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「第十話 桃子覚醒 ~怨念の呪縛~ 」
11章
しおりを挟む「リョウタくんッ、大丈夫?!」
足元で呻く少年に、すかさず桃子の手は伸びていた。幼年部の担当を任されるようになった優しき少女にとって、リョウタは初めてできた生徒のひとりだった。記憶能力に障害を持つ少年は、3日前ようやく桃子の名前を覚えてくれたばかりなのだ。
木綿の布できつく縛られた猿轡をほどく。容赦ない拘束に、少女戦士の大きな瞳に涙が浮かんでくる。預かり養育が基本の『たけのこ園』で、母親の引き取りが遅いリョウタはいつも最後まで施設に残っていた。そこを久慈に狙われたのだろう。
「も、モモコせんせい・・・」
口への戒めを解かれた少年が、たどたどしく話す。そのつぶらな眼にみるみる涙が浮かんでくるのを見て、美少女の目蓋も再び熱くなってくる。
「さァ、もう平気だよ。先生が来たからね。先生が、守ってあげるから・・・」
小さな少年を胸に抱きしめようとした、その刹那であった。
背中を駆け登る、悪寒。
間一髪バックに飛び避けた桃子の鼻先を、銀色の刃が掠め過ぎる。一陣の風。風圧を首から顔にかけて受けながら、飛び下がった美戦士は3mの距離を空ける。態勢を立て直したエスパー少女の右頬に、思い出したかのようにスッと赤い線が走る。
全身に打撲を負ったはずの魔人・久慈仁紀が、何も無かったかのように立っていた。膨大な殺気を隠すことを忘れていなければ、今ごろ桃子の首は胴体から離れていたかもしれない。どっと噴き出した汗が、美少女の白い額を流れていく。ピンクに濡れる厚めの唇からは、無意識のうちにハアハアと荒い息が洩れる。
「あ、あれを食らって立つなんて・・・」
「モ、桃子ッッ、貴様ァァッ・・・どうあっても死にたいようだなァァッッッ~~ッ!!」
呪詛の台詞を吐き出す久慈を、揺るぎない瞳が迎え撃つ。もはや脅しは、数時間前まで普通の女子高生であった桃子には通用しない。戦士らしからぬ甘さも、期待はできない。
殺意に燃える悪鬼と、全力で立ち向かう守護天使。
明らかな正邪の決戦が、養育施設の一室で展開されている。
「なにも関係のない子供を巻き込むなんてッ・・・もう、許さないッ!! ヒトキッ、あんただけは、あたしがゼッタイに倒してみせるッッ!!」
「奢るなァァッッ、クソメスがああッッ!! 貴様は我が刃の露となって、このメフェレス様復活の礎となるのだァァッッ!!」
冷たく光る真剣を突き出し、正眼の構えを柳生殺人剣の後継者は取る。久慈にとって、もっとも得意な構え。対する小柄なアイドル美少女は、もちろんなにも持ってはいない。その距離3m、一歩踏み込めば十分届く射程圏内。誰がどう見ても、桃子の命は風前の灯に映る。
桜宮桃子、絶体絶命―――
だが、事実は違った。
"勝てる!"
