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「第十話 桃子覚醒 ~怨念の呪縛~ 」

20章

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 「スペシャルゲストの登場ォ~♪ 桃子センセイが悪に負けて跪くトコをォ~、おこちゃまたちにた~っぷり見せてあげないとねェ~」

 縄で縛られた2人のこどもを連れてきた神崎ちゆりが、ケタケタと笑いながらレクレーション室に入ってくる。

 「守るべき子供たちの前で死んでくなんて、ウサギちゃんカワイそう~~♪ でもォ、墓場が大好きなバイト先でよかったじゃなァ~~い!」

 エスパー少女拷問の地に選ばれたのは、桃子が地獄に落ちたあの「たけのこ園」の一室であった。
 防音設備がきちんと整っているレクレーション室では、どんな悲鳴を叫ぼうが外部にまで洩れることはまずない。またサクラvsメフェレス&ジュバクとの闘いによって、付近の住民は退避している。久慈家の所有地を探す守護少女たちも、まさかバイト先などに桃子が拘束されているなど想像もするまい。
 そしてなによりも、将来を夢見て甘美な想いを馳せた場所だからこそ、哀れな女子高生戦士を絶望の果てに処刑するには最適と、怨念に狂った悪鬼は考えたのだ。

 「ククク・・・お前たちファントムガールは、身も心も踏み潰さねば気が晴れんのだ。桃子、貴様には最も酷い最期を用意してやる。守るべきこどもたちの前で、正義の敗北を叫びながら死んでいけ。ゴミのように踏み潰される、惨めな姿を見せつけてな」

 ブルブルと震える怯えきった幼児の瞳が2対、美しく優しい桃子先生が鎖で吊るされたショッキングなシーンに見入る。障害を抱えた幼い子供にも、痣と火傷で覆われた肉体はハッキリと緊急事態を告げる。繊細で多感な心がガラガラと崩れていくのが、外部から見てもわかる。

 なんて、なんてヒドいことをッッ!!!―――

 記憶障害を持つリョウタと自閉症のアイコ。まだ小学校にあがる前の彼らは、同じ年頃の少年少女にも増してナイーブな心の持ち主だ。その子供たちに信頼する先生の無惨な姿を見せればどうなってしまうのか――
 しかもこのうえ、目的のためなら手段を選ばぬ堕ちた悪魔は、桃子を屈服させたうえで、惨殺するつもりなのだ。正義が悪に許しを請いながら殺されていく・・・そんなものを幼き子らに見せるわけにはいかない!

 "あたしはもォ・・・助からないかもしんない・・・・・・でもォ・・・リョウタくんとアイちゃんに、あたしが悪に屈する姿を見せるわけには・・・ゼッタイいかない!"

 哀願の言葉を叫びかけた朱鷺色の唇を、白い歯がギュッと強く噛み締める。
 桃子の瞳に、炎が燃え上がっていた。
 真実を見詰めるような深い黒を湛えた魅惑の瞳が、真っ直ぐに悪鬼を射抜く。卑劣な男への怒りが、屈しかけた美戦士に再び闘志を与えていた。

 「ぎッッ・・・うううッッ――ッッ・・・ぐ・・・ま、負けないッッ・・・!!」

 「はあ? なんだと?!」

 「ゆッ、許さないんッ・・・だからァァッ―ッッ!! お前たちだけはァッ・・・ゼッタイにィィッッ―――ッッ!!!」

 「クク、これは大したもんだ。先程まで喚いていたくせに、まだ歯向かえるとはな。それでこそ、嬲り甲斐があるというものだ」

 屈しかけた心に、再び闘志を燃やすエスパー天使。だが久慈の狙いは無限の闘争心を桃子から引き出すことにあった。
 "普通の女子高生"を処刑したところで、なんのカタルシスが得られるものか。「正義の戦士」を地に這わせてこそ、尊大なエクスタシーは生まれる。守るべき子供たちの目の前で、微塵に粉砕して絶望に叩き落す。そうしてこそ、久慈の屈辱は晴れるはずであった。
 絶対に負けたくない、負けるわけにはいかない・・・そう思っている光の女神を屈服させ、惨殺することで、真の勝利を手に入れられるのだ。

 「フフ、まだそんな眼ができるとはな。だが果たしていつまで我慢できるかな? どうせ貴様はここで死ぬのだ。意地を張らずに素直に服従するのが利口だぞ」

 グイグイと電極を押し付けてくる悪鬼。小さな肢体が小刻みに震え、Tシャツが汗で透けていく。苦痛は明らかなのに、グッと赤い唇を噛み締めた美少女は、洩れようとする悲鳴を懸命に堪えて押し留めている。

