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少し前に戻ったのだと思えばいい。最後にもう一度言い聞かせ、預かっていた鍵でマンションの入り口のオートロックを解除する。
エレベーターに乗り、通い慣れた階のボタンを押したところで、浅海は鏡に映る自分を改めた。
あの夜に比べると顔の腫れはマシになっているものの、いかんせん三角巾が怪我の具合を大袈裟に見せている。
――まぁ、でも、しかたないか。
わかっていたことなのだから、明るい表情で振る舞うしか道はない。あの人だって、暗い顔なんて見たくはないだろうし。
そこまで考えたところで、浅海はいまさらなことに思い至った。
――っていうか、本当にいまさらだけど、一基さんがいる保証ってないよな……?
そもそもが不在がちという理由で鍵を預かっているのだ。在宅している確率のほうが低いだろう。
そんなあたりまえのことまで、頭から抜け落ちていたらしい。働きの鈍い頭に、浅海は溜息を吐いた。だが、来てしまったものはしかたがない。
不在だったら、帰ってくるまで待ってみようか、と思考を巡らせる。一度の機会で蹴りをつけたほうが、八瀬にとっての面倒も少ないだろうと考えたのだ。できるだけ、手間はかけさせたくないな、と思う。
部屋の前で、浅海は呼吸を整えた。チャイムに反応がないことを確認して、そっと鍵を差し込む。
当てが外れたようで残念な気持ちがある反面、どこかでほっと安堵する気持ちもあった。
会いたいだけで、実際に会う覚悟はできていなかったのかもしれない。そう思うと、本当にみっともない。
――でも、だから、一基さんがいなくてよかったんだろうな。
習慣で「お邪魔します」と口にして、脱いだ靴を揃える。そのまま廊下を進んだところで、浅海はふと違和感を覚えた。誰か、いる気がする。
「一基さん?」
呼びかけてみたものの、返事はなかった。
あの人に限ってそんなことはないと思うのだが、仕事かなにかで集中していて、チャイムに気づかなかったのだろうか。
不審を抱えながらも、人の気配を感じるリビングのドアを開ける。
「一基さ――」
もう一度呼びかけるつもりだった声が途切れ、持っていた荷物がばさりと音を立ててフローリングに落ちる。
拾うこともできずにいると、ソファーに座っていた八瀬がゆっくり振り返った。
「浅海くんは律儀だから、来ると思ってた」
いつもとなんら変わりのない静かな声だった。
その声に、身体のこわばりが解けていく。呼吸のやり方を思い出した喉が、せわしなく開いている気がした。けれど、空気が入ってこない。
「おいで」
こちらを見る優しい色の瞳も、手招く仕草も、すべていつもどおりだった。なにごともなかったかのような。だが、そうではない。
彼が立ち上げているパソコンの画面に映っているものが、なにもなかったことにしてくれない。
「……なに、見てるんですか」
ようやく発声できた問いかけは、みっともないほど震えていた。その浅海を見つめ、「大丈夫」と彼が言う。場違いなほどあっさりと。
「どこにも流出はさせてない」
「っ、見ないでください!」
「誰も見ないよ。俺たち以外は」
なにも繕えないまま、足を踏み出す。画面を閉じたい一心で伸ばした腕を掴まれ、浅海はびくりと身体を揺らした。だが、それでも彼は変わらなかった。穏やかな声が、宥めるような台詞を紡ぐ。
「誰も見ない」
「あなたが」
言葉に詰まったことを悟られまいと、一呼吸置いて浅海は言い直した。
「あなたに、……あなたに、見られたく、ない」
「そのお願いは聞いてあげられないな」
彼がどこか困ったようにほほえんだことがわかった。
「俺には見る義務がある」
権利、と彼は言わなかった。義務。義務というのは、なんなのだろう。自分が巻き込んだと思っているからだろうか。その責任があると言いたいのだろうか。
「一基、さん」
声が震える。彼の顔を見ることはできそうになかった。画面からは自分のものとは思えない声が響いている。けれど、それは、自分の声で。自分の。
「一基さん」
大きな掌が頬に触れる。また輪郭が震えたと自分でもわかった。この掌に触れられることが奇跡と思っていた夜が、ひどく遠い。
うつむいたままだった顔を、決して乱暴ではない指の力が持ち上げる。
「ごめんね」
静かな、声だった。変わらない。この人は、いつも変わらない。いつも、――いつも、優しい。この人のどこが怖いのか、浅海にはわからない。
わからないまま、ここまで来てしまった。
「浅海くんひとりの秘密には、させてあげない」
声と同じ静かな瞳一面に自分が映っている。自分だけが存在している。そんなふうに思ってしまうと、なにかが決壊してしまいそうだった。
逃げるように小さく頭を振る。こんな弱弱しさは、弱い自分は知らなかった。知りたくもなかった。
強い。自分は強い。だから、なにも問題はない。そう思い込んで、生きてきた。その皮が、剥がれてしまいそうだった。
「だから、おいで」