チャンスの到来を知らせる昂ぶりが、イマドキ美少女の胸に去来する。
桃子を破壊する欲望と怒りが、久慈の脳裏から足元の少年の存在を消し去っていた。再び人質を利用されれば、もう先程のような奇襲は仕掛けられない。優しきエスパー天使は反撃の自由を失い、敵の軍門に下るしかなくなるのだ。しかし、冷静さを欠いた今の久慈は、絶好の切り札がすぐ近くにあることにまるで気付いていない。
ならば。人質のいない、純粋な闘いならば。
勝機は十分に、見た目は愛らしいアイドル少女にある。
なにしろ彼女はエスパーなのだから。久慈の神速の剣vs桃子の念動力。速さには絶対の自信を持つ久慈は気付いていない。自分が構えを取っている間に、美戦士のチカラは発動し、その見えない包囲網を悪鬼の周りに完成させつつあることを。
文字通り、網打ち漁で使うような網を、桃子は思念で久慈の周囲に作り上げていた。殺人剣の使い手が仕掛けた瞬間、サイコの網に引っ掛かり身動きは取れなくなる。桃子にとってもっとも恐れていた、刃がリョウタ少年に向かう事態を避けられた今、勝利の女神は美神の娘に微笑みつつある。
―――はずであった。
「おっと、そこまでにしてもらいましょうか、ミス藤村女学園・桜宮桃子くん」
あるはずのない第3の声が、レクレーション室に入ってくる。
戦慄、ではない、圧倒的不快感を催す粘った声。思わず振り返った美少女の大きな瞳に、忘れられない男の姿が飛び込んでくる。
頭の禿げあがった、小太りの中年男。
一見優しげにも見えるえびす顔の笑顔が、桃子には吐き気がするほど醜く見える。カッターシャツに綿のパンツ、どこにでもいそうな、くたびれたサラリーマンのオヤジ。だがその好色そうな顔を、桃子は忘れることができない。忘れられるはずがない。美しき少女を犯すことに悦びを得る、憎き変態教師の姿を。
「たッ・・・田所ッッ!!」
久慈とともに桃子の処女を散らし、陵辱の海に沈めた男・田所学は、悠然と正邪の死闘の場に足を踏み入れてきた。
麻縄で縛った、幼き少女を引き連れて。
「アイちゃんッッ?!」
「聞きましたよ、桃子くん。あなたはここで先生の真似事をしているらしいですね? この子達はあなたに初めてできた教え子というわけですか。フフフ、カワイイでしょう、自分の教え子というものは。この子達のためなら、自分がどうなっても構わない、と思うほどにね」
薄い唇を歪ませて、変態教師がヒュッヒュッと笑う。その丸いふたつの手は、ガクガクと震える5歳児にしては小さい幼女の肩を抱き寄せている。睨みつけるどこまでも深く澄んだ美少女の瞳が、あまりの怒りに血の色に染まっていく。
「アイちゃんに触らないでッ! その子は自閉症なのよ。あんたみたいな変態に触れられるのが、どれほど怖いのかわかってるの?!」
「ほお。この子は自閉症でしたか。道理でなかなか言うことを聞かないと思いました。素直に従えば、手荒なマネはせずにすんだのに」
「離してッ! アイちゃんからその汚い手を離してッ!」
「愚かですね、桜宮桃子くん。自分が置かれた立場が、まだ理解できていないようです」
衝撃と絶望が、同時にエスパー少女を叩きのめした。
田所に続けて室内に入ってきたのは、満面の笑みを浮かべた神崎ちゆりであった。
「あははははは! ようやく自分のバカっぷりに気付いたァ~、ウサギちゃん♪ ここがあんたの・・・反吐がでるほど甘ァ~いファントムガール・サクラの処刑場ってわけよォ~!」
「・・・・・・ちり・・・あたしを・・・騙したんだ・・・ね・・・・・・」
「ちゃんとタイマンでメフェレスと闘わせてあげたじゃなァ~い。もっともォ~、タイムオーバーになっちゃったけどォ~~♪」
「闇豹」の哄笑がケラケラと室内に響き渡る。
「さァ~て、まずはそこに正座してもらおうかァ~♪ ウサギちゃんの超能力はけっこう厄介だからねえェ。ちょっとでもおかしな動きしたらァ~~、お子ちゃまたちの首がスポーンって飛ぶよォ~~」
ギリ・・・白い歯を噛み締める音。
見えないサイコの網を、桃子は消去する。
もし久慈の周囲に包囲網が敷かれていたことがわかれば、即座にちゆりは子供たちの首を刎ねるだろう。闇世界の女帝は一切の躊躇をしない。近くにいた時期があったからこそ、桃子には「闇豹」の恐ろしさがわかる。
部屋の中央で立ち尽くしたエスパー戦士は、美貌を固く凍らせたままゆっくりと座り込む。己に迫る運命を、桃子は悟ってしまっているようだった。
「手間をかけやがる、メスブタが・・・貴様には勝ち目も、逃げ出すチャンスも皆無だ。ただ屠殺の瞬間を、恐怖に震えて待つがいい」