 "ご、ごめんね、里美さん・・・あたし、たぶんここまでだよ・・・最期まで戦士にはなれなかったね・・・でもォ・・・せめて、この子たちだけは・・・・・・"

 鎖で吊るされた無様な姿勢のまま、桃子は食い入るように見詰めるふたりの子供たちに、まるで拷問する久慈の姿などないように優しい瞳を向けた。

 「大丈夫、だよ・・・リョウタくん、アイちゃん・・・桃子先生は、ゼンッゼン平気なんだからね・・・心配しなくても、いいんだよ・・・」

 電流放射で内臓を焼かれながら、囚われの天使はニコリと微笑んでみせた。
 それはまるで、春風舞う散歩道での会釈のごとく。

 「こいつ・・・」

 子供たちの背後で拘束したままの神崎ちゆりが、マスカラの濃い瞳に翳を宿して細める。
 崩壊寸前の肉体に電流刑は限りなく辛いはずなのに。壮絶な苦痛に悶え狂ってしまいそうなのに。
 それでも悪をせせら笑うかのようなこの女の精神力はなんなのか!

 「そのへらず口、どこまで叩けるものか?!」

 充血した眼を吊りあがらせた久慈が、桃子の背後からその右胸を電極で挟み込む。服が破れたそこは、メフェレストドメの一撃を食らった箇所。火傷も痛々しい女性の急所に、高圧電流が集中して流される。

 「きゃああああああッッッ―――ッッッ?!!!」

 「乳房が弾ける感覚はどうだッ、桃子ッ?! さあ、教え子の前で泣き叫んでみせろッ!」

 超能力を除けば普通と変わらない女子高生。5人の守護天使のうちで、もっとも耐久力も戦士としての素養も劣る少女。
 苛烈な拷問を耐え切る心も体も持たないはずのエスパー少女は、それでも泣きそうになる子供たちに、変わらぬ笑顔を見せ続けた。

 「だッ、大丈夫ッ・・・だってばァ・・・こ、こんなのッ!・・・なんともないんだッ・・・からァッ・・・ほら・・・平気、でしょォッ・・・!!」

 ボトボトと滴る汗が、卵型の輪郭をつたって顎から落ちる。
 平気、なはずはない。異常にビクビクと跳ねる肢体も、思わず放った絶叫も、数ヶ月前やってきた可愛らしい先生が、凄まじい苦しみに耐えていることを教えてくれる。幼く、そして障害を背負った子供たちにも、いや、だからこそ桃子の苦しみは悟られていた。それでも心やすらぐ笑顔が・・・陽だまりのような優しい笑顔が、恐怖のなかで子供たちに確かな安心を与えている。

 「くッ、忌々しいメスめッ・・・これでも笑っていられるかッ!」

 右胸から離れた電極が、今度は美神に造られた顔を挟む。
 見せつけるように・・・茶髪の上から両耳に押し当てられた円形の電極が、背後から桃子の美貌を真っ直ぐに固定する。柔らかな微笑を崩すことない美少女。震えながら見詰めるふたりの幼児。残酷なショーの予感に、子供たちを抱えて離さない闇豹のルージュが歪む。

 バチッ!! バチバチバチッッ!! バリバリィィッッ!!

 可憐と美麗を兼ね備えた美貌に、電磁の嵐が放射される。

 ビクッ! ビクビクビクッ!! ビクンビクンッッ!!

 緊縛の白い肢体が、許容を越す電撃に痙攣する。桃子の小さな身体が焼かれる衝撃に突っ張る。
 悲鳴をあげることすらできず、悶絶のダンスを踊り続ける無惨な美戦士。ゴボゴボと吐き出される白泡が、フローリングの床を汚していく。
 脳内で爆発する電撃と火花の嵐に、愛らしい少女が耐え切れるわけがなかった。顔に直接流される高圧電流、その衝撃と苦痛は胸や四肢に流されるものとは比べ物にならない。熱した火箸を耳から耳に通される煉獄。口腔内が破裂し、眼球の裏で火花が踊る・・・悪夢のような錯覚のなか、華麗なエスパー天使の意識は苦しみのなか、暗黒の底に飲み込まれていく。