応えることができずに目を伏せると、八瀬が苦笑したことがわかった。その指先が、治り切っていない傷口に触れる。
「痛かった?」
いいえ、と否定するのは、さすがに嘘くさいだろうか。だが、素直に頷くこともできなかった。
その反応にか、また小さく八瀬が笑う。
「あからさまな傷をつけるのはね、その傷を見せてやりたい相手がいるからだよ」
「……」
「右頬の打撲と、右肩の脱臼。骨に異常もないし、言っちゃなんだけど、この程度で済んだのは運が良かった」
ぎこちなく浅海は頷いた。自分でも思っていたことだったからだ。あれは、きっと運が良かったのだ、と。
「まぁ、それでも、暴力に慣れてない人間からすれば、十分な脅しなんだろうけどね。それ以上されたくなかったら、大人しくしてろっていうのは」
なんでもないことのように言って、でも、と八瀬は続けた。
「浅海くん、泣き喚かなかったんだって? だから、あいつ楽しくなったんだろうなぁ。俺なんて汚い声聞かされるばっかりで、なんにも楽しくなかったのに」
そう言いながらも、八瀬は笑っていた。
「骨を折らないようにするのも面倒だったし」
「一基さん?」
なにを言っているのか、理解したくなかっただけだったのかもしれない。戸惑いを隠し切れない声で名前を呼ぶ。
「俺がしたことを教えてあげようか?」
「……え?」
「浅海くんのきれいな頭では想像できないような、ひどいこと」
にこりと八瀬が笑う。優しげなのに、どこかぞっとするようなそれで。
――あの人は、やくざです。やくざの家に生まれたというだけじゃない、その道で生きることを選んだ人です。
何度も言いにくそうに、けれど、昂輝が真摯に伝えようとしてくれた道理に、自分はわからないふりを貫き続けていた。
やくざだろうが、なんだろうが、それはこの人個人とはなにも関係のないことだ、と。きれいごとの建前で、見ないふりをした。
「あいつが最近かわいがってるオンナがいてね。せっかくだから、俺もかわいがってやろうと思ったんだけど――、聞きたくない?」
ふるりと首を横に振る。聞くべきだと思ったのだ。けれど、わかっていた。それは――。
「でも、それは」
「そう。浅海くんのためじゃない。安心していいよ。俺のためだ」
示しはつけないとね、という台詞に、そうだ、と何度目になるのかもわからないことを実感する。この人は、やくざなんだ。
だから、わかっている。自分のためじゃない、ということも、ぜんぶ。
まわされるくらいならまだしも、とこの人が笑っていたことも、ぜんぶ。そう遠い過去の話ではない。
この人は自分とは違うのだと思って、わかって、でも、線を引くことができなかった。
エレベーターに乗り、通い慣れた階のボタンを押したところで、浅海は鏡に映る自分を改めた。
あの夜に比べると顔の腫れはマシになっているものの、いかんせん三角巾が怪我の具合を大袈裟に見せている。
――まぁ、でも、しかたないか。
わかっていたことなのだから、明るい表情で振る舞うしか道はない。あの人だって、暗い顔なんて見たくはないだろうし。
そこまで考えたところで、浅海はいまさらなことに思い至った。
――っていうか、本当にいまさらだけど、一基さんがいる保証ってないよな……?
そもそもが不在がちという理由で鍵を預かっているのだ。在宅している確率のほうが低いだろう。
そんなあたりまえのことまで、頭から抜け落ちていたらしい。働きの鈍い頭に、浅海は溜息を吐いた。だが、来てしまったものはしかたがない。
不在だったら、帰ってくるまで待ってみようか、と思考を巡らせる。一度の機会で蹴りをつけたほうが、八瀬にとっての面倒も少ないだろうと考えたのだ。できるだけ、手間はかけさせたくないな、と思う。
部屋の前で、浅海は呼吸を整えた。チャイムに反応がないことを確認して、そっと鍵を差し込む。
当てが外れたようで残念な気持ちがある反面、どこかでほっと安堵する気持ちもあった。
会いたいだけで、実際に会う覚悟はできていなかったのかもしれない。そう思うと、本当にみっともない。
――でも、だから、一基さんがいなくてよかったんだろうな。
習慣で「お邪魔します」と口にして、脱いだ靴を揃える。そのまま廊下を進んだところで、浅海はふと違和感を覚えた。誰か、いる気がする。
「一基さん?」
呼びかけてみたものの、返事はなかった。
あの人に限ってそんなことはないと思うのだが、仕事かなにかで集中していて、チャイムに気づかなかったのだろうか。
不審を抱えながらも、人の気配を感じるリビングのドアを開ける。
「一基さ――」
もう一度呼びかけるつもりだった声が途切れ、持っていた荷物がばさりと音を立ててフローリングに落ちる。
拾うこともできずにいると、ソファーに座っていた八瀬がゆっくり振り返った。
「浅海くんは律儀だから、来ると思ってた」
いつもとなんら変わりのない静かな声だった。
その声に、身体のこわばりが解けていく。呼吸のやり方を思い出した喉が、せわしなく開いている気がした。けれど、空気が入ってこない。
「おいで」
