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臨時のお仕事
ストーリー51
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秘書課実践三日目も無事に終了した。そして私の秘書としての仕上がりにも進藤さんから合格を頂き、来週から2週間秘書として正式に任される事になった。
社長室を出て秘書課に戻る途中、高瀬さんが話しかけてきた。
「頑張ったね明日香ちゃん。来週から二週間よろしくね。何かあったらいつでも連絡してくれていいから」
「はい、ありがとうございます」
「でも土日も勉強会はするから、気を抜かないでね。あっ俺はまだ仕事が残っているから、鈴里さんと先に店に行っててくれる?」
「分かりました」
秘書課に戻り、私は仕事内容を復習しながら鈴里さんが戻ってくるのを待つ。
「お疲れ様」
しばらくすると鈴里さんが秘書課に戻ってきて声をかけてくれた。隣に座ると携帯を取り出し触り始める。
「鈴里さん、今日はもう仕事終わりですか?」
「えぇ」
「じゃあ一緒にお店に行きませんか?」
「そうね。それじゃあ行こうか」
帰る準備をして二人で会社を出た。
そして高瀬さんに言われたお店に着いた。なんでもお酒の種類が豊富な上に料理も絶品で高瀬さんのお気に入りの居酒屋さんらしい。
「先に入って飲み会始めちゃおうか」
私達は店内に入ってビールと適当に料理を注文する。先にビールがきたので二人で乾杯した。
「そういえばちゃんと名前教えてなかったね。改めまして『鈴里 真彩』28歳です。堅苦しいの苦手だから真彩でいいよ。私も明日香って呼ぶから」
真彩さんはにっこり微笑んで私を見る。何だか親しくなれそうで私は嬉しくなった。
「ごめん、遅くなった。えっと……」
仕事を終えた高瀬さんがようやくきた。早速ビールを注文し、テーブル席に向かい合って座っている私と真彩さんのどちらの隣に座ろうか悩んでいる。
「私が明日香の隣に移動しますから、どうぞ一人でこちらに座って下さい」
真彩さんはスッと立ち上がって私の横に座った。
「ありがとう。それよりもう名前で呼びあってんだ? 意気投合したんだね。あ、これ食べてもいい?」
「どうぞ」
高瀬さんはテーブルに並んだ料理を食べながらグイッとビールを飲む。
「しまった。もう飲んじゃったけど……お疲れ様」
半分くらいビールを飲んだ後に笑いながら乾杯をする。
「お疲れ様です課長、何だか仕事中とは随分雰囲気が違いますね」
真彩さんは仕事モードじゃない普段の高瀬さんを見て、少し驚いている様子だ。
「仕事が終わってまで課長でいたくないよ。仕事のイメージと違ってガッカリした?」
「いえ、全く」
「あはは。鈴里さんは本当に俺に興味ないよね」
ビールの入ったグラスが空になり、また三人分ビールを注文する。
「はい明日香ちゃんどうぞ」
高瀬さんの前にビールが置かれ、新しくきたビールを私の前に置く。そして真彩さんにも渡した。
「……課長も名前呼びなんですね。やっぱり付き合ってるんじゃないんですか?」
「明日香ちゃんと知り合いなのは認めるけど、残念ながら付き合ってないって。俺ね、明日香ちゃんに振られてるの」
高瀬さんはビールを飲みながら笑顔で話す。それを聞いた真彩さんは、本当なの? というような表情で私を見る。
「何か悪い事したみたい」
二人の視線を浴び、ビールをグイッと飲む。
「明日香ちゃん、俺みたいにイケてる男を振るんだから勿体ないよね~。そう思うでしょ? 鈴里さん」
「イケてるかはノーコメントですが……課長は明日香のタイプじゃなかったの?」
「いや……えっと、他に好きな人がいまして」
まさか恋バナになるとは思わず、私は恥ずかしくなってきた。
「そうそう、明日香ちゃんは俺を振って俺の親友と付き合い始めたんだ」
高瀬さんが嫌味たっぷりに真彩さんに話す。というか、何でそこまで詳しく話しちゃいますかね、この人は。
「明日香の彼氏ってどんな人?」
「どんなって、うーん……包容力があって、一緒にいると安心できて……私なんかには勿体ない完璧な人、かな。」
「へぇ、もしかして彼氏は年上?」
「そう、年上」
あれ? 進藤さんは年上だけど……そう言えば私、進藤さんと高瀬さんの年齢知らない。前に高瀬さんに聞いたような気がするけど教えてもらえなかったし。
「鈴里さんの彼氏はどんな人なの?」
多分、惚気話を聞きたくなかった高瀬さんは私の話を強制終了し、今度は真彩さんに質問する。
でも私も真彩さんの彼氏がどんな人か興味があるし、じぃっと真彩さんを見た。
「……別に普通の人ですけど」
「普通ねぇ……彼氏は年上?」
「えぇ……そうです」
高瀬さんの言い方が何だか意味深な感じに思えるのは気のせい?