 桃子への顔面電撃拷問は失神して尚数分に渡って続けられ、苦悶のダンスは意識を失ったあとでも止まることはなかった。吐き出す泡が枯れかけたとき、ようやく高笑いを響かせる悪魔は電極を美少女の両耳から離す。
 支えるもののなくなったアイドル少女の頭は、ゆっくりと前に倒れていった。汗か涙か鼻水か涎か・・・透明な雫がポタポタと桃子の足元に垂れ落ちる。

 「ハハハハハ、いいザマだ! くだらん意地を張るからこうなるのだ。ちゆりよ、メスブタの苦痛に歪む顔、しっかり堪能したか?」

 氷のように固まったふたりの幼児と同じく、闇豹の異名を持つコギャルの表情もまた硬直していた。裏世界に精通し、おおよその残酷な見物には慣れている悪女らしからぬ反応であった。引き攣ったようなその顔が、桃子が見せた表情の凄惨さを物語っている。神崎ちゆりが圧倒されるほどの苦悶の表情・・・エスパー少女がいかなる形相を刻んでいたか、窺い知れる。

 「・・・そうねェ~・・・すごいもの見ちゃったあ~・・・」

 「美少女と名高い桜宮桃子の苦悶の形相・・・整っているだけに、さぞ迫力があったことだろうな」

 恐らく桃子は・・・壮絶な苦痛に美貌を鬼のように歪ませ、あらゆる液体を垂らしながら発狂寸前の表情を子供たちに見せつけたことだろう。守りたいと願っている者に、泣き叫ぶ醜態を晒す屈辱、無念。無惨に引き裂かれたエスパー少女の感情を思うと、自然久慈の顔に残酷な笑みが浮かんでくる。

 「自分で見てみたらァ~。そいつ、今でも同じ顔してるよォ~」

 促されるままに、前方に回った久慈は虜囚のストレートを鷲掴んで顔を起こす。
 気絶し、濡れ光る桃子の顔には、聖母マリアのごとき微笑みが刻まれたままであった。

 「ぬうッッ!! このブタがァッ!!」

 握った拳で脱力した美戦士の頬を、悪の王は殴りつけていた。それは癇癪を起こした子供が、オモチャを放り投げる行為に似ていた。深いダメージを負って虚無に飲み込まれた少女の口から、深紅の飛沫が噴射される。
 顔に高圧電流を流される、残酷度極まる仕打ちを受けて尚、桃子の笑顔は一点も曇ることなく子供たちに向けられ続けていたのだ。ただ、子供たちを安心させたい一心で。「エデン」により耐久力が上がっているとはいえ、電撃拷問の苦痛は到底16歳の少女に耐えられるものではない。発狂してもなんらおかしくない苛烈な責めなのだ。それを桃子は、耐えるどころかついに失神するまで表情ひとつ崩さなかったのだ。
 根性などという言葉ではとても追いつかぬ、その凄まじき精神力。
 桜宮桃子が戦士と呼ぶにはあまりに甘すぎる精神構造の持ち主であることは、敵味方を問わず誰もが感じていることであった。肉体的にもそこらの女子高生よりやや上かどうかという少女は、他の聖少女たち以上に苦痛を感じているはずなのだ。どう考えても、桃子が拷問を耐え切れるとは思えない。

 だが、どうやらその認識は誤りであったことを、久慈は自覚し始めていた。
 幼少より過酷な訓練をこなしてきた、あの五十嵐里美であれど、顔面への電撃を受けて耐え抜くなどという神業ができただろうか。それをこのか弱きエスパー少女は、子供たちを安心させたい想いだけで耐えてみせたのだ。
 確かに反吐がでるほど甘い少女だが、その精神力は決して弱くはない。いや、それどころか思念の強さが求められる超能力を操る戦士は、ルックスからは思いも寄らぬ飛び抜けた精神力の持ち主であったのだ。

 「・・・そうか・・・どうあってもこのオレに歯向かうつもりか・・・」

 「まさかウサギちゃんがここまで耐えるなんてねェ~。ちり、お~どろいちゃったァ~♪」

 「黙れ、闇豹!」

 わざとらしくはしゃぐ派手なコギャルを、黒の衣装に身を包んだ男が一喝する。プレイボーイと評判のヤサ男の眼は、完全に血走っていた。

 「桃子を、いや、ファントムガール・サクラを本当の地獄に堕とすのは、これからだ」

 荒々しく茶髪を引きずり起こしながら、復讐鬼と化した悪魔は狂気に歪んだ眼光で、瞳を閉じたままの敗北の美天使を睨みつけた。
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