こちらを見る優しい色の瞳も、手招く仕草も、すべていつもどおりだった。なにごともなかったかのような。だが、そうではない。
彼が立ち上げているパソコンの画面に映っているものが、なにもなかったことにしてくれない。
「……なに、見てるんですか」
ようやく発声できた問いかけは、みっともないほど震えていた。その浅海を見つめ、「大丈夫」と彼が言う。場違いなほどあっさりと。
「どこにも流出はさせてない」
「っ、見ないでください!」
「誰も見ないよ。俺たち以外は」
なにも繕えないまま、足を踏み出す。画面を閉じたい一心で伸ばした腕を掴まれ、浅海はびくりと身体を揺らした。だが、それでも彼は変わらなかった。穏やかな声が、宥めるような台詞を紡ぐ。
「誰も見ない」
「あなたが」
言葉に詰まったことを悟られまいと、一呼吸置いて浅海は言い直した。
「あなたに、……あなたに、見られたく、ない」
「そのお願いは聞いてあげられないな」
彼がどこか困ったようにほほえんだことがわかった。
「俺には見る義務がある」
権利、と彼は言わなかった。義務。義務というのは、なんなのだろう。自分が巻き込んだと思っているからだろうか。その責任があると言いたいのだろうか。
「一基、さん」
声が震える。彼の顔を見ることはできそうになかった。画面からは自分のものとは思えない声が響いている。けれど、それは、自分の声で。自分の。
「一基さん」
大きな掌が頬に触れる。また輪郭が震えたと自分でもわかった。この掌に触れられることが奇跡と思っていた夜が、ひどく遠い。
うつむいたままだった顔を、決して乱暴ではない指の力が持ち上げる。
「ごめんね」
静かな、声だった。変わらない。この人は、いつも変わらない。いつも、――いつも、優しい。この人のどこが怖いのか、浅海にはわからない。
わからないまま、ここまで来てしまった。
「浅海くんひとりの秘密には、させてあげない」
声と同じ静かな瞳一面に自分が映っている。自分だけが存在している。そんなふうに思ってしまうと、なにかが決壊してしまいそうだった。
逃げるように小さく頭を振る。こんな弱弱しさは、弱い自分は知らなかった。知りたくもなかった。
強い。自分は強い。だから、なにも問題はない。そう思い込んで、生きてきた。その皮が、剥がれてしまいそうだった。
「だから、おいで」
応えることができずに目を伏せると、八瀬が苦笑したことがわかった。その指先が、治り切っていない傷口に触れる。
「痛かった?」
いいえ、と否定するのは、さすがに嘘くさいだろうか。だが、素直に頷くこともできなかった。
その反応にか、また小さく八瀬が笑う。
「あからさまな傷をつけるのはね、その傷を見せてやりたい相手がいるからだよ」
「……」
「右頬の打撲と、右肩の脱臼。骨に異常もないし、言っちゃなんだけど、この程度で済んだのは運が良かった」
ぎこちなく浅海は頷いた。自分でも思っていたことだったからだ。あれは、きっと運が良かったのだ、と。
「まぁ、それでも、暴力に慣れてない人間からすれば、十分な脅しなんだろうけどね。それ以上されたくなかったら、大人しくしてろっていうのは」
なんでもないことのように言って、でも、と八瀬は続けた。
「浅海くん、泣き喚かなかったんだって? だから、あいつ楽しくなったんだろうなぁ。俺なんて汚い声聞かされるばっかりで、なんにも楽しくなかったのに」
そう言いながらも、八瀬は笑っていた。
「骨を折らないようにするのも面倒だったし」
「一基さん?」
なにを言っているのか、理解したくなかっただけだったのかもしれない。戸惑いを隠し切れない声で名前を呼ぶ。
「俺がしたことを教えてあげようか?」
「……え?」
「浅海くんのきれいな頭では想像できないような、ひどいこと」
にこりと八瀬が笑う。優しげなのに、どこかぞっとするようなそれで。
――あの人は、やくざです。やくざの家に生まれたというだけじゃない、その道で生きることを選んだ人です。
何度も言いにくそうに、けれど、昂輝が真摯に伝えようとしてくれた道理に、自分はわからないふりを貫き続けていた。
やくざだろうが、なんだろうが、それはこの人個人とはなにも関係のないことだ、と。きれいごとの建前で、見ないふりをした。
「あいつが最近かわいがってるオンナがいてね。せっかくだから、俺もかわいがってやろうと思ったんだけど――、聞きたくない?」
ふるりと首を横に振る。聞くべきだと思ったのだ。けれど、わかっていた。それは――。
「でも、それは」
「そう。浅海くんのためじゃない。安心していいよ。俺のためだ」
示しはつけないとね、という台詞に、そうだ、と何度目になるのかもわからないことを実感する。この人は、やくざなんだ。
だから、わかっている。自分のためじゃない、ということも、ぜんぶ。
まわされるくらいならまだしも、とこの人が笑っていたことも、ぜんぶ。そう遠い過去の話ではない。
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