そしてその後も話のネタは尽きず、楽しく盛り上がった。
「あっちょっとごめん」
高瀬さんはスマートフォンを取り出し席を外した。
「今日は久しぶりに楽しいと思える飲み会だわ」
「良かった。私も楽しいです。また飲みましょうね」
私は真彩さんと仲良くなれたのが嬉しかった。それにしても高瀬さんは場の盛り上げ方が上手い。今日、私達が楽しめたのも高瀬さんのおかげだ。
「何々? 何の話?」
高瀬さんが戻ってきた。
「今日は楽しいねって話してたんですよ」
「それは良かった。でも今日はそろそろ終了かな。もうすぐ彼氏のお迎えが来るから明日香ちゃん外で酔いをさましながら待とうか。鈴里さんはちょっとここで待っててくれる?」
「じゃあねマイさん、また月曜日」
真彩さんに手を振ると高瀬さんと外に出た。結構お酒を飲み、私にしては珍しく酔っていて凄く良い気分だ。
「大丈夫?明日香ちゃん」
「はぁい」
満面の笑顔で返事する。それを見た高瀬さんは何故か笑っていた。
「明日香ちゃん、迎えが来たよ」
見覚えのある車が私達の前で止まる。
「進藤さんの車だ」
私は車まで走って助手席からそっと中を確認する。やっぱり進藤さんだった。
「あはは、さぁ明日香ちゃん車に乗って」
高瀬さんは助手席を開け、私に乗るように促す。そしてそのまま進藤さんに話しかけた。
「悪いなケイスケ。明日香ちゃんに結構酒飲ませちゃったわ。じゃあね明日香ちゃん、また明日」
助手席のドアを閉めて外から手を振っている。私も手を振って、車は出発した。
社長室を出て秘書課に戻る途中、高瀬さんが話しかけてきた。
「頑張ったね明日香ちゃん。来週から二週間よろしくね。何かあったらいつでも連絡してくれていいから」
「はい、ありがとうございます」
「でも土日も勉強会はするから、気を抜かないでね。あっ俺はまだ仕事が残っているから、鈴里さんと先に店に行っててくれる?」
「分かりました」
秘書課に戻り、私は仕事内容を復習しながら鈴里さんが戻ってくるのを待つ。
「お疲れ様」
しばらくすると鈴里さんが秘書課に戻ってきて声をかけてくれた。隣に座ると携帯を取り出し触り始める。
「鈴里さん、今日はもう仕事終わりですか?」
「えぇ」
「じゃあ一緒にお店に行きませんか?」
「そうね。それじゃあ行こうか」
帰る準備をして二人で会社を出た。
そして高瀬さんに言われたお店に着いた。なんでもお酒の種類が豊富な上に料理も絶品で高瀬さんのお気に入りの居酒屋さんらしい。
「先に入って飲み会始めちゃおうか」
私達は店内に入ってビールと適当に料理を注文する。先にビールがきたので二人で乾杯した。
「そういえばちゃんと名前教えてなかったね。改めまして『鈴里 真彩』28歳です。堅苦しいの苦手だから真彩でいいよ。私も明日香って呼ぶから」
真彩さんはにっこり微笑んで私を見る。何だか親しくなれそうで私は嬉しくなった。
「ごめん、遅くなった。えっと……」
仕事を終えた高瀬さんがようやくきた。早速ビールを注文し、テーブル席に向かい合って座っている私と真彩さんのどちらの隣に座ろうか悩んでいる。
「私が明日香の隣に移動しますから、どうぞ一人でこちらに座って下さい」
真彩さんはスッと立ち上がって私の横に座った。
「ありがとう。それよりもう名前で呼びあってんだ? 意気投合したんだね。あ、これ食べてもいい?」
「どうぞ」
高瀬さんはテーブルに並んだ料理を食べながらグイッとビールを飲む。
「しまった。もう飲んじゃったけど……お疲れ様」
半分くらいビールを飲んだ後に笑いながら乾杯をする。
「お疲れ様です課長、何だか仕事中とは随分雰囲気が違いますね」
真彩さんは仕事モードじゃない普段の高瀬さんを見て、少し驚いている様子だ。