冷静さを取り戻した漆黒の刀鬼は、人質の少年を再びその足元に引き連れていた。正義の天使にとっては最悪のシナリオ。3人の強敵に、2人の人質。いかに超能力といえど万能ではない。絶望的な状況が、3匹の悪魔に囲まれて正座する、美しき戦士を押し潰していく。
"最初から・・・罠だったのね・・・"
単独で「闇豹」の根城に乗り込んでいったときから、桃子の悲劇は決まっていた。
3人の悪魔が罠を仕掛け手ぐすね引いて待っているなか、連れていかれた純粋な守護天使。エスパー戦士処刑の準備が整った舞台に、ひとり立たされた桃子に勝機はない。ただ悪魔たちの、残虐な牙が迫っていく・・・
「桃子・・・このオレに逆らった罪、たっぷりとその身体で償ってもらおうか」
ズブリ・・・
銀光を跳ね返す刀身の切っ先が、正座した少女の太腿に突き刺さる。
深さにして1cm。デニムのミニから伸びた生足に、深刻なダメージとなる一歩手前まで刀が埋まる。インクのような真っ赤な血が、あっという間に溢れて流れる。
「うッ・・・んくッ・・・・・・」
「痛いか? なら喚けッ、泣き叫んでみろッ!」
ビリッ・・・ビリビリビリ・・・・・・
剣先を埋めたまま、日本刀が縦に桃子の太腿を裂いていく。
皮膚と薄い筋肉を裂く、鋭い痛み。研ぎ澄ました熱さに、仰け反った少女の美貌が引き攣る。じっくりと健康な肌を切り裂かれていく痛み・・・確実に激痛が走ると予想させられたうえで斬られていくのは、恐怖とあいまって凄まじい苦痛を美戦士に与えていた。
「ううッッ!! うぐぐッ!! ・・・くうッッ~~ッッ!!」
「ククク、雪のような太腿が真っ赤になってしまったな。次は逆の足だ」
もうひとつの足にも、無惨な剣創が刻まれていく。正座するアイドル少女の両脚は、噴き出した鮮血で深紅に濡れ光っている。
灼熱の鉄棒を太腿に埋め込まれたような鋭痛。脳幹に飛び刺さる痛みの信号に、ビクビクと震える桃子の足を、久慈の土足が踏み躙る。食い縛った白い歯の間から洩れる苦鳴。見上げる怒りの瞳を愉快そうに眺めながら、黒い悪魔は柔らかな少女の太腿を踏み潰す。
「ぐううッッ、うぐうううッッッ~~~ッッッ!!」
「痛いか? 苦しいか? オレを裏切ったメスブタめ、もっと醜く泣き喚くがいい。この程度では許さんぞ」
「・・・・・・っちだ・・・」
「あァ?」
「許さないのは・・・こっちだよッ!」
激情も露わに美戦士が吼える。睨みながら。歯を食い縛って。
びっしょりと浮かんだ汗にストレートの茶髪がへばりついている。細い眉の間に刻まれた、苦悶の皺。確かに憔悴の影を見せながら、それでも桃子は不屈の姿勢を貫いている。
これが優しさを捨てられず、癒しの笑顔を振り撒くあの桜宮桃子なのか。芳醇な美しさも、薫る華やかさもそのままに、戦士として闘いをやめぬ少女がそこにはいた。
「立場もわきまえず・・・生意気な、メスブタがッ!!」
久慈が刀を鞘に戻す。一瞬、桃子の胸に広がる安堵。だがその緩みが間違いであったことを悟るには、わずかな時間も必要なかった。
鞘に収めた愛刀で、痩身の悪鬼は狂ったように座る美少女を打ち付ける。
残酷なまでの殴打の嵐。身体の前面も背面も、顔も背中も胸も、木製作りの鞘で殴り打つ。肉を打つ重い響きが、処刑の部屋を埋め尽くす。
「壊れろッ! 壊れてしまえッ! フハハハハハ!」
ベキッ! ドスッ! バキッ! ドボッ! バシッ!
一撃食らうだけで意識も肉体も吹っ飛んでしまいそうな暴打が、身悶える桃子の小さな肢体に間断なく叩き込まれる。
悲鳴すら、でてこなかった。大量の汗を流し、歯を食い縛って歪む美貌が、悪魔の一撃ごとに仰け反り、震える。鞘が柔らかな少女の肉にめり込むたびに、桃子の命が削り取られていくのがわかる。
5人のファントムガールのなかで、圧倒的に肉体的な強靭さで劣っているのが桃子だ。
里美やユリのように幼少の頃から鍛えたわけでもなく、七菜江のように天性のアスリートではなく、夕子のようにサイボーグの身体を持たない、ごく普通の少女。『エデン』に与えられた身体能力のアップだけでは、この暴虐を耐えるのは過酷にすぎる。
まさしく肉体を破壊される仕打ちに、美少女の意識は半ば吹き飛んでいる。壮絶な痛みに蹂躙され、ただピクピクと痙攣するしかない桃子。擦過の跡を全身に黒く残して、被虐の乙女は正座したままゆらゆらと前のめりに沈んでいく。
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