嬢がやって来た。

彼女には1年の時からストーカーされている。はっきり言ってメチャクチャ迷惑だが、彼女の方が身分が上なので、無下にもできない。(貴族ルール最悪だよ)

うちが貧乏すぎるので侯爵家から正式な結婚の打診は無いが、恋人にしてほしいと 
この1年ずっと迫られている。

私にその気は無いので 変な誤解を産まないようにずっと気を付けてきた。彼女より身分の低い私の為にアリステア殿下や、幼馴染の辺境伯令息のユリシーズに助けて貰う事もしばしば…

それなのに最近では、もう、すっかりストーカーになっている。正直ウザイ。
この しつこさは一体何なんだ。

この1年で何度断って来たことか、この女の事だ、カトリーヌに何をするかわからない。私がよくよく気を付けないと。

こちらに突撃してきたスカーリン侯爵令嬢の第一声は「エリオス様は納得していらっしゃいますの?!」だった。

「私達の婚約の事でしたらもちろん納得していますよ。むしろ私が彼女に想いを寄せているのです。婿入りしてでも彼女の側にいたいと そう思いましたので、逆に私から彼女に求婚いたしました。」

他の学生達がいる前ではっきりとそう言った。
教室がざわつく。
「キャア!」「ステキ…」「羨ましい。」
小さな声が私の耳にも聞こえてくる。
これだけはっきり言ったんだ、さすがに もう 諦めてほしい。

「私は認めませんわ!!」

顔を怒りで真っ赤にして、叫ぶように喚くスカーリン侯爵令嬢。

「あなたの了承は必要ありませんよ。」

私は絶対0度の冷めた顔でそう告げる。

「こんなに私が…あなたを…」

それ以上 彼女が言葉を紡ぐことは無かった。

「ペトラ様 ここは教室です。これ以上は…」

「さぁ 参りましょう…」

後ろから取り巻きの二人がスカーリン侯爵令嬢をなだめ、教室から連れ出した。

あの様子では まだ私の事を諦める気は無さそうだ。
カトリーヌの事は私がしっかり守らないと…

先程 殿下に言われた事を頭に刻んで、私は 教室の隅で私とスカーリン侯爵令嬢のやり取りを心配そうに見つめていたカトリーヌに向かって手を差し出し、

「帰りましょうか、馬車まで送らせて下さい。」

そう言って、カトリーヌの手を取った。





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