「仕事が終わってまで課長でいたくないよ。仕事のイメージと違ってガッカリした?」
「いえ、全く」
「あはは。鈴里さんは本当に俺に興味ないよね」
ビールの入ったグラスが空になり、また三人分ビールを注文する。
「はい明日香ちゃんどうぞ」
高瀬さんの前にビールが置かれ、新しくきたビールを私の前に置く。そして真彩さんにも渡した。
「……課長も名前呼びなんですね。やっぱり付き合ってるんじゃないんですか?」
「明日香ちゃんと知り合いなのは認めるけど、残念ながら付き合ってないって。俺ね、明日香ちゃんに振られてるの」
高瀬さんはビールを飲みながら笑顔で話す。それを聞いた真彩さんは、本当なの? というような表情で私を見る。
「何か悪い事したみたい」
二人の視線を浴び、ビールをグイッと飲む。
「明日香ちゃん、俺みたいにイケてる男を振るんだから勿体ないよね~。そう思うでしょ? 鈴里さん」
「イケてるかはノーコメントですが……課長は明日香のタイプじゃなかったの?」
「いや……えっと、他に好きな人がいまして」
まさか恋バナになるとは思わず、私は恥ずかしくなってきた。
「そうそう、明日香ちゃんは俺を振って俺の親友と付き合い始めたんだ」
高瀬さんが嫌味たっぷりに真彩さんに話す。というか、何でそこまで詳しく話しちゃいますかね、この人は。
「明日香の彼氏ってどんな人?」
「どんなって、うーん……包容力があって、一緒にいると安心できて……私なんかには勿体ない完璧な人、かな。」
「へぇ、もしかして彼氏は年上?」
「そう、年上」
あれ? 進藤さんは年上だけど……そう言えば私、進藤さんと高瀬さんの年齢知らない。前に高瀬さんに聞いたような気がするけど教えてもらえなかったし。
「鈴里さんの彼氏はどんな人なの?」
多分、惚気話を聞きたくなかった高瀬さんは私の話を強制終了し、今度は真彩さんに質問する。
でも私も真彩さんの彼氏がどんな人か興味があるし、じぃっと真彩さんを見た。
「……別に普通の人ですけど」
「普通ねぇ……彼氏は年上?」
「えぇ……そうです」
高瀬さんの言い方が何だか意味深な感じに思えるのは気のせい?
そしてその後も話のネタは尽きず、楽しく盛り上がった。
「あっちょっとごめん」
高瀬さんはスマートフォンを取り出し席を外した。
「今日は久しぶりに楽しいと思える飲み会だわ」
「良かった。私も楽しいです。また飲みましょうね」
私は真彩さんと仲良くなれたのが嬉しかった。それにしても高瀬さんは場の盛り上げ方が上手い。今日、私達が楽しめたのも高瀬さんのおかげだ。
「何々? 何の話?」
高瀬さんが戻ってきた。
「今日は楽しいねって話してたんですよ」
「それは良かった。でも今日はそろそろ終了かな。もうすぐ彼氏のお迎えが来るから明日香ちゃん外で酔いをさましながら待とうか。鈴里さんはちょっとここで待っててくれる?」
「じゃあねマイさん、また月曜日」
真彩さんに手を振ると高瀬さんと外に出た。結構お酒を飲み、私にしては珍しく酔っていて凄く良い気分だ。
「大丈夫?明日香ちゃん」
「はぁい」
満面の笑顔で返事する。それを見た高瀬さんは何故か笑っていた。
「明日香ちゃん、迎えが来たよ」
見覚えのある車が私達の前で止まる。
「進藤さんの車だ」
私は車まで走って助手席からそっと中を確認する。やっぱり進藤さんだった。
「あはは、さぁ明日香ちゃん車に乗って」
高瀬さんは助手席を開け、私に乗るように促す。そしてそのまま進藤さんに話しかけた。
「悪いなケイスケ。明日香ちゃんに結構酒飲ませちゃったわ。じゃあね明日香ちゃん、また明日」
助手席のドアを閉めて外から手を振っている。私も手を振って、車は出発した